短編2
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自分の意志ではない

鏡の前に立つ…

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何気ない、いつもと変わらない朝の様子だが何となく不思議なフワフワした感覚が体を包むのを感じた。

鏡に写る私がジ…っと、自らの目を睨む。

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…?

自分の意志ではない。

何故か恐怖を感じ目をそらす…

鏡の自分も目を逸らしていると思いたい…なのに…何となく視線を感じる。

もう一度、恐る恐る目を合わせる。

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笑っている。

私自身、口角を上げているつもりは無い。

だが笑みを浮かべている…

次の瞬間、左手が動くのが見える。

右手も遅ればせながら動く…

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驚き、実際の自分の手を見る。

同じに動いている

自分の意志ではない…

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鏡を見る。

不敵な笑み

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何んだこれは?寝ぼけているのかな?

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両手はそのまま頭まで上がる。

左腕は頭の後ろから手をまわし右こめかみに手を添え…右手は前から左こめかみ辺りに手を添えた。

なんだこの体勢…?

体の硬い私、そのヘンテコな格好が痛い…

これもまた、自分の意志ではない。

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元の体勢に戻そうと、手に力を入れた次の瞬間。

shake

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思いとは裏腹に手は物凄い力で首を右に捻じ曲げた…

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shake

『ゴギョリンッ』

shake

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聞いたこともない強烈な音と共に首筋と首根元に走る激痛。

そして気道を塞がれたような猛烈な苦しさ。

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…………………

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右側には風呂場、真後ろは洗面所の出入り口、左には窓、窓下のタオル掛けには母が朝 取り替えたのだろう、清潔なタオル…

って…待て、何故、今これらを順に見ているの?

首がねじ曲がっていっているから?

すると、徐々に鏡が見えてくる。

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首がネジ切れそうによじれ、捻くれた姿が鏡に写る。

痛みは限界を迎えているのに、意識があり信じられ無いくらい頭がすっきりしている。

鏡に写るその姿のなんと間抜けなことか、口から血を吹き出しながらケタケタと、笑った…いや、自分の意志ではない。

ってところで、目が醒める。

夢か…

変な夢…怖かった。

洗面所に欠伸(あくび)をしながら向かう。

鏡の前に立つ。

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何気ない、いつもと変わらない朝の様子だが何となく不思議なフワフワした感覚が体を包むのを感じた。

鏡に写る私がジ…っと、自らの目を睨む。

…?

自分の意志ではない。

何故か恐怖を感じ目をそらす…

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