中編3
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私は今、医療刑務所に取材に来ている。

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そこは摂食障害にアルコール依存や薬物依存

そして精神障害に苦しむ受刑者が収容されている場所だ。

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刑務所に入るなり

どこからともなく聞こえる獣の様な雄叫び

同じ単語を繰り返し喋るだけの人達

取材しようにもまともに会話できる人がいない。

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そんな中看守からKと言う囚人を紹介された。

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このKは2件の強盗殺人で既に死刑判決を受けているが

拘置所生活中に精神に異常をきたし今はここで治療を受けているとの事だ。

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そして治療により普通の精神状態になった所で死刑執行!!

ってなんか遠回りな事してるなぁとも思うんだけど

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人権的な意味合いでの治療後の執行なのかどうかはわからないが

個人的には人を殺しといて何が人権だ。

治療を受けさすかどうかは被害者遺族に決めさせろ!

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そんな事を思いながらKの待つ部屋へ

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私:「初めまして」

K:「・・・・」

私:「さっそくですが始めてもよろしいでしょうか?」

K:「・・・・」

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私:「では始めますね。」

K:「・・・・」

私:「2人の命を奪った事に対し罪の意識はありますか?」

K:「・・・・」

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私:「もし今二人に会えるとしたらどんな言葉を?」

K:「・・・・」

私:「もし時間が戻るとしたら?」

K:「・・・・」

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K:「はぁ~」

数個の質問後深くため息をつくK

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そしてめんどくさそうにKが答える

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K:「罪の意識持てるんならそもそも殺してなんかねえよ!」

私:「だから刑務所に入り冷静になった今の気持ちを聞いてるんですけど」

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K:「そりゃあ今は後悔してるよ、逮捕された事に(笑)」

私:「何の罪もない未来ある人間をあなたは二人も殺してるんですよ。」

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K:「だからぁ?」

私:「だからって・・・・・」

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絶句する私を前にKが話を続ける。

K:「未来があろうがなかろうが俺には関係ないじゃん!他人なんだから」

私:「心が痛まないんですか?」

K:「じゃああんたは毎日ニュースで殺人事件や死亡事故が起こるたびに涙流してるんだ?」

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と、余りの無反省ぶりに怒りを通り越して呆れてしまった私は

もうこれ以上この男に取材しても無駄だと思ったのと同時に

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ある疑問が・・・・

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内容はともかく私と普通に会話が出来てる。

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最初に話した通りここに収監されている患者は

起きてる時は叫んでるか一人ぶつぶつ意味不明の言葉を喋ってるかのどちらかだ。

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なのにこのKは私との会話中一度も取り乱していない

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薬のおかげ?

それとも昼間は精神が安定してるの?

それとも執行を伸ばすため演技してるの?

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それとも・・・

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次の瞬間

突然、鬼の形相で私に襲い掛かるK

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必死に抵抗するも相手は男だ!!

当然勝てる訳もなく

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薄れゆく意識の中

必死で外の看守に助けを求める私

た     す     け     て  

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看守:「またKが誰もいないのに一人で勝手に暴れてます。今すぐ応援に来てください。」

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