中編3
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あの世の者

まずはじめに、

私が霊感を持つことになったきっかけをお話しします。

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私の父は、予知能力や霊感がある人だった。

遺伝ということもあるせいか、

小学4年生の頃からときどき、予知ができたり不思議な力がある時期があった。

といっても、一般的には信じてもらえることが少ないのはわかっていたため、

家族以外には話すことはなかった。

小学6年生の時には、修学旅行から霊をつれて帰ってきてしまったせいでポルターガイストが起きたり

ただ、とても恐ろしい体験をしたことは忘れられない。

私は、この頃からなにかと少しずつ霊感が強くなっていたことを感じていたのだ。

そのときの話はまた後ほど。

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私に霊感があるという徹底的な根拠となった体験は、中学一年生の時のことである。

いつものように学校から帰ってきて、友人と2人で遊んでいた。

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その時期は梅雨時で、

雨が降ってきたので急遽その友達のおばあちゃんの家に場所を移動することになった。

そこは地元の大きな古い一戸建てで、

玄関を入ってすぐ目の前に、二階に上がる少し急な階段がある。

家に入ると雨のせいか、

薄暗い廊下と古臭いじめじめした空気で、

私は一層家の雰囲気が重苦しく感じていたのだ。

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靴を脱いでから、少し急な階段をあがり二階の和室に着くと

私たちはいつものようにそこでたわいもない会話をしている。

その和室は、昔友人がたまにつかっていた子供部屋らしい。

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友人がタンスの上を見ながら、

「あの人形、昔からなんか不気味で怖いんだよねー。」

目線の先には、ゼンマイ式の年季のはいったフランス人形が並べられていた。

私の祖母も同じような人形をもっていたので怖さは無かったけれど、

静かな部屋の中

タラリン♪

shake

sound:20

時々音がなる。

これに友人はいつも恐怖感を抱いてるようだった。私も突然鳴り出すオルゴール人形は気味悪いと感じたけれど、

ただネジの締まりが悪いだけだとあまり気にかけてはいなかった。

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しばらく経って、

「おやつあるから降りてきなー」

おばあちゃんから声がかかり、私たちは一階の居間にいくことにした。

友人が先に下りて、

次に私が降りて。

ふと思った。

私たちだけじゃない。

…誰かいる?

階段を降りてすぐ、何かの気配がして。

music:3

階段の上を見上げて

shake

え…

白い花柄のスカートの女がいる。真っ白な裸足だ。

顔が見えない

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普通に考えたらおかしかったことなのに、

なぜかその時は不審に思わなかった。

遊び終えて家を出た帰り道で、

「あのさ、さっきお客さん来てた?」

きっとさっきの女性はお客さんだと思う。

ひたすらただそう思いたかった。

友人は、

「来てないと思うけど!

…なんで?」

階段で女の人をみたことを話した。

もちろん、

友人は半信半疑で笑っていた。

いつものような気のせいで終わろうとしていたのに。

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music:4

後日友人から聞いた話です。

「あの日お客さん来てた?

っておばあちゃんにきいたの。

そしたらね、

あそこでひいお婆ちゃん死んでたって。」

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あの場所で、

彼女のひいお婆ちゃんは、

階段から落ちて亡くなっていたそうです。

あの時私が見たのは、

その人の地縛霊なのでしょうか

それとも、

また別の ''何か” なのでしょうか。

なぜあの場所に表れたのかは、

未だにわかりません。

ーENDー

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