中編3
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恐怖の悪戯【四】

やっと入院以来の夢が叶う。俺は光宙のアパートへ向かった。今日は光宙のバイトの休日で、おそらくここにいるだろう。その予想は当たった。

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インターホンを鳴らすと光宙は玄関ドアをゆっくりと開けた。

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sound:22

光宙「何しに来たんだ?俺には近づくな!」

music:6

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明らかに様子がおかしい。俺に合うといつも笑って挨拶をしてくる光宙がこんな態度を見せることは滅多に無かった。

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俺「どうしたんだ光宙!しっかりしろ!」

光宙「もう俺は無理だ!」

俺「そんなこと言うなよ。あの時何があったのか説明してくれ。」

光宙「あの時俺は屋敷の中にあった鏡を倒して割ってしまったんだ。そうしたら…」

俺「どうなったんだ?」

光宙「スマホの電池パックが突然破裂した。俺は明かりを失って慌てて逃げようとしたらお前の悲鳴が聞こえてきたんだ。とにかくまずい状況だと察したオレは何とか外に出るべくそこら辺にあった椅子かなんかで窓を思いっきり壊した。その瞬間見えたんだ…」

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sound:19

光宙「怒りに満ちた顔の様なものが。」

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光宙「そしてそいつは俺に『お前は死ぬ』といって消えていった。信じられないかもしれない、でも俺には確実に見えたし聞き取れた。逃げようとした時廊下にぐったりしていたお前を見つけて背負って脱出したけど何やら怪我をしているようだったから119番通報したんだ。その後屋敷から出た冠もその顔を見たらしい。」

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music:4

そこで俺は谷岡の発言を思い出した。

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【中身】

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あの屋敷にかけられている術の本体。もし2人が見たものが最も恐れていたそれだとしたら。

それから数分間光宙と話し、冠の入居しているマンションに訪れた。

玄関ドアを開けて怯える様子は、まさに光宙のそのものであった。

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冠「行かなきゃ良かったよ。僕の分まで生きてくれ。」

俺「そんなこと言うなよ。絶対大丈夫だって!」

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正直言って2人が大丈夫である気はしなかった。ひとまず俺達は解決策を探るべく光宙のアパートに集まったが知り合いにそういう事の専門家が居らずどうしたらよいか迷った挙句、谷岡に電話をすることにした。

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sound:32

俺「もしもし谷岡さんですか?」

谷岡「そうじゃ、その声は俺君じゃな?随分と慌てておるのう。何かあったんかい?」

俺「実は…友人2人が屋敷の【中身】を見てしまったようなんです!」

谷岡「なんじゃと!今そちらに向かう、住所を教えてくれ!」

俺「住所は……」

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俺は谷岡に住所を教え、谷岡が来るのを待った。電話口の谷岡はとても動揺した様子だった。

やがて数十分してから俺達が集まっていた光宙のアパートに谷岡が到着した。

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谷岡「俺君、お久しぶりじゃ。そして2人が友人さんかの?」

俺「はい、光宙と冠です。2人は家具で窓を破壊して脱出したようです。」

谷岡「それで【中身】が出てきおったのか。よし、あとはわしの知り合いのそういうのに詳しい奴に話を繋げておくぞ。ちと変わり者だが実力は確かじゃ。」

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そう言って谷岡は電話し始めた。

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_____つづく。

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