外出から戻ってみると、ポストに紙が入っている。取り出してみると、宅配業者からの不在連絡票だった。
「1月20日 15時40分頃配達に伺いましたが、ご不在でした。大変お手数ですが、再配達のご手配につき、下記のドライバーの携帯番号までご連絡をお願いいたします。」
送り主の欄は峰岸様となっており、品名欄には書類と書いてある。ああ、次の原稿やっと来たんだ。メールでくれればいいのに。今回、何か分厚い資料でも送ってきたのかな。
とにかく下の方に090で始まる番号が書いてあるので、早速ドライバーに電話してみる。ワンコールで直ぐに相手が出た。
「お電話ありがとうございます。XX運送配達担当、吉沢が承ります。」
「あ、あの、不在連絡票を入れて頂いた者なんですが、外出しててすみません、再配達をお願いしたいんですけど。」
「はい、○○町△丁目の石川様ですね。早速のご連絡有難うございます。再配達にはいつ頃お伺いすればよろしいでしょうか?」
「あの…。例えば今からでも来て頂けるんでしょうか?」
「大丈夫ですよ。近くにおりますので、すぐ参ります。」
「じゃあ、今から10分後ぐらいでもいいですか?」
「承知しました。それでは今から10分以内に伺いますので、必ずご在宅されるように、お願い致します。」
「有難うございます!助かります。宜しくお願いします。」
「じゃ、今から伺いますので、必ずお部屋にいてくださいね。きっとですよ。必ずお願いしますね。」
「はい、わかりました。」
通話を終了した。
10分以内なんて随分近い所にいてくれたみたいで良かった。最近はフリーダイヤルで音声ガイダンスに従って時間指定するパターンも多いけど、やっぱり、人が直に対応してくれる方がいいわ。話は早いし、時間も細かく指定できるし。電話代かかるのがちょっとシャクだけど。
そう言えば、急いでて気づかなかったけど、この連絡票、ドライバーの携帯番号だけが表示されててフリーダイヤルの表示が無い…。いつもは印刷されてるのに。やめちゃったのかな…。
…これって本当にXX運送の書式…?
ピンポーン。
「今日は。XX運送でーす。石川さーん、いるんでしょー。」
ピンポーン。ピンポーン…。
[了]
作者珍味
お寒うございます。峰岸氏からの次の原稿を待っている間(すいません、こちらは鋭意督促中です)に、ふと考えました。たまには短いのをひとつ…。