長編14
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Nくんの怪異~樹海編~

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私の友人Nくんは、ある地方で無農薬の野菜を作る、とても真面目な男性だ。

ただ、とても…変わり者である。

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昨夏、削除してしまったから今はもう無いが、以前にも2回ほどNくんの話しを投稿した事がある。

既にこの世に生のない者にも真剣に挑み、ご近所の山を荒らす生のある者にも果敢に立ち向かい、限界集落とも言える、お年寄りばかりの村を、山を、人知れずにこっそりと守っている正義の使者…とでも言っておこう。

(因みに私は彼を“アサシン(暗殺者)”と呼んでいる。)

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今回の話しは、以前の話しの続きではなく、昨年暮れにNくんに聞いた、世にも恐ろしい【現実】の話である・・・。

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@@@@@@@@@@@@@@@

―――

1回目

―――

今から24~5年前の事。

若きNくんは何を思い立ったか、いきなりかの有名な地へ、一人修行の旅に出る事となる。

自作のナイフを数本と、地元の山で仕留めたイノシシやシカの干し肉を持ち、かの有名な富士樹海へ単身出掛けて行った。

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早朝、樹海へ着いたNくんは、車を停めると森の奥深くへ歩いて行く。

帰りの目印となるものは、ビニールテープなどではなく、Nくんにしか分からないモノを、道すがら10mほど間隔を開けて付けて行く。

(これは、敢えて話しません。)

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火山の溶岩で出来た道は歩きにくく、鉄板の入った安全靴…ではなく、安全足袋を履いた足でも凸凹で、走ることは無理だろうなと思わせる。

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最初に先ずは飲み水の確保の為、森を歩き、小さな小川を見付けると、そこから数十メートル離れた場所に、一週間、自分が籠る基地を作る。

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不法投棄された木材や電化製品の山。

その中から使えそうな木材を拾うと、せっせと基地に運び、それを数回繰り返し、木の上にどうにか寝る事の出来るスペースを作り上げる。

・・・

本人曰く、「トムソーヤの冒険のツリーハウス?俺はそれを目指してたんだけどなあ~ww」と、笑うが、恐らく…そんな素敵なものでない事は容易に想像できる。

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森を探検していると、衣服を着たままの骸骨を発見する。

いつから有るのか分からない、色あせたテントも有るが、中は確認しない。

興味本位で樹海に来たわけじゃない。

Nくんにとって、人のいない樹海は修行場で、出来れば誰かの遺体もそう思わせる物も、視界にすら入れたくはないのだ。

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そんな樹海には、ボランティアで見回りをしている人がいる。

・・・

今まで4回、樹海に修行に行っているNくんは、その様な方達に自殺者と間違われている。

「修行に…」なんて言えば、頭のおかしい人か悪いことを企む人に間違われるので、その都度「ハイキングに…。」と、胡麻化していた。

そして毎回同じ事を忠告される・・・

『ここには、死体をあさり、持ってきた金品を盗む人。

そして、自殺者を狙う輩がいるから気を付けろ。

奥地で人に会ったら、そんな輩だと思え!』と。

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Nくん。

自殺者と思われる人物には、一度も会った事がないと言う。

会ったからと言って、止める事も出来ないのだから会わなくて良かったと言うが…

・・・

それよりも恐ろしいモノ達には、毎回出くわしてしまう。

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夏の樹海の夜は木々の葉が茂り、とにかく、ただひたすらに真っ暗闇。

ほんの僅かな月の明かりは有るものの、

「あれだけ深い闇は、そうそうないね。」

Nくんはそう言う。

懐中電灯で照らしても、ほんの数十センチほどしか灯りが届かず、日が落ちる前にNくんはツリーハウス?の上で眠るを繰り返していた。

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普段から眠りの浅いNくん。

・・・

フッと人の臭いを感じ、息を殺す。

静かな森に、何者かの臭い、息遣い、そして恐らくこれもNくんにしか分からない、風の動き。

それを感じた。

それも、一人ではない。

複数の人間の臭い、息遣い、風の動き。

Nくんは身構えた。

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すると・・・

―――

ズサッ

―――

Nくんのツリーハウスの床部分に、何かが突き刺さる。

・・・

Nくんは自分に当たらない様に、身を低くして敵の姿を探す。

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真っ暗闇の中、全くと言って良いほど、敵の姿は見えない。

だが、どの方向に人がいるか、いつもの動物的な勘で敵の居場所を探る。

・・・

どうやら、暗視ゴーグルを使い、狩りをしている者なのだろう。

正確に、Nくんに向かって何発もボーガンの矢を放って来る。

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少しずつ、Nくんのツリーハウスに近付いて来る敵達。

・・・

Nくんは、ツリーハウスを作った時に、何かの時の為にと作った、隣の木に渡した簡素な板を使い、そっとそちらに移動する。

そして、木の裏側からスルスルと降りると、茂った木々の間に身を潜める。

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その間にも、何度もボーガンの矢が放たれる。

Nくんの移った木へも当たる。

・・・

Nくんはと言うと、至近戦ならとナイフを構え、敵をこちらにおびき寄せたいのだが、矢が無くなったのか、はたまた深追いをすると反撃を喰らうと恐れたからか、敵達はそのまま静かに去って行った。

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だが、気を抜く事なく、いつ敵が戻って来るかとまんじりともせず夜を過ごした。

・・・

普通の人間なら、そんな事があれば、すぐに引き返し、家に帰るのだろうがNくんである。

・・・

そんな輩に出くわしたからとて、そんな事で怯まない。

それがNくんである。

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明るくなるとNくんは、ツリーハウスを捨て、森を歩き、水場からそう離れていない場所に借りの住まいとなる新たなるツリーハウスを作る。

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前夜、襲撃して来た輩は、昼間のうちにツリーハウスを見付け、そこに寝泊まりする者が居る事を確認していたのだろうとNくんは話す。

・・・

サバイバルゲームの延長だと言うのだろうか?

