長編11
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神社の言い伝え

怖話をお楽しみの皆様、

初めまして。た◯ちゃんと申します。

初めての投稿なので、読みにくかったり誤字脱字など至らぬ点は多々あると思いますがご勘弁ください。

実話を投稿致しますのでお時間のある方は稚拙ではありますがお付き合い頂けると嬉しいです。

では、よろしくお願いします。

友人の許可はとってあります。

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これは、今から5年程前でしょうか。

僕の友人が大学1年の夏休みに体験した話です。

大学1年の夏休みと言えば、多くの人が免許を取り、行動範囲や外出時間の幅が広がる時期である。

無論僕たちも例外ではない。

免許を取り自動車をローンで購入した僕は、とにかく運転をし遊びに行きたくて仕方なかった。

バイトを終え、家路に着いた午前0時頃、小学校時代からの友人の和輝から連絡が入った。

和輝「今、久々に啓太と沙希とおれん家でゲームやってんだけど来る?」

僕「OK!すぐ向かう!」

丁度運転がしたくてたまらない僕は2つ返事で返答をした。

ちなみに、啓太と沙希は中学時代の同級生である。

そして車を走らせること10分。

和輝の家に到着。

そこで30分ほどゲームをした時、ふと心霊好きの啓太が言葉をもらした。

啓太「そういえば、こないだバイトの先輩達が肝試しとか言って心霊スポット行ってな。」

沙希「え、どうしたの急にw」

啓太「いや、なんとなく夜だしw」

和輝「またかよ。幽霊なんている訳ないじゃん」

和輝は心霊系の話がでても一切信じようとはしない超のつくリアリストである。

幽霊の存在はまず認めない。

そのリアリストぶりは幽霊が見えるのは目の錯覚、はたまた思い込みによる幻覚だと断言してしまう程だ。

啓太「は?じゃあ、いたらどうすんのお前」

和輝「ならおれの目の前で幽霊だすか幽霊がいること証明してみろよ」

こんなやり取りは中学から度々行われてきたものだ。

心霊系の話においては水と油と言えるこの2人がその他の面においては息ぴったりときたものだから人間の相性と言うのはわからない。

いや、だからこそ人間とは素晴らしい生き物なのかもしれないと思うのもまた事実である。

話を戻します。

僕達の住んでる町は都会とまでは行かずともそれなりに栄えていて、心霊スポットはおろか幽霊がいそうな暗いとこや水辺もない。

移動手段がもっぱら自転車だった僕達には心霊スポットまで出歩く術もなくいつもは自然な流れで話は終わるのだが、

昔と違うところがある。

僕達には車がある。

補導をされない年齢にもなった。

そうなると、啓太が黙ってる筈もない。

啓太「じゃあ、今から心霊スポット行くか?」

和輝「いいじゃねーか。行ってやるよ。けど、もし出なかったらアイス奢れよ。」

啓太「いいでしょう。アイスでもジュースでも奢ってやるよ。幽霊は必ずいる!」

断言しちゃって大丈夫かこいつ…

などと僕が思っていると沙希が口を開いた。

沙希「えー 行くの?怖いしなんかあったら嫌じゃない?」

啓太「いいじゃん!沙希も夏の思い出作りにさ!笑」

こんな具合に僕たちの心霊スポット行きが決まった。

沙希も口では怖いと言っているが、

好奇心はあるらしく文句を言いながらも満更ではなさそうだ。

僕も心霊系には興味があるし何より運転ができると思い承諾した。

和輝「ところでお前どっか場所知ってんの?」

啓太「それなら県境に心スポが2つ隣接してる山あるからそこにしよーぜ♩」

実名は伏せますが、

山道の脇にある首刈◯神社と本◯トンネルと言う場所が今回の目的地だ。

