短編2
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不自然

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私が実際に見た夢の話です。

気が付くと、私は電車に乗っていました。

辺りを見回すと、自分の向かいの席に私が幼いころから大切にしてきた

ぬいぐるみ(仮にC介とします)が座っていました。

私とそのぬいぐるみ以外に乗客はいません。

すると、男の人の声で

「まもなく、終点の人形町駅です。お忘れ物のないようにご注意ください。」

と放送が入りました。

人形町って実際にある場所だよな?とぼんやり考えていると、

向かいの席に座っていたC介が席から降りてこっちに来いとでも言っているかのように

私に背中を向けて立ち止まっています。

一緒に行かないと夢から抜け出せない気がしたので、仕方なくついていきました。

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電車から降りて駅のホームに移動しました。駅の看板には「人形町駅」と書いてありました。

C介は改札の方へ向かいます。切符も何も持っていません。

どうすればいいのか迷っていると、改札が勝手に開きました。

C介が駅を出たので私も駅を出ました。外に出てみると、

shake

日本人形が道路に一列になって並んでいました。

あまりにも異常な光景に、私は立ち止まってしまいました。

C介はこちらを見ています。

私は仕方なく進むことにしました。

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駅の向こう側にはお店がたくさんありました。

その道路にも日本人形が並んでいました。

C介は「お好み焼き」と書かれた看板のある店に入っていきます。

私もそのお店に入っていくと、その店にも日本人形がいました。

すると、「いらっしゃいませ」と子供の声が聞こえてきました。

その店の中には、淡い水色の浴衣を着た黒い長髪の女の子がいました。

その女の子は親切に麦茶のようなものを渡してくれましたが、飲みませんでした。

私は、女の子に今まで疑問に思っていたことをすべて話しました。

女の子はこう、答えました。

「私は、人形だけで人間のような世界を作りたいと思ったの。だけど、失敗しちゃったみたい。

 町並みは人間の世界と同じなのに、人形が道路に並んでいるなんて変じゃない?

 だから、人間の世界の人に知識を分けてもらいたくて、あなたを呼んだの。」

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私は、「人形だけで人間の世界を作りたいのなら、手伝ってあげたい。

でも、私は帰りたい。もといた世界に帰りたい。」

と答えました。

すると女の子は、「いいよ、帰してあげる。今度は別の人を呼ぶから。」

女の子は立ち上がり、店の入り口の前に立って、引き戸を開きました。

その向こう側には、私の部屋がありました。

「ここからあなたの世界に帰れるよ。そのぬいぐるみはここでしか動けないから、

 抱いておいた方がいいんじゃないかな。」

私はC介を抱き上げ、入り口の前に立ちました。

女の子は言いました。

shake

「来たくなったら、また来てね。」

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