短編1
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葬儀の場で、、

祖母は北朝鮮で亡くなってる。

引揚者の悲しい混乱でなかなか複雑な家庭。

同じ引揚者で身寄りのない婆さんを死ぬ前の数年間だけ引き取っていた。

もちろん、血のつながりはないし、20年以上前だったがその時点で既に90を越える歳で寝たきりになっていた。

ある晩、急に亡くなってしまい、通夜の準備なんかで家族がバタバタしてる中、俺が一人で見ている事になった。

身近の葬式初めてなんで知らなかったが、遺体の上に包丁を一本置いた形で一晩中番をする。

生きていた時から「あー」とか「うー」とかほとんど意思疎通もできない感じだった。

だからご遺体は、さほど怖いと思う事もなく本を読んでいた。

ちょうど周りが静かになった十時ごろ

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shake

不意に婆さんがはっきりと「あああ」と声をあげると上半身を起こしかけた。

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愕然としていると遺体はまたゆっくりともとに戻った。

おそるおそる反応を確認してみた

瞳孔は開いている

脈もない

何より人が死ぬとのどに痰が上がってくるが口を開けたら痰が口元まで上がっていた。

しかし、声を聞いた人も、見た人もおらず信じてもらえなかった。

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葬儀が終わりふと思い出した

魔除けの包丁はこういうときのためのものではないかと

家の近所での話では猫とか、もののけが、夜遺体に取り付いて悪さをするという話があった

あれが何であったかは分からない、ただ、忘れたくとも忘れられない恐怖を感じた。

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