中編3
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フタゴ

気付いたらいつもの河原に居た。

空を見上げると、日が暮れている。

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「やだ私ったら!ボーっとしてた。絵も全然進んでないし・・・(笑)」

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私は、美術部に所属していて、絵を書くのが好きな高校2年生。名前は、シオリ。

自宅の近所の河原はお気に入りの場所で、次のコンクールの絵を

河原からの風景画にしようと思って、毎日スケッチに来ていた。

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「そろそろ暗くなってきたし、日が落ちる前に帰らなきゃ!お母さんが心配するわ・・・」

この辺りで最近、通り魔殺人により女子高生が亡くなったと噂を耳にしていた。

私はスケッチブックや道具を片づけて、夕焼けを背に河原を後にした。

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私の家は河原から徒歩10分くらいの住宅地にある普通の一軒家。

父と母と双子の妹の4人家族で、妹は私とは正反対の体育会系の明るい子。

私は絵を書く事しか出来ない地味な子。根暗で勉強も至って人並み。

幸いな事に、容姿端麗な母に似ていて、瓜二つな私と妹だったが仲は良くなかった。

というか、私が一方的に嫌われていたというか、避けられていた。

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「やっと家に着く・・・スケッチに使う道具はなかなか重たいのよね・・・」

赤い屋根の家の角を曲がったら、青い屋根の一軒家があって、それが

shake

どこを見渡しても無かったのだ。

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「え・・・?脇道一本間違えてる・・・?」

私はもう一本先の道へと歩き、赤い屋根の家の角を曲がったが

shake

「やっぱり無い・・・・・・ここはドコなの・・・・・・・ここに家があるはずなのに」

どの道を曲がっても家が無くて、見慣れた道、毎日通る道のはずなのに

どうしても家が見つからない。帰り道が分からなくなるなんて・・・そんなはずはない。

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「あ!そうだ!塾までアズサを迎えに行けば帰れるか」

今日は妹の塾の日だった。もうすぐ終わる時間だと思う。

ここから5分の距離だし、真っ直ぐ歩けば駅前だから迷う事もない。

私はとりあえず駅に向かうことにした。

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駅前に着いた。

塾の近くを捜していると見慣れた後姿。

「あ!アズサ!お~い!!」

手を振りながら私はアズサに駆け寄った。

shake

『っ!!!近寄らないで!!!やめて!!!』

『シオリを見てると、吐き気がするのよ!!!』

『なんで、こんな所まで来るの?嫌がらせのつもり?』

『私の目の前から消えてくれる!!?気持ち悪い。』

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そう吐き捨て、アズサは走って行ってしまった。

「そんなに嫌いなのかな・・・私の事・・・はぁ・・・」

「小さい頃は、あんなに仲良しだったのに・・・」

追いかける気力もない私は、トボトボともう一度家を捜した。

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どうしても お家が 分からないの

なんで お家に 帰れないの

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『ただいま・・・』

「おかえりなさい、どうかした?」

『なんでもない・・・』

「そぅ・・・塾の日は夜道に気をつけてね・・・通り魔は捕まっていないんだから」

『わかってるよ、私は大丈夫』

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やっと 私が一番になれたの 死んでまで出てこないでよ 気持ち悪い

私にソックリで 私より出来損ないのクセに 私のユウキ君に近づいた ハエ女

私にソックリで 私より美しいお姉ちゃん ずっと憧れてたの お姉ちゃんになりたくて

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「シオリ~御飯よ~」

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『はーい、お母さん』

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