中編4
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心理テスト

俺は T。

友達のEと何気ない会話を交わしていた。

俺が当初、付き合ってた女の話になった。

E「お前が付き合ってたあの女、今思えばブサイクだったよなぁ」

T「元カノだろうと悪口言うんじゃねーよ」

もう近くに居なくても、今まで付き合ってたのは事実。

人としての尊厳は傷つけてほしくないものだ。

E「悪ぃ悪ぃ(笑)」

全く…。でも俺とEとは、昔からの付き合いだ。

T「でもよぉ…」

これから話すことも誰にも言わないでいてくれるだろう。

E「何だよ」

T「俺、その女をヤッちゃったんだよな…」

あーあ、言っちまった。

まぁ、Eなら大丈夫だろ。

E「お前、マジか!?」

T「裸 見ちまったら、興奮しちまってよ。ついつい な…」

E「嘘だろ?本当にヤッたのか?どうやってだよ…」

なんだよ、Eのヤツ興味津々じゃねーか。

やっぱり杞憂だったか。

T「正直、若干 強引だったからな…。俺は気持ち良かったよ」

こんな話、他のヤツには言えねーよ。Eに話してみて良かった。

自分の中に溜め込むと良くないとは言うからな。

E「どんだけ溜まってたんだよ…。あの女、何も言わなかったのか?」

T「ヒィヒィ言ってたよ。ぶっ壊れるまでやったよ」

周りからブスと言われようとも――、俺は好きだったからな。

もちろん最後までやった。

E「やっぱ鬼畜だな、お前。あの女…、マグロなんだろ?」

おいおい、そこまで聞くんじゃねーよ(笑)

まぁ、ここまでいったら何を言っても同じか。

T「マグロだな。もう全然動かねーよ(笑)」

E「…」

T「…」

E「…。T、俺 このこと話していいか?」

T「イイ訳ねぇだろ!バカ!」

全く…。ふざけんじゃねーよ、バカヤロー(笑)

 

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俺は E。

俺は最近、Tとは距離を置いていた。

何故なら、Tのことで妙な噂が立っていたからだ。

『Tは異常者』なんだと。

そんな噂を聞いたせいか、何を話したら良いのか分からない…。

ふと、当初Tと付き合ってたあの女のことを思い出した。

あの女、どうなったんだろう?

別れたんだったか。…忘れてしまった。

E「お前が付き合ってたあの女、今思えばブサイクだったよなぁ」

もう居ないんなら、別れて正解だと慰めた方がいいのだろうか?

このTを? …考え過ぎだ。

T「元カノだろうと悪口言うんじゃねーよ」

E「悪ぃ悪ぃ(笑)」

気を悪くしてしまったかもしれない。

Tは昔から堪え性のない、癇癪 持ちだった。

一度 爆発すると手が付けられない、危険人物なのだ。

言葉には気を付けなければ…。

T「でもよぉ…」

E「何だよ」

T「俺、その女をヤッちゃったんだよな…」

E「お前、マジか!?」

そうだ、思い出した…!

あの女、行方不明になっていたんだった。

コイツ、マジか…。

やはりTは異常者だ。

いつかヤルとは思ってたけど、まさか あの女を殺していたなんて。

T「裸 見ちまったら、興奮しちまってよ。ついつい な…」

俺は知っている。

Tがネットで検索しているのは、裸の死体ばかりだということを。

待てよ。俺の考え過ぎかもしれない。

本当に殺したんだろうか?

確かめてみよう。

E「嘘だろ?本当にヤッたのか?どうやってだよ…」

T「正直、若干 強引だったからな…。俺は気持ち良かったよ」

やっぱりイカレてる、警察に通報しよう。

言わない訳にはいかない、悟られないように聴取するんだ。

E「どんだけ溜まってたんだよ…。あの女、何も言わなかったのか?」

T「ヒィヒィ言ってたよ。ぶっ壊れるまでやったよ」

「ぶっ壊れるまで」って、もうバラバラの肉片なのか?

さすがの俺もコイツの人間性に むしずが走った。

E「やっぱ鬼畜だな、お前。あの女…、マグロなんだろ?」

T「マグロだな。もう全然動かねーよ(笑)」

悲惨だ。

もう…、バラバラなんだ。

生きちゃいない…。

E「…」

T「…」

やっぱりダメだ。

コイツを放っておいたら危険だ。

でも警察にチクった後の、報復も怖い。

ダメ元で聞いてみよう、もしかしたら気が変わるかもしれない。

E「…。T、俺 このこと話していいか?」

T「イイ訳ねぇだろ!バカ!」

ヤバい!殺されそうな目で睨まれてる!

次は、俺じゃねーだろうな!?

 

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性(エロス)に魅力を感じなかった者は、逆に 死(タナトス)に魅入られてしまうという話はご存じでしょうか?

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この話は「心理テスト」です。

1巡目のT目線で進行する話は 性(エロス) 、2巡目のE目線で進行する話は 死(タナトス) を表しています。

1巡目で 性(エロス) のみを感じた人の精神は正常でしょう。

しかし、2巡目ではなく1巡目の時点で既に 死(タナトス) を感じていた人は、異常性が高い可能性があります。

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読者の目線に立って物語を進行させる「主人公」や「語り部」という存在。

何を思考しているかが分かるからこそ、感情移入してしまうものなのです。

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しかし、全く違う視点から見てみるとどうでしょう?

少し別の印象を抱きはしなかったでしょうか?

2巡目のE目線で進行する話の中で、Tは異常者に見えはしませんでしたか?

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皆様が一度ご覧になられた話、正常であった方もこれを機会に もう一度 読み返してみて下さい。

もし少しでも違和感を感じた話があったなら、それは タナトス に魅入られた『異常者』からのメッセージかもしれません。

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ネタバレ注意

おぅっ...私は異常者だったやぁ~んヾ(@゜▽゜@)ノ
まぁ~本当の心理テストかどうかは知らないけど、当たりっちゃ当たりだなヾ(@゜▽゜@)ノアハハッ