短編2
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怖い話の話 1年目

まずは序章からお読み下さいな。

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えー、はい。

原付の女から逃れ、部屋に戻ったワタクシ。

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落ち着いてみると、これはネタになるぞ、と。

その頃からワタクシはネットで恐怖譚を綴っておりましたのでね。早速書き始めて。

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部屋の中に、折り畳み式のベッドを置いていたんです。六畳一間だったんで、とても邪魔だったんで立てて置いていました。書き終えると同時にそのベッドが、

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折れちまったんです。いきなり。バキッと。

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驚きましたね。するとすぐに父からLINEが届きました。父はそういった体験をよくしているので、その頃、話をきいてたんですね。ネタ集めに。

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「もう怖い話は教えられない」

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なんでだよ!って思いましたね。豊富なネタ源を失う事になる。尋ねると父は

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「体験談を思い出している途中、歯が全部抜けた」

って言うんです。

以前から父は、体験談に襲われることがあったんですが。巨大なカラスに襲われたり(本当か?)、スーパーで買い物した後車に戻ると知らない男が後部座席からこちらを覗いていたり。初めて父本人に害が及んだので、流石にまずいなと。

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翌日、ワタクシは近所の駅前を歩いているとサラリーマンに「お前らうるさいぞ!」と怒鳴られてしまいました。1人で歩いてたんですがね。そこから電車に乗って京都に向かったんです。野暮用ですわ。

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深夜まで京都に滞在し、始発で帰る事になったんです。風情ある街並みですが、さすがに疲れておりました。下を見ながら歩いてたんです。そしたら、

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誰かがもぎ取ってそこに置いたとしか思えない鳩の首が道の真ん中に置かれてたんです。嫌な気分になりますよそりゃあ。目を逸らして京都から帰宅。

さらにその日の晩、これが一番厄介なんですが。

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これ、10月頃の話なんです。残暑が続いていたとしても夜は寒い。部屋の窓はしっかり閉めて鍵も閉めた事を確認してワタクシは眠りについたわけです。

翌朝目がさめると、窓が全開になってるわけです。

おかしいぞ?閉めたはずだ。

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其の日、全ての原因となったファミレスで話していた奴と会う機会がありました。そいつ、今朝見た夢の話を始めるんですな。

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「窓の外を中学生みたいなやつらが横切っていく。ずっとずっと。ただ、1人だけ立ち止まってこちらを見ている。ニヤニヤ笑いながら見ている。そいつが誰なのかは知らない。中学生達は横切っていく。そいつ、窓に近づいてくる。入ろうとしてくる。そこで目が覚めた」

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「そいつ、俺んちに入って来ちまったよ馬鹿野郎」

ワタクシはそういって笑いました。

また、ネタが増えましたからね。この後さらに増えることとなるわけですが。それはまた次で。

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