中編2
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兄の絵(改)

沙羅家の人間は絵が上手くて、おまけに達筆。

残念ながら、私を除けば・・なんですけどね。

兄貴に至っては、まるで写真のような絵を描くんです。それが密かに私の自慢だったりするんですよ。『兄貴、スゲー!』ってね。

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で、沙羅兄、高校時代には一番のホラースポットである二階を自室にしていた。

階段を上り詰め、半畳程の踊り場があり、二階は一部屋のみ。

ドアを開けると、部屋の一番奥に押入れがあるのが一目でわかる造り。

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当時、沙羅兄は制服を着て機関銃を乱れ打ちする女優さんにゾッコンで、彼女の絵を描いた。

それを、押入れの襖の・・

丁度、視線の高さに貼りつけた。

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必然、部屋を開ければ嫌でも目に入る。

まるでモノクロ写真のような絵。

何をしてても見られてる気がしてならない。

ポスター同様、どの方向から見ても視線が合ってしまう。

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ある日、私は兄に盗まれた刺繍道具一式をガサゴソと探し回ってた。

(・・やっぱ、この部屋イヤだなぁ)

昼間でも、大きな窓があるにしても、どうにも気持ち悪い部屋なんだから、出来れば近寄りたくない。

けど、返してもらわないと困る。

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刺繍道具を持ち歩いてるのか、どこにも見当たらず溜息をついた。

なんだよ・・どこに隠したんだよ。。

ったく。帰ってきたら文句言わなきゃ。

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wallpaper:3408

目的の物じゃないけど、隠してあった煙草を見つけたんでね、窓の縁に腰かけて一服することにしたの。

(・・ちっ!・・ふぅーーーーーっ。。)

溜息の長さ分の細長い紫煙が風に流される。

でね、陽射しに目を細めながら、ぼ~んやりと襖の絵を眺めていた。

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wallpaper:1

ほぼ実物大のリアルな絵。

・・それが瞬きをしたように見えた。

(!!!)

吐き出すつもりの煙を飲み込んで咳込む。

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急いで煙草を揉み消して、絵の前に立つ。

(・・目の錯覚だよ・・ね)

ところが。。半開きになった口元が笑みを浮かべたように見え、後ずさった。

そんな私にアピールするかのように、もう一度、今度はゆっくりと瞬いて見せた。

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も、刺繍道具なんてくれてやる!

急勾配の階段を一番上から飛び降りてね。

生まれて初めて、兄貴の帰りを待ちわびた。

で、兄貴に事の次第を話し、外してもらった。

あんな部屋で寝起きが出来る兄は、偉大です。

胡散臭い話だと思いますか?実話なんです。。

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