短編1
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蚊帳越しに微笑む顔

お盆は不思議なことが多い気がする。

小さい頃、母の田舎で毎年お盆を迎えた。とても盛大なお盆で、綺麗な提灯や掛け軸が沢山並べられてた。

仏壇から出されたご先祖様も、ひな壇?みたいな所に綺麗に並べられて、お花や果物、お菓子そしてお盆飾りに囲まれた。母の田舎に泊まりに行くといつもその部屋で寝る。

小学生の低学年の頃、その部屋で寝ていたら夜中に目が覚めた。

誰かが居る気配。隣には母と弟が寝ている。それとは別な気配…。

お盆飾りの所に誰かが居る。蚊帳越しにぼんやり誰かがいるのだ。こっちを見て微笑んでいた。あたしの知らない人だ。ちょっと怖かったが危険な感じはしなかった。

そのまま布団に潜り込み朝を迎えた。

次の朝、祖母に夜中の出来事を話した。どんな感ぢの人だったか色々聞かれたので話すと、祖母が、

『それはここのご先祖様だね。』

そういって写真を見せてくれた。写真と言っても古い写真なので今ほどの鮮明さはないけど夜中見た人に似ていた。

『お盆だからね、帰ってきたんだよ』

と祖母は言った。

お盆は亡くなった人が帰ってくる。

次男は毎年、飼っていた文鳥のピーコの鳴き声や気配を感ぢるらしい。そのたびに、

『おかえり』

っと心の中でつぶやくらしい。

やっぱり、お盆は不思議なことが起こる。

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