短編2
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結末

30年程昔の出来事ですが、小さい頃に家族で日帰り旅行で川遊びに行きました。

川の水は綺麗で、遊びに来てる人達は魚釣りをしたり川の水で遊んだりして楽しそうにしていました。川の少し上流の方へ行くと蟹が捕れると言うので父親に連れられて一緒に上流の方へ行く事にしました。

川沿いを上がっていくと段々と川幅が狭くなって直径ニメートルくらいになっていました。

その先に誰かがいるようで楽しそうに騒いでいました。

「次お前の番、ほら、当たった~」

「アハハ、あれ外れた~」

「上手いじゃん、当ったぜ、アハハ…」

「あ、流れて行っちゃった~」

小学生くらいの男の子二人とその父親らしい感じでした。

私は川を見ながら歩いていたのですが、その先から何かが流れて来たのが見えました。

それは、石を投げ付けられて千切れかけてボロボロになった蛇でした。赤い血も出ていたように見えました。

蛇はユラユラ~と下流へと流れて行きました。

私は、あ!と思うと同時に流れて行った蛇と男の子達の騒ぎ声の理由が結びついて、胸が苦しくなりました。すごく痛たまれない気持ちなりました。その子達は蛇が流れていった後も川に石を投げたりして平気で遊んでいました。

父は「惨いことをする…」とポツリと言いましたが、その後に蛇の事に一切触れず上流へと行って蟹を探しました。

日も暮れて帰る時間になったので、私達家族はパーキングに向かいました。他にも帰ろうとする家族連れが何組かいたのですが、その中にあの男の子達がいたのです。超嫌な気分になりましたがあの子達も今から帰るんだぁ、と何気なく思って見ていました。

帰り道は山道を下って帰るのですが、曲がりくねった急な坂道でした。

ゆっくりと下って行くと父が

「あれ事故かな?」と言いました。

前の車もその前の車も10台くらい停っていて動きません。先で事故があったらしく皆、車から出て見に行っていて少し歩いて下った所に人だかりができていていました。

ワァワァ言ってました。慌てふためいたり、後ろを向いて目をしゃがみ込んで人もいました。

「うわぁ、こりゃひどい」

「救急車よばないと」「呼んでももうダメだろう…」

「アレどかせるか?」等々…。

人だかりの先には大きな岩に潰されたあの男の子達の乗った車がありました。大きな岩と半分以下の高さになった車体の下から血が流れ出ていました。

怖い話投稿:ホラーテラー アイコさん  

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