こうして、行き先も決まった僕たちは車に乗り込んだ。

国道を走り途中コンビニに寄ったりしながらカーナビの指示に従い、わいわいドライブを楽しむこと2時間弱、目的の山への入り口に着いた。

それまでの道とは違い明らかに細くなっている。

沙希「こんな細い道大丈夫?」

啓太「道がある以上舗装されてないってことはないだろうし大丈夫でしょ!」

よほど心霊スポットに行けるのが嬉しいのか笑顔を浮かべながら後部座席からミラーに映った僕をみる啓太。

人の車だと思いやがって…

とそんな事を思いながらも考えもせず車を進める僕もまたさすが未成年と言ったところでしょうか。

夜間の慣れない山道ということで慎重に運転しながら車を進めること5分。

1つ目の目的のトンネルに着いた。

照明もついており想像していたよりは明るく、これといって特別嫌な感じもしない。

強いて言えば地元のやんちゃな人達のスプレーで描いた落書きがトンネル内にあるくらいだ。

ただ、意外と上手いのが不思議である。

トンネル内に車を停めて中を歩いてみたが何も起きず次の神社へ向かうことにした。

和輝「ほらな?幽霊なんて(笑)」

そう言ってちょっとドヤ顔で啓太の方を見る。

啓太「まだもう1つあるだろ?」

そう言うとはやく車をだすように僕を急かした。

トンネルを抜け更に車をを走らせると少し開けた場所にでた。

道が2つに分かれており神社とは違う道へと進んでしまった。

バックで切り返すため窓から顔を覗かし後ろに下がる車。

沙希「なにあれ」

少し怯えたように言う沙希が指差す方向を見ると確かに木と木の間に薄暗く白く光るぼんやりと丸いようなものが揺れているのが見えた。

和輝「光に反射したビニール袋じゃん?」

沙希「なんだビニールかぁ。驚いて損したじゃん!」

安心した口調に変わる沙希。

そんな会話をしている間に車は神社のある道へと進んだ。

今思えば、街灯の光も届いてない木の間にあるものに光が反射する筈もないのだがその時はそれを疑問に思う者もおらずビニール袋でその場は丸く収まった。

そして、いよいよ神社へと到着。

時刻は既に3時をまわっている。

先程のトンネルとは違い街灯もなく月明かりもないその場所は暗く不気味な雰囲気をだしていた。

スマホのライトの光でかろうじて足元と周りの景色が見えるだけだ。

啓太「これは期待できるな♩ちなみに鳥居をくぐってすぐ近くにある建物に目撃情報があるらしい!」

場の不気味さで少し怯む僕と沙希や幽霊を信じておらず、全く動じていない和輝と違い啓太は嬉しそうだ。

神社へは山脇から木と木に囲まれた1本道の階段があり、それを登っていくと頂上に鳥居があるらしい。

ノリノリの啓太が先頭。

続いて僕と怯えた様子で僕のTシャツを握っている沙希、そして最後尾にはリアリストの和輝が続く形となり1列で登っていく。

1人だけテンションが高い啓太が階段を1段飛ばしで2段目4段目と1段飛ばしで登って行く。

置いてかれまいと1段飛ばしで追いかける僕と沙希。

和輝だけは1段ずつ何かを確認するかのように登っていた。

山道にあるだけあって道が長い。

一体どんだけ長いんだよこの階段…

そんなことを思っていると1段ずつ登っている和輝と少し距離があいてしまった。

その旨を後ろを振り返ることなく進んで行く啓太に伝えると、

啓太「おーい。はやくしろよー!それとも何?w 怖すぎて足動かないのー?笑」

そんな挑発まじりの発言をすればいつもならムキになって先頭を競うようになるのがこの2人なのだが今回は違った。

和輝「あれって…」

そう言うと和輝は立ち止まって木の方を見つめている。

その姿が気になり僕と沙希の2人は和輝のいる地点へと階段を降りた。

和輝が指差す場所を見ると先程の薄暗く光る白いものがある。

沙希「あー!さっきのビニール袋。こんな所にもあるんだね」

