中編4
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すみませんが…

どうも

こんな話をここでしてどうなるんだとは思うんですが、幽霊というのはすごい繊細なんですよ

よく言うじゃないですか、部屋の角の隅には集まるとか、水場によく集まるとか、幽霊の話をすると寄ってくるって

あれは実は幽霊達が寂しがりやだからなんですね

考えてもみてくださいよ

もしも、あなたが極度の寂しがりやで人見知りだったとして、身知らずの人の部屋のど真ん中に座れますか?

陽の当たる道を歩けますか?

自分のことに興味のない人に寄れますか?

つまりはあの子達はものすごく、あなた達に気づいて欲しいんですね

死んだけど、ここにいるよって

まぁ、こんな話は置いておいて、本題の怖い話に移りますか

今からおよそ何十年前だとかの話です

小さな販売店の店長の話です

この店長さん、気さくで活発で、従業員からの信頼も厚いひとでした

非常に気の利く方で、その日も休憩の時間になると、

「よし、お前ら、このチラシから好きな弁当を選んでくれ!俺が買ってきてやるよ!」

といつものように弁当屋さんのチラシを広げました

「いいんですか??店長?」

「いやいや、お前らが頑張ってるのを見れるだけで俺は幸せだからな、何かしてやらねぇとバチがあたる笑」

と上機嫌にそう言いました

従業員もその気持ちに応えようとみな口々に弁当の種類を言っていきました

「全部で8つだな、よし、行ってくるよ!」

バイクを飛ばして行き、そしてみんなに頼まれたやつを買って帰ってきました

「買ってきたぞ〜!」

「あっ、ありがとうございます!いただきます!」

みんなそれぞれ弁当を取ったんですが、どうしたことか一つ余ります

「あれっ、この弁当、誰か注文したか?」

「誰もしてませんよ?」

「おっかしいなぁ、確かに8つ買ってきたんだが…」

「8つ?店長含めて7人ですよ?」

「あれっ、本当か?でも、ちゃんと人数と照らし合わせても8つだったんだよなぁ」

「誰が見えたんですか?笑 店長疲れてるんですよ笑」

そう話していると、見知らぬ番号から電話が来ました

「はい、○○店店長の××ですが」

「…店長さん、お弁当ありがとうございます」

暗い声で電話の主は答えました

少し店長は驚きました

「どちらさまですか?」

「…お弁当は奥の部屋に置いておいてください」

そう言い残すと電話が切られました

不審に思いかけ直してみたんですが、何故かそんな番号は存在しないみたいなんですよ

従業員に相談した結果本社に問い合わせることにしました

すると本社の社員は意外にも特に別段慌てる様子もなく

「奥の部屋ですよね、トイレの一番奥の部屋に置いてあげてください」

という答えが来ました

実を言うとこの店の従業員用のトイレの一番奥の部屋は、だいぶと昔から使用禁止の張り紙がされていて、扉も開けられないようにされてました

ただ、絶対に開けられないような形ではなかった為店長は従業員とともに奥の部屋を開けました

すると、そこには、小さな位牌と天井から吊り下げられた輪っか状のロープがありました

これは後から聞いた話なんですが、店長が来るまで、前の店長がいた時は、従業員に一切気のつかわない店長で、特に一人の従業員に対しては半ばいじめのようなことを繰り返していたらしいんです

それに耐えきれなくなった従業員はその部屋で首を吊って自殺したらしいのですが、どうもその恨みが強かったらしく、このロープを片付けようとした人がみななんらかの不幸に見舞われたんです

当然その店長は退職、有名な霊媒師の指示で位牌と花を置き、そのロープはそのままに、誰もトイレに入れないようにしておいたそうです

そして、この話があったその日がちょうど自殺した従業員の命日だったとか

これで怖い話は終わります

どうでしたか?

やっぱり寂しがりやなんですね、あの子達は

そんなに怖くなかった?

怖い必要はないんですよ

私、最初に言いましたね

幽霊の話をすると寄ってくるって

幽霊の話であればなんでもよかった

怖くなくても別によかった

やっと見つけた、ほら、後ろを見て

残念、後ろにはいないよ、上だよ

あぁ、やっぱりみえないか

でも安心してね

あなたの場所はわかったから

あなたが風呂に入って頭を洗ってる時に視線を感じたら私と思って

目の前で見つめてるから

あなたもあの店長のように、こっちに連れてってあげるね

だって寂しいんだもん

じゃあ、今晩いくね

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