百物語【第七十話~第七十二話】

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百物語【第七十話~第七十二話】

皆さん、そろそろ冷え込んでいませんか?

ゾクゾクしてるのは私だけではないと思うので、ホッと一息しましょうよ。。

そう。。集う方全てがホッとする場所のお話。

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第七十話

【トイレ】

沙羅宅のWCは、その昔ポッタンだったんですけどね、幼い頃に私が便槽に落ちかける。

という痛ましい事件が起きたんですよ。

で、洋式トイレを増築し、元々のは埋め立て、今は物置として活用してるんです。

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台所と私の部屋の間に半間程のスペースを作り、縦長のトイレ。

ドアを開ければ、洗面所→男用→女用となっている。洗面所と男子用は一括りですが、

女子用は当然もう一つドアがある。

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ある夜、トイレに行って手を洗い、部屋へ戻ろうとして廊下側のドアノブを回した。

けど、開かない。ノブが壊れてる訳でもない。

(兄貴が外から押えてるに違いない)

そう思って、「開けろって!」と言いながら、ドンドンとドアを叩いた。

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体当たりもした。ドアノブをガチャガチャ回しながら、

「ホントに怒るぞ!いい加減に開けろっ!」

ドアをドカドカ虐めながら叫んでいたんです。

体当たりすると、ちょっとだけドアが開いて押し戻される。

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そうこうするうち、不意にドアが開いた。

例えれば、、そう。外から開けられたように。

「何嫌がらせしてんだよっ!」怒鳴りつつ廊下に出た。

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・・・・・?誰も居ない?

だが、兄貴の嫌がらせだと信じ込んでいた私は、客間の障子戸を勢いよく開けながら

「この野郎!何しやがってんだっ!」と兄貴を怒鳴りつけた。

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「ん??どうした?何怒ってんの?」

兄貴は炬燵で教科書をめくっていた。

母は台所に居たし、父は眠ってる。

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ドアが自由になった時には、廊下には誰も居なかったし、逃げたとしても無音で障子戸を開け閉め、炬燵に入り教科書をめくるなんて不可能ですよね?

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「兄貴じゃないの?」

「だから何が?」

「トイレのドア、ずっと開かなくて、叩いてたのに」

「ドアを叩く音なんてしなかったぞ?」

私が入ったトイレは・・・??

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第七十一話

【覗き穴】

皆さんも一度位は、公園のWC利用した経験。ありますよね?

今回は、公園のWCのお話でもしましょうか。

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その公園には、昔から色々噂があったんです。

大きな池があって、鯉の養殖なんかもやってましたね。

池の縁には申し訳程度の柵。

子供達が危ない!と今ならクレームが来そうな池のほとり。

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柵の代わりの様に、WCがポツンとありました

臭くて汚い。漆喰の壁には卑猥な悪戯書き。

和式の個室トイレと、男性用が1基。

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しゃがむと、そこには鉛筆の太さ位の穴があったんですよ。

誰が開けたんだか解からないけど。

薄っぺらい壁だったんで、大に苦しむ誰かが暇潰しに開けたのか・・。

それとも、本当に覗くために開けたのか。

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その日は犬の散歩で公園に行ったんです。

が、急にお腹が痛くなってどうしようもなく、入ることにしたんです。

「ウイング?見張っててね?」って。。

WCとブランコの間にあるベンチにリードの持ち手を掛けて、サッサと用事を済ませようと。

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しゃがみ込むと、池の水面が空を映してオレンジ色になってたなぁ。。

・・って覗き穴から見えたんですけどね。

穴の脇に書いてあった電話番号を見るともなしに見て、視線を戻したら・・

目が合ったんです。

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外から覗く血走った誰かの目と、私の目。。

「ウイング!!」思わず叫びましたよ。

見つめ合ったままでしたが。。

私の叫び声に、犬が自分でリードを外して駆け付けてきました。

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扉の前で、「ウォン」と一声吠えて、尻尾を振ってるらしい。

血走った目は笑みを浮かべたのか、僅かに細くなって遠ざかった。

大急ぎで身支度を整え、外に出ると・・

犬は首を傾げた。「なぁに?」って感じで。

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この犬、すごく賢い犬だったのでね。

他の人がいたら絶対騒ぐ筈なんです。

・・・それに・・・

その覗き穴のある壁側に、人がしゃがめるどころか、立つスペースも無かったんです。

~~~~~

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第七十二話

【足踏み】

トイレ三昧で、そろそろ飽きてきましたね~

これで、多分トイレ絡みは終わりかな・・。

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祖母の内縁の夫、祖父が亡くなって数日間。

私は線香守りを兼ねて、祖母宅に寝泊まりしていたんですよ。

祖母も大腿骨骨頭部分が砕けて入院してたし、祖父側の人間は、実の娘さえも傍に居るのを嫌がり、当たり前のように私が割り当てられたんです。

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祖父が安置されていたのは、昔、私が間借りしていた部屋。

少しでも長く一緒に居たかった私は、祖父が寝かされている布団の脇に、少しだけ離れて寝ていたんです。

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そして、通夜までの間の数日間、毎晩聞こえるんです。何度も。何度も。。

祖母宅の客用の洋式トイレ。

和式の方は自分達が使うもので、来客には洋式の方を使ってもらってたんですが、その洋式の方でね、足踏みが聞こえるんです。

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・・ギシ・・ギシ・・ギシ・・。

これ、祖父の癖だったんですよ。

流石に何故足踏みするのかなんて聞いた事なかったんですけど。

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和式の方でも足踏みするし、洋式でもする。

毎晩、何度もトイレに通う祖父。

もう、用事なんてないのにね・・。

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暗闇の中、足踏みが聞こえるたび・・

私は布団から出ては祖父に語り掛ける。

「おじいちゃん。目を覚ますなら今だよ」

冷たい頬を手の甲で撫でながら語り掛ける。

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~~

でも・・目を覚ますはずないですよね。

それが、とても寂しかった。

ただ、それだけのお話です。

~~~~~

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少しはホッとしていただけたでしょうか?

次の語り部様で、また凍り付きますからね。

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3話ともこえー、個人的には2話目が10ゾッとです!…ひ…

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沙羅さん、トイレの怖話ゾクゾクが止まりません(゚o゚;;
私も怖い経験はないですが、公衆トイレは何度か利用した事あったので。。
これから公衆トイレ利用は出来ないですよ(笑)

それと出すと言っていた作品、遅くてすみませんm(_ _)m
皆さんに満足していただけるような話がまとまらず、困難な状態です(T_T)
もう少し待ってて下さいm(_ _)m

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