短編1
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蹴られ続ける男

お盆休みは俺が臨時の院長となる。

その初日、激しい暴行を受けた患者が搬送された。

普段なら下の方の外科医に任せる程度だったが、

人手不足で担当する事になった。

患者に怪我の原因を聞くと、

「誰にも言うなよ」と言って語った。

「俺は孤独に登山を楽しんでたんや。

けどよ、県境付近で俺とは違う足音が聞こえたんや。

後ろ振り向いても誰もおらん。けど、足音は聞こえんねん。

後ろ見んようにして、足で確認したら、

後ろに誰の足があってん。

パニクッて走って逃げようとした時、

奴の足を蹴ってしまった。

その後、蹴り返されて、

立ち上がろうとしたら、

また蹴られる。

見えない奴に。

蹴られ続けて湖に落ちた時、蹴られるのは終ったんや。」

その話をオカルトマニアの友人に話したら、

一緒に行こうと誘ってきた。

お盆休み後、仕方なく行くと、怖くなってきた。

患者の言っていた場所に着くと、足音ではなく誰かの声が聞こえてきた。

友人は興味津々に進み、追いかける。

鍾乳洞にたどり着いた。

声が聞こえる。

中に入ると分かれ道。

友人は「お前はあっち」と指示し別行動となった。

進んでいくと声が近づいて来る。

そして、行き止まり、蹴られ続ける男がいた。

耳をすますと、

足音も聞こえる。

驚いて振り向こうとした時

俺は奴の足を蹴ってしまった。

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