短編1
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霊魂

 幽霊寺の幽霊掛け軸の迫力は大したものだったと、某テレビ番組の収録で東京へ行き、目の前で見てきた先輩占い師さんが言っていた。

 人の怨念や情念が、絵や物にこもるということは十分にあり得ることだと思う。

 私にはそれらを、いや霊魂そのものを否定する人たちが信じられない。

 目に見えないという理由で否定するのであれば、私たちは遺伝子や神経、その他もろもろの人体組織を直接見ることはできない。

 それを把握できるのは、医者など特殊な知識と道具を持った人たちだけである。

 心霊においても、霊能力というメスを持った人たちだけが、霊に直に接することができるのだ。

 あの人たちは、メスを持てないからといって医学を否定するのだろうか?

 骨がレントゲンで写るように、霊も写真に写る。

 私には能力の無い人たちのひがみとしか思えない。

 また、心霊学自体、怪しい学問である。

 だがそれでいえば、例の「発掘ねつ造事件」。

 F氏が「出た」といえばそれが歴史の偉大なる発見になっていたのだ。

 考古学もいい加減、怪しい学問ということになる。

 だがそういうひとりの詐欺師のために、本当に学問を修めている多くの立派な方たちを否定していいものだろうか。

 霊魂は実在する。

 今、生きているあなたの中に。

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