なんだまたビニールかよ。

いちいち怖いなぁ。

なんてことを沙希と話していると、

啓太「ビニールがどうしたぁ?」

上から啓太が降りて来た。

啓太「お前たかだかビニールにびびるなよw」

そう言って笑いながら啓太がからかうと

和輝「ここはほんとにやばい!帰ろう!」

顔を青白くした和輝が言った。

まさか、あの超がつくリアリストで度胸もこの4人の中で1番ある和輝がそんなことを言うなんてと唖然としていると、

啓太「なになにwほんとにビニールにびびっちゃったかw」

まだからかい続ける啓太。

和輝「おい。ふざけてる場合じゃねぇ。

ほんとにまじでやばいって!あ…」

そう言うと和輝は今まで見せたことのないような青白い顔と怯えた声で

和輝「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」

そう言うと来た階段を全力でくだって行った。

その慌てた姿に驚き怖くなった僕と沙希もつられるように階段をくだっていく。

先程までおちゃらけていた啓太も例外ではない。

あの和輝が振り向いた時に見せた怯えた表情を僕は今でも忘れることができない。

そうして道の脇に停めていた車に急いで乗り込んだ僕たちは山をくだって行った。

和輝は車の中でもごめんなさいと呟いている。

そんな状態でトンネルを通るのが凄く怖く嫌だったのは言うまでもない。

沙希「どうしたの?和輝。大丈夫?」

口を開いたのは沙希だった。

僕は一刻もはやく山をくだることに焦っていたし啓太は責任を感じているのか黙って下を向いていた。

和輝は呟やくことをやめてはいたものの何も答えようとしない。

山をくだり国道の大きい道にでて安心した僕たちは、近くのコンビニに車を停めた。

車から動こうとしない和輝を残してみんなでコンビニに行くわけには行かず、僕と啓太で全員分の飲み物を買うと車へ戻った。

水分で口を潤して落ち着いたのか和輝の顔色もだいぶよくなった。

啓太「で、あの慌てぶりとか尋常じゃなかったけどビニールの何がそんな怖かったん?お前」

相変わらず挑発交じりに話す啓太だが、

今回は場の空気を明るくしようと言った感じがした。

沙希「ビニールなら神社の前にも見たし、その時はそんなに怖がってなかったじゃん和輝。どうしたの?」

続いて沙希が語りかける。

確かに脇道で見た白いものにビニールと言ったのは和輝だし、リアリストしては納得のいく回答だ。その時は怯えた様子も見せてはいなかった。

和輝「お前らあの白いものの後ろ見てねーのかよっ」

興奮気味に話す和輝。

啓太「だからビニールのなにがそ…」

和輝「女の人が笑ったようにこっち見てたろーがっ」

啓太が喋っているのを遮って大声で半泣きになりながら怒鳴った。

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以下和輝から聞いた話です。

神社の階段の近くに来た時に耳鳴りがし始めたらしい。

でも、他の3人は気にすることなく進んで行くから気にしなかった。

けど、階段を登ってくにつれだんだん何かを言っているように聞こえてきたらしい。

そして和輝が立ち止まった付近で耳鳴りが一瞬止むと例の白い何かに気づいた。

ただ、和輝曰く神社の前に見た白いものよりも大きく気になったんだと。

僕らが近くに来た時に女の人がはっきり見えたらしく何かを言っていることに気づいた。

そしてそれが

「こっちに来い」

と言っているのがはっきり聞こえ、怖くなり謝りながら階段を下りて行ったと言うのだ。

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その話を聞いた時、夏なのに背筋が寒くなり冷や汗が止まらなかったのを覚えている。

