短編1
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愚行

ある森の奥に暖かな家がありました。

その家には何人もの人間がひしめき合って生活しています。

その中のひとりが、皆が楽しく過ごせるようにと家の外に花を飾りました。

花をみた他の住人は嬉しくなり、自分も違う色の花を置いてみようという動きが広まり、いつしか色んな住人の色んな花が家の外に並びました。

それはとても美しく、住人はお互いの花を褒め合い、とても満足していました。

ですがある日の事、自分の花だけ人のと比べてあまり褒めてもらえないと感じた住人の1人が、みんなで飾った花を押し退けて自分の花で家の前を埋め尽くしました。

皆で置いた花は、その1人が大量に置いた花に埋もれてしまい見えなくなってしまいました。

住人は悲しみました。みんなの花が見えなくなってしまった。皆同じようでそれぞれが違う花だったのに、どこかで見たことあるような乱雑な花ばかりになってしまった。

次の日、それまで楽しく過ごしていた住人達は家を去っていきました。皆で置いた花を押し退けた1人を残して。

残された一人は後悔しました。皆で過ごした日々はどれだけ大切なものだったろうと嘆き悲しみ、自分の愚行を呪い、自らその家で命を絶ちました。

足元には自分一人で並べたたくさんの花が誰にも評価されないまま悲しく咲き続けていました。

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誰にでもあるような人のエゴの怖さを改めて感じました

悲しくもあり…
深いですね…