中編2
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新しいマンション

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最近新しいマンションに家族で引っ越した。

4LDKの築2年、かなりきれいなマンションである。

コンシェルジュもおり、スポーツジムや、体育館、児童遊戯室(?)、さらに来客時の宿泊用にゲストルームもあり、設備面も申し分ない。

新居での生活を家族五人でしばらく楽しんでいた。

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ある日、引っ越す前に住んでいたマンションの話になった。

母「あんたさあ、前のマンションどうやった?」

僕「何が?」

何の話か心当たりはあったが聞き返してみた。

母「あたしは何もなかったけどみんな気持ち悪かったって。」

以前住んでいたマンションのある一帯は、太平洋戦争の火葬場だったとして巷では有名だったのである。

おまけにマンションの裏には墓地があった。

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母「R(妹)はあんたとY(弟)が寝とった二段ベッドと床の間に兵士のような格好をした人を見たんやって。」

僕「え、きもちわる。錯覚ちゃうん。笑」

だが妹は横から本当に見たと茶々を入れる。

母が続ける。

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母「で、Rは夜中に廊下がミシミシきしむ音で目が覚めとったらしいんやけど、廊下覗いても誰もおらんのやて。

ほんでYはあんたら二人が寝とった部屋で壁がコツコツ鳴るのを何べんも聞いたらしいで。

あんたは聞こえんかったん?」

僕「……覚えある。学校病欠して、部屋で横になってるときとかに何回か。」

母「ほんでさあ。

父さんも夜中ぱっと目が覚めたとと思ったら妙に墓地に面した窓が気になって、じっと見つめては身震いしてたみたいよ。」

僕の父は恐怖なんて感情とは無縁とも言える人物である。

屈強な体つきで、気もしっかりとしていて、幽霊なんかに臆するタイプではない。

そんな父がぞっという感覚を覚えたというのは本当に異常なのだ。

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母「それに、前のマンションに入居する前に住んでた人達おるやろ?

まだあの人たちが住んでるときに中見してもらったやん。

あの家族の子供部屋があんたらの部屋になったとこなんやけど、あの部屋の窓の上にな、

shake

お札が貼ってあってん。

ふつう子供部屋にお札なんか貼らへんもんな。」

僕「いよいよガチになってきたな。

今までそんな気持ち悪いとこに暮らしてたんや…」

母「あたしはどうもなかったけどな。

でも、みんな今では何か気持ち悪いとか感じることもないみたいよ。

引っ越す前にここちゃんとお祓いもしてるしね。」

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前のマンションはこんな怪現象があり、たしかに気持ち悪かったが、霊には特に悪さをされることはなかったようだ。

このことは喜ぶべきだろう。

今、新しいマンションで家族五人で談笑しながら食卓を囲んでいる。

みんなとても幸せそうである。

こんな家族の様子を見ていたらとても言い出せない。

shake

軍服を着た男がテーブルの下からこっちを見つめているなんて。

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ピノさん

コメントありがとうございます!
楽しんでいただけて良かったです(^^)
また新しい作品書いたらぜひぜひ(^○^)

mamiさん

コメントありがとうございます!
僕も最後に持っていく形好きなんです笑

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さとりさん

コメントありがとうございます!
案外僕かもしれません…

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死んさん

コメントありがとうございます!
そういう観点もありかもしれないですね笑

ゼロさん

コメントありがとうございます!
かっちゃんって呼ばれる人以外に多いですよね!笑

案外犯人は父母弟妹のだれでもなく……笑

まりかさん

コメントありがとうございます!
こんなシチュエーション想像するだけでも恐いですよね(^_^;)

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時さん

ありがとうございます!
作品読ませていただきましたよ!
お互いに楽しんで書きましょう(^^)

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応援しています。