短編2
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葬と想

職場での話だ。

俺は老人を相手にする仕事をしている。

元来おばあちゃんっ子だった俺にはうってつけだ。

俺にこの道を勧めた兄貴はやはり先見の明があるのだろう。

そんな職場で起こった、、、

いや、優しい電気機器の故障だ。

朝から夕方まで俺は老人達と過ごす。

送迎、食事、入浴等多岐にわたる。

そんな中、フロア待機の時の話。

老人K「そういえば私、Nさんに体調悪くしてから連絡とれてないのよ。私、、、ずっとあの方と連絡とってたんだけど、、、耳も聞こえないし電話が鳴っても取りに行く前に切れてしまうの。Nさんに会いたいわぁ。」

スタッフ「そうなんですね。きっとNさんも同じ気持ちでお互いを心配し気遣える人がいる事を喜んでいますょ。」

と、伝えた。

その瞬間である。

ブゥゥゥン。

機械的な音がフロアに響く。

電源を落としていたテレビが勝手についたのである。

みんなビックリした。

何故ならメインスイッチを押し完全に消していたから。

なんでやろ?なんでやろ?

と、スタッフと利用者で話していると送迎から帰ってきたドライバーから一報がはいる。

「さっき会館でNさんって名字あったけど、、、もしかしてあのNさんかなぁ?それか体調の悪かったNさんの息子さんかなぁ?」

静まり返るフロア。

もしかしたらと、、、思う気持ち。

心の鐘が早鐘に切り替わった気がした。

後日。

確認するとやはりNさんでした。

あれは最後の挨拶だったのか。

人の命は限りありますがその後の魂、思念、思い、想い、、、これは何かのエネルギーとなるのだろうか。

ただのテレビの故障かもしれないが想いというものに賭けてみたい自分がいる。

貴方への感謝の想い。

それが電子機器をも動かしたのなら、、、それはホラーよりもオカルト話だ。

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マリカさん(^^)

ありがとうございます。

職場が職場なだけにこういう事多いです(^^)

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最後の一文が、効いています。
Nさんが伝えたかった想い・・汲み取って差し上げられるのは、身近にいたバグ太郎様のような方なのかもしれません。