短編1
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母が体験した話

母が中二頃に体験した話。

当時、母は長野県のある街に住んでいた。今もそうだし、俺も今そこで生まれ育ったが。

この街の中学校では登山をするという行事があった。

いざ、登山当日の朝、学校へ集合してバスに乗り込んだ。バスに乗り込むと我が子を見送るために、それぞれの同級生の親がバスの外に来ていた。

その時なぜが同級生のK君のお母さんが目についた。

どうしてもK君のお母さんにのみスポットライトが当たっているような、かと言って明るい訳でもなく、暗い闇の中でポツンと立っているといった様子らしい。

そしていざバスが出発し、目的の山へ到着。

登山をして、しばらくすると同級生や先生が騒然とし出した。

なんだろうと思い聞くと「K君がいねえ!」と。

そして地元の消防団の方々などが捜索すると崖下に滑落し、亡くなっているK君を発見。

終始暗いムードの中で学校へ到着した母が思ったのは「あれは何かの予兆かなんかかやぁ?」なんつって信州人丸出しの感じで恐怖を覚えたらしい。

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