短編2
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暑い

この日も真夏日だとテレビが伝えている

お昼の12時、夏休み真っ只中である

「今日も暑いなぁ」

そう思いながら、窓を閉めようとしたとき

ブーン、ブーン

あの嫌な羽音が聞こえた

「あぁ、蚊かぁ」

とりあえず、周りを見渡す

台所、洗面所、テレビ

「いないなぁ」

しかし、羽音はまだ止まず、むしろひどくなっていた

おおよそ、三匹はいるように思えた

一旦窓を閉め、これ以上増えないようにした

「どこかでわいてるのかな」

しかし、依然として黒い影は見えずに羽音は増えていた

ブーン、ブーン

段々と怖くなってきた

不意に視線を感じる

こういうときは感覚がやけに鋭くなる

お盆、家に1人

色々な不安要素が脳内をすごいスピードで駆け巡る

羽音は増え続ける、何も見えない

気持ちが悪い

「なんなんだよ、まったく」

とりあえずテレビをつけようとリモコンに手を伸ばした

ブーン、ブーン

羽音はまるで自分の頭を取り囲むように大きくなってきた

ブーン

羽音が止んだ

静寂が包む

気配を感じて、後ろを振り向いた

「ブーン、ブーン」

羽音ではなかった

得体の知れない何かがこちらを見つめて、ずっと声を出していた

悲鳴をあげようとしたものの、その間もなく気を失った

そして目が覚めた

時計の針は一周回って、夜の12時を差していた

しかし、寝起きの心地よさはいささか皆無だった

天井に貼りつきこちらを見つめるアレがいたから

うるさいほどの羽音と共に

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