中編3
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冬休み、夜の体育館。

これは、私が学生の頃に体験した話です。

冬休みで、毎日のように部活があり、その日も13時から18時までの部活を終え、暗い道を友達と2人で歩いていました。

「つか、なんで冬休みも毎日部活あるわけ?大会近くもないのに。」

と、ぼやく友人に私は

「まぁ、顧問のせいだろうな。それに、明日練習試合あるじゃん」

と言って友人をなだめました。しかし、友人は

「でも、俺、レギュラーじゃねぇし。」

そう言って不貞腐れました。

そして、友人はこうも続けました。

「いいよな、お前は一年なのにメンバー入れてもらって」

少し、いや、かなり皮肉じみた言い方でした。

「怒んなよ。カロリーメイトやるから。」

そう言って、私はリュックの中からカロリーメイトを一箱出し、友人に投げました。

そして、リュックのチャックを閉めようとした時、私はあることに気付きました。

「あれ?ユニフォーム、なくなってる。」

「ちゃんと探してみろよ。」

いくら探しても、ユニフォームがないのです。

「置いてきたかも…」

「明日取りに行けばいいじゃん。」

「明日、練習試合で朝早いし。学校開いてないだろ。ちょっと取りに戻るわ。」

「…行かない方いいんじゃないか?」

友人は静かに私を止めました。

「…だってほら、体育館の更衣室。出るって噂だろ?」

「何が?」

私が尋ねると、友人は呆れたように言いました。

「ユーレイだよ。ユーレイ!まさか、あの噂知らないの?」

「知らない、じゃあ、行くから、お前は先帰ってろよ!」

「おい!」

叫ぶ友人を置いて、私は全速力で走りました。指先がかじかみ、顔が凍りつきそうでした。

学校に着くと、学校の裏口から体育館にはいり、更衣室の鍵を開けました。

ガチャンッ

静かな、暗い体育館に鍵を開ける音が響き、不気味でした。

更衣室のドアを開け、電気をつけてみました。

その時、友人のあの話を思い出しました。

出るって噂じゃん。

ユーレイだよ!ユーレイ!

「まさか、ね…」

更衣室のなかを見渡してみると、【ユーレイ】と思しき姿は見当たりません。

私は急いで、自分のロッカーを開け、ユニフォームを探しました。

「あった…!」

ユニフォームをリュックの中にしまい、ロッカーの鍵を閉めようとした、本当に同時に。

置いてくなよ…

と聞こえました。私は一瞬、友人かと思ったので、振り返ろうとしましたが、やめました。

あれを、友人の声ではありません。なんか、あの世から響くような、そんな声でした。

そう思うと、私はきゅうに怖くなり、目を瞑りました。

また、無視かよ……ひどいなぁー……

なぁ、俺ら、友達だったよなぁ?

とか、なんか涙声のさっきの声が聞こえてきました。

私は凄く怖くてしゃがみこんでしまいました。

それから30分位、何も聞こえなくなったので、目を開けると

そこにはニヤニヤとわらいながら私の顔を覗き込む、ユーレイがいました。

「うわぁぁぁぁぁあぁぁあ」

私は気絶しそうなのを、耐え、よろめきながら走って逃げました。

もう二度とあそこには行きたくないと思いました。

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