終始ほぼ無言のままみんなを家に送り、僕が無事に家に着いた頃には空がうっすら明るくなってきていた。

外が明るくなってきてきたことに安心した僕はそのまま眠りについた。

後日沙希から連絡があった。

和輝が入院したらしい。と。

なんでも首に腫瘍ができ悪性かどうか調べる為の検査入院らしい。

啓太と沙希と合流し和輝がいる病室へと向かう。

安心したのは和輝は思ったより元気そうだったことだ。しかし、喉が痛いらしく喋れないという事で筆談になった。

そして、あの神社に行った日の夜から女の人が首を切られ処刑される夢を見ると言うのだ。

それから日に日に首が痛くなり病院に行ったところ首に腫瘍があり検査の為に入院することになったらしい。

検査結果ででるのにはまだあと1週間ほどかかるらしくその日は帰ることになった。

そのまた後日啓太から恐ろしい話を聞くことになる。

心霊スポットに詳しい啓太のバイト先の先輩に聞いたところ、あの心霊スポットには言い伝えとルールがあるらしい。

昔、時代で言うところの江戸時代ごろ処刑場がありその跡地に建てられたのがあの神社らしい。

その跡地から名前をとって首刈◯神社と名付けられたんだとか。

そしてルール(日が暮れた夜間に限るらしい)が以下である。

①階段の3段目を踏まない。

②階段をくだる時は決して振り返ってはならない。

ルールを破ると首を狩られるという言い伝えがあるんだとか。

地元の人は夜中には決してあの神社へは近づかないし初詣などの行事が行われることもないらしい。

あくまで先輩の話なのでほんとかどうかの真実は分からない。けど、思えば呼ばれているのか偶然なのかルールを破り3段目を踏んだのは和輝だけで振り返っているのも和輝だけである…。

その話を聞き、いよいよ本気でやばい気がしてきた僕たちは急いで和輝のいる病室へと向かった。

このことを和輝へと伝えるかどうか悩んだか隠し事をしておくのも違うと思い、

打ち明けた。

和輝は声を出さず泣いていたし沙希を泣いている。啓太も自分が心霊スポットなんて言わなければと自分を責めたし僕も後悔がやむことをなかった。

病院の看護師さんに帰るように促されると明日も来ることを和輝へ伝えると病院をあとにした。

翌日和輝からグループLINEに投稿があった。

腫瘍がなくなった。と。

僕たちは約束通り急いで病院へと向かうと元気そう和輝の姿がそこにはあった。

なんでもその夜に夢を見たらしい。

和輝『いつもの処刑場の夢じゃなくてさ。なんか女の人が立ってたんだよ。それで、こっちを向いて言うんだ。

「一緒に行こう」

って。

当然そんなのはごめんだし、

「それはできない」

って言ったんだよ。

そしたら、

「なら、安らかに眠ってください。」

と言ってくれって言うから

「安らかに眠ってください。」

って言ったわけ。そしたら、

「ありがとう。これでようやく逝ける。」

そう言うと霧が晴れていくように消えてったんだ。

朝起きてみたら喉の痛みも引いてたし声が出せるようになった。』

そう和輝は語った。

にわか信じがたい話だし、医者も首をかしげていたらしい。

原因も不明だし、念のため数日間入院することなになったが無事和輝は退院することができた。

もしあのまま悪化していたら手術になり首を狩られることになっていた…

そう考えると背筋が今でも冷たくなる。

最悪の事態にならなかったのは喜ばしいことだけど疑問が残る。

なぜ夢は急に変わったのだろうか。

呪いとも言えるものがなくなって本当に良かったけど今でもそのことは疑問に思う。

僕たち4人は今では社会人になり仕事に追われる日々だ。

啓太は今や1児の父親。

母親は沙希。

僕と和輝はお互い彼女がいる。

このままみんな何事もなく過ごせる日々が続くことを心から願っている。

あれ以来僕たちは心霊スポットに出向くことはなくなったしこの先行くこともないだろう。

もうあんな怖い思いをするのは嫌だから…

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心中噺子さん

コメントありがとうございますm(_ _)m
お褒めの言葉うれしいです!
今後も不定期ですが投稿していこうと思っていたのでとても励みになります!
ありがとうございました(。-_-。)

真に迫っててとても素晴らしいと思いました。
お話のテンポも絶妙で良かったです。

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無事に夢が変わってよかった!!心霊スポットでこれだけの経験があると絶対二度と行けないですよね!!
みなさん無事でよかったです!

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