誰かに話したかった。[後編]

中編3
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誰かに話したかった。[後編]

母とBさんに気を送ってもらい、やっと落ち着いてきた頃、膝を抱えてひたすらボーッとしている弟の顔をふっと見た。

ぐにゃ~っ

と顔が変わり、あの女の顔になっていく。

目がある場所は真っ暗の空洞で、顔は泥かなにかで汚れており、髪型は真ん中わけの女の顔。口は何故か固く閉じられていた。

それを見た途端涙がでた。

(え?なんで??止まらない!?)

母が「急いでこっちに来なさい!」と抱き締めながら、ひたすら背中をさすってくれた。

その時。

「や~だ~」

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私の口から突然でた言葉に驚いた。

行きたくないって気持ちが強くて、やめろって感情に支配されていた。

必死に母とBさんが背中をさすりながら、「こっちに来い、こっちに来い!もっとこっちに来い!!」と気を送り続けてくれて、ようやく落ち着いた。

そこからはBさんから聞いた話。あの女の霊は、Aの深いところまで入っている。行動を操ったり、弟を操ったりできるほどの強さ。あれはお払いにすら行けないだろう。しかもBさんに威嚇してくるほど。余程邪魔だったんだろう。離れれば弟も戻るって言われた。

とりあえずその日は実家のソファーで寝かせてもらえることになり、一旦自分の部屋に荷物を取りに母と行くと…

押し入れの前が寒い。寒すぎる。こたつに入ってた時に感じたのと同じくらい、押し入れの前の一部分が冷えていた。

あ、ここにいる…

ってわかるくらい。母も感じたらしく、早く行こうと催促してきた。

その夜、ソファーで横になりテレビを見ていると、2階の私の部屋から…

…ギィ…

sound:26

バタンッ!

…カツカツカツカツカツカツ

…カツカツカツカツカツカツ

廊下を行ったり来たりしてる音が聞こえた。今下の階誰もいませんけどー!?

怖いながらも、さすがに疲れていた為、気がついたら朝だった。

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次の日、起きてきたC子に、「昨日の12時半ごろ起きてた?」と聞かれた。私は11時半には寝ていたはず…

「帰ってきた時に、上体起こしてるように見えて、弟と確認したんだよ~。弟は寝てるじゃんって言ってたけど。」んなわけないよ~と流してたら、Bさんが起きてきて、「昨日の夜大丈夫だった?大変だったでしょー?」と言われた。

なにがですか?と聞くと、「私の部屋にいる女の霊が、わざわざ音響かせながら、夜中上がってきてた。私の方に行ったなと感じた。のぞきこまれなかった?」

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shake

ゾッとした。

C子の見たものは、上体を起こした私じゃなく、顔をのぞきこんでる女の霊の影が見えていたんだと…

separator

それから3日くらい、女の霊が昼間でも夜でも廊下を歩く音や、階段を上がってくる音が聞こえていた。私は、母が近くにいることもあり、あまり気にならなくなっていた。

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とりあえずそろそろ戻ろうかと、1度私の部屋に母と行ってみると…押し入れの前の冷えがなくなっていた。嫌な空気も流れていなかった。あれ?居なくなった??その日の夜、元カレから連絡がきた。元カレの家にAは転がり込んでいた。信じてもらえないだろうと、とりあえずAにはヤバイのが憑いている、私の方ではどうにもできなかった。そっちも気を付けて。と話した。最初ははぁ?と言っていた元カレが、女の霊がついてるんだよと説明すると、どうやら元カレの彼女が部屋の押し入れに居るのを見たらしく、わかったと電話が切られた。

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その後Aはお払いに行ったが、1度目は軽くバイクで事故ったらしい。2度目はどこかの宗教団体のところだった。結局逃げられないんだろうなと、もう関わらないでくれと電話を切った。

終わり

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