中編3
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電車の点検整備士時代

私は、五年前まで

ある有名な鉄道会社に勤めていました。

仕事内容は電車の点検整備、車庫内での電車の入れ替え運転など、夜勤もある仕事をしていました。

鉄道会社で電車の点検整備の仕事をしていると、皆さんもお気付きの通り、人身事故後の車両の点検や、深夜の入れ替え運転など、嫌でも恐いなと思う仕事内容もありました。

また、運転手さんから体験談を聞く機会もあったりと、恐い体験をした方から色々話しも聞きました。

今日は、そのうちのひとつ

ある、運転手さんの体験談です

運転手さんと言うと、鉄道会社では花方の仕事のように思えますが、ホームからの飛び込み自殺を目撃する確率はどんな人よりも多い仕事だと思います。

運転手さんのAさんは、年齢が50歳を過ぎたベテランの運転手さんで、話を聞くと、運転中に今まで数人のホームからの飛び込み自殺にあった事があると言うことでした。

電車というのは、通過駅だと速度はそこまで落とさない区間もあり、もし遠くで人がホームからレールに飛び降りたとしても、速度が出ているので、すぐにブレーキをかけたとしても、レールと車輪が鉄なので、数百メートルは止まれません

Aさんが言うには、駅を通過の時に

あ、あの人飛び込むな

と分かる時もあるみたいです

人にもよりますが、線路の上で正座をする人

レールに首を置く人、直前に飛び込んでくる人

と色々らしいです

新人の運転手さんなどは、人身事故を一度経験して

すぐ仕事を辞めてしまう方もいるようで

精神的に凄く辛い事だと思います

Aさんは

もうなれたと言っていましたが、私が

「霊的な経験はないんですか?」と聞くと

Aさんは

「霊的な事は一度もない、でも数日寝れなくなった経験はある」と言うので、その経験を聞いてみました。

ある日、いつも通りの通勤通学の時間に、Aさんは運転手として、準急を運転していました。

次の駅は通過だと確認し、その駅が見えてきた時

一人の女子高生が、ホームから線路へピョンと降りたそうです

Aさんは、警笛を鳴らし、すぐにブレーキをかけました

女子高生は、ホームから飛び降り

線路の真ん中で、Aさんから見れば横を真っ直ぐ見た状態で動きませんでした。

Aさんは自殺だと分かり、目を背けたいにもかかわらず、後の報告などのために、状況を把握するためにずっと前を見て

止まってくれ止まってくれ止まってくれ止まってくれ止まってくれ

ただそれだけを小さな声で繰り返していたそうです

女子高生が近づくにつれて、スローモーションになったように感じたそうです

でも、電車の速度はなかなか落ちる事なく

刻一刻と女子高生に近づいていきます

そして、もうぶつかるという時

女子高生がゆっくりこちらに振り向き

Aさんの顔を見て

ニコッと笑ったそうです

Aさんは数日間、その女の子の顔が忘れられず

眠れなかったそうです

自殺する人をすべて救えるとは思わないですが

誰か一人でもそばにいてあげれれば、何かが変わってたかもしれないといつも思ってました。

私も、お客様の安全の為に、毎日点検をしていましたが、人身事故の後の点検をするたび

悲しくも辛くもなりました

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