短編1
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ゲイム

暗い部屋が一瞬だけ昼間の様に明るくなった。

頭だけを起こしてゆっくりと窓の方へ向けると、少し間を空けてまた空が白く光った。

僕は重い身体を引きずりながら、やっとの思いで窓の近くまで移動した。

汚れた窓を手でなぞると、ベランダにお母さんが立っていた。

お母さんのこんな笑顔を見たのは久しぶりで、妙に嬉しくなった僕は、空腹な事も忘れて急いで窓を開けた。

近くで見たお母さんの顔は青くて、開いた口からはあの時と同じように沢山の血が流れていた。

「お母さん、大丈夫?」

そう言った時、パッと空がまた白く光り、お母さんの姿は消えた。

ベランダの手摺から下を覗くと、玄関の前にお母さんが立っていた。

お母さんはしきりに折れ曲がった右手を動かして、僕に手招きをしている。

僕は窓を閉めて鍵をかけた。

お母さんは死んだんだ。

三年前に事故で死んで、お父さんも一週間前から家に帰ってこない。

それが例えお母さんであっても、勝手に外に出た事がバレたら、またお父さんに叱られる。

僕はベッドに横になると、暗い天井を見つめた。

こうしていればこれ以上お腹が空く事もないし、ましてや僕は一人でもない。

その内にお父さんも帰ってきてくれる。

「ごめんね」

僕がそう声をかけると、天井に浮かんだお婆ちゃんの顔がニンマリと微笑んだ。

さあ、ゲイムの続きを始めようか。

【了】

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皆様、今回は僕の恥作、ゲイムをお読み頂きまして有難うございます。

もしお時間が許すならば、引き続きよもつ先生の「ゲノム」そして「ゲイム 2」を合わせてお楽しみ下さい…ひひ…

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ロビたん

( ˘-з-)チェッ・・・千寿子が婆ちゃんに変化したかと思って期待してたのに~(๑•́ ₃ •̀๑)ぶー

どこぞの中華料理店で豚肉玉子飯と餃子食うてるんか~。

てゆうか、豚肉玉子飯って、他人丼みたいな感じ?

ふふ紫音お姐様、そう何度も千寿子押しでいく訳もありません!
しかし千寿子はまだ4◯才です。

彼女は今日もどこぞの中華料理店で、豚肉玉子飯と餃子を注文している事でしょう…ひひ…

花ゆず様、小生の拙すぎる駄作に寛容なお慈悲をスペシャルサンクスです!

少年は空腹を紛らわす為に、誰とも分からない物の怪と「ゲイム」を楽しんでいるようですね…ひ…

もしかすると、この少年自体が既に壊れてしまっているのかも知れません。( ᵌ ㅊ ᵌ )/

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