短編2
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帰りの会

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私達の時代は銀行員が学校に来て

小学生である私達がお金と通帳を持ち

月に一度その銀行員に直接お金を渡して貯金する

そんなシステムがあったんですが

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ある時、Y子のお金が盗まれると言う事件が・・・

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当然、帰りの会のテーマは

「犯人は誰だ?」

とにかく犯人が見つかるまで帰れない!!

そしてその犯人をみんなの前に晒し謝罪させた所で終了

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今の時代こんな事したら親達が怒り狂って抗議に来るだろうけど

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私達の時代はむしろそれが教育!

犯人を捕まえないで何が先生だ!

と、誰一人その「帰りの会」に疑問を持つ生徒はいませんでした。

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ただその日の帰りの会だけは

1時間たっても2時間たっても

全然犯人が見つからない。

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「先生は犯人を捜したいんじゃないんです。」

「でもここで犯人を見つけないとまたその子は同じ事を繰り返します。」

「誰にだって誤りはあるんだから素直に出てきなさい。」

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「ここで罪認めないと一生後悔するよ。」

「ここまで言ってもダメなの?」

「先生悲しいです。(涙)」

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と、先生も泣いたり怒ったりで

ドンドン生徒達にプレッシャーをかけるも

結局最後まで犯人は見つかりませんでした。

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小学生低学年であった私達にとって

それは永遠の様に長く感じられ・・・

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そんな私達も今や成人式を迎えています。

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だれだれが結婚したとか

○○ちゃんもう子供がいるの?とか

近況の話から運動会や遠足等の昔話と

数年ぶりにあった元同級生達と話が弾む弾む。(笑)

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そして小学校卒業の日みんなで作った思い出の品!

成人式の日にみんなで開けようと約束してたタイムカプセル!

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「先生久しぶり(笑)」と

タイムカプセルを開けた途端、唾をかけ満足そうに微笑むみんながいました。

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ただあの時の先生に言いたいのは

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「ゴメンナサイあれ、私(Y子)の勘違いです。」

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何事もやり過ぎは良くないですね…

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