短編2
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耳鳴り

最近の悩みは、よく耳鳴りがすることだ。

耳鳴りが唐突になるが徐々に消えていく。

至って普通の耳鳴り。

だと思っていた。

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あまりに耳鳴りがひどいので、急遽講義を休んで耳鼻科へ。

そこのデブ医者に言われたことは「耳鳴りで病院なんてくるかね?」

なんだこのタヌキじじぃとは口に出さず「ですよね~(棒)」と流した。

でもただでは引かず、「そういう言い方すると気分悪くなる患者さんもいると思いますよ」と釘を刺しておいた。

耳鳴りはまだしていた

病院にいく程度だと思ったから病院に行ったに決まっているじゃないか。

まったく。やぶ医者め。

しかし、もしかしたら。特に外的要因ではなくストレスや内面がこの耳鳴りの原因なのか?

なんでもいい。この耳鳴りがなくなるなら

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続けてきたのは精神科、「最近耳鳴りがひどい」といったところ。

ガリガリの医者は「最近夢を見たか?」「虫歯は何本あるか?」と聞いてくる。

そうか歯か。耳鳴りと虫歯の関連性など思いつきもしなかった。

なるほどどうやら先ほどの肉塊とは違うなと。

しかし、だんだんと質問はエスカレートしていく

「彼女はいるのか」「何年付き合っているのか」「童貞を捨てたのはいつか」

そんなこと治療に関係ないじゃないか!僕はこの手の質問が苦手だ。

耳鳴りがうるさい・・・でも、我慢して顔を真っ赤にして言ってやった

「そんな質問に答えるくらいなら。舌を噛み切ってやる!!」

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あぁ。よくない癖だ。。。すぐ熱くなってしまう。

冗談半分脅し半分だったため。大量の血が出たときは少し焦った。

結局何も言わずに精神科を飛び出してきてしまった。

まぁ。医者もさすがに面食らっただろう。

この耳鳴りが治ったら、一度くらい顔見せるのが礼儀なんだろうか?

さて。今日来れる最後の病院。歯医者だ。

医者は中肉中背の中年女医さん。

虫歯は奥歯に一つ。女医さんは手際よく治療を進めていく。

本来ならば何日間かにわけて治療するそうだが。無理を言って今日で終わらせてもらうよう頼んだ。

明日からは新しい生活が始まるので、今日のうちに終わらせたかったんだ。

治療が終わって待合室で待っていると名前を呼ばれた。

ゲッ・・・予想以上に高い・・・その時。また耳鳴りがした。なんだ治ってないのか・・・

それにしても・・・目が飛び出る程高いとはな・・・・

しかたないので僕はその足で警察に向かうことにした。

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-----続いてのニュースです。

        先日〇県S市で発生した医師連続殺傷事件の続報です。

        自首した犯人は耳鳴りが殺せ殺せとささやいてきたと意味不明な供述をしており---------------

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