もし襲撃されたのがNくんではなく、私のような無知な一般ピーポーだったら、すでにその場で命を奪われていたのだろう…。

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予定は一週間。

修行を終えるまで、残すところ数日。

それからは、突然の襲撃を受ける事無く、Nくんは一人ぼっちで修行に励む。

持参したイノシシやシカのジャーキーを食べ、小川の水を飲み、日の出と共に起き、日が沈む前に床に就く。

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そんなある夜…。

新たなツリーハウスの上で、不気味な呻き声を聞く。

・・・おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・

・・・うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・

何者かが森を彷徨っている。

木々で遮られて月明りは届かず姿は見えないが、間違いなく獣の咆哮ではない。

パキ…パキ…

何者かは、無尽蔵に森の中を歩き回る。

だが、Nくんの野生の嗅覚に、生き物の臭いは届かない。

人の動く時の風の流れも感じられない。

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(こりゃ、生きてる人間じゃねーな)

Nくんはその呻き声を発するモノの気配を探りつつも理解した。

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やがて、臭いを放つ事もなく、風を揺らす事もなく

呻き声を静かに発しながら、ソレはNくんのツリーハウスの真下に来た。

・・・おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・

・・・うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・

自分の横たわる体のすぐ真下に来ると、細く長い呻き声を上げるソレは立ち止まる。

そして、静かに

・・・おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・

・・・うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・

呻いている。

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心霊猛者のNくんでも、流石にその声は怖かったと言うほど。

・・・

いつものように戦わなかったのかを聞くと

「いやぁ~…

アレはね?マジで怖かったんだよ…

誰かを憎み、恨んで死んだ魂って言うのが有るなら、正しくアレがそうなんだろうなぁ~」と。

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あくまでも私の想像だが、ソレは、数日前Nくんを襲って来た輩のような者達に、命を奪われた人だったのかもしれないな…と。

・・・

一晩中ツリーハウスの下から聞こえて来た声も、やがて朝になる頃には消えた。

そして、Nくん。

第1回目の樹海の修行ツアーは終わる。

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―――

2回目

―――

20年ほど前の夏。

又しても単身、修行の為に樹海に行く。

・・・

その時も、不法投棄の木材を拾い集め、横に枝を這った木の上にツリーハウスもどきを作る。

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前回の時も疑問に思ったので、Nくんに私は聞いた。

「何故、木の上で寝泊まりするの?

ツリーハウスを作る事自体、大変じゃない?」

するとNくん

「樹海は溶岩が固まって出来た場所だから、そりゃ…小さいのから大きいのまで、洞窟や洞穴ってあちこちにあんだけどよ。

でもな?

考えてみ???

自死を選ぶ人。

なるべくなら、静かに人目に付かない様に死にたいと思うんだろう?

そんな洞穴っつーか、穴に横たわって薬飲んで…ってなぁ…

そんな穴で、俺だって寝たくねーわww

それに、穴なんかにはまっちまったら、それこそどんな奴に狙われるかわかんねぇのに、逃げ場がねぇだろ?

だから、少しでも辺りを見渡せる木の上に、面倒でもツリーハウスっつーの作って寝るんだよ。ww」

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そこでも疑問。

なので、Nくんに聞いてみる。

「でもさ?ツリーハウスを作るってね?

板を渡して平らになる様に作る訳でしょ?

だから、選ぶ木って、なるべく幹も太くて枝が縦にじゃなくて横に張ってる木を選ぶんじゃない?

そう考えるとね?

首を吊るには、最適の木って事になるんじゃないの?」

Nくん、一瞬言葉を失くし…

「言われてみれば、その通りだな…

それじゃ、俺の選んだ木って…」

Nくん、暫し思いにふけ、言葉を失くす。

・・・

と、話しに戻る。

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@@@@@@@@@@@@@@

飲み水になる小川から50mほど離れた場所に、そんなツリーハウスを作ったNくん。

・・・

鬱蒼と木の茂る森の中は、真夏の昼間だと言うのに肌寒く、決して明るくはない。

Nくんは喉の渇きを感じ、修行の手を止めると小川に行き、水を飲んだ。

その帰り、何処かから嗅ぎ慣れた臭いが鼻を衝く。

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Nくんは木の陰に隠れ、臭いの元を探る。

・・・

すると、100mほど先に、数人が連れ立って歩いているのを確認。

・・・

1人の男を先頭に、その後に2人の男が続き、最後尾の男が何かを話しながら煙草をくゆらせていた。

・・・

男4人はNくんの存在に気付かないまま、どんどんと近付いて来る。

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先頭の未だ若い男は視線が定まらない様子で、あちらこちらをキョロキョロと見回している。

続く男2人も、言葉を発することなく、真剣な面持ち。

最後尾を歩く男だけが、笑っている。

・・・

その理由は、男達に見えない位置に隠れて見ていたNくんの前を通り過ぎる時に分かった。

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先頭を歩く男は、後ろを歩く2人の男にピストルを突き付けられていたからだ。

・・・

恐らく、誰かに助けを求め…、人の姿を探していたのだろう…

・・・

いかにも堅気ではない格好をしているのは最後尾の者だけで、前の3人はどこにでもいる若者。

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Nくん、暫く思案していたそうだ…

・・・

(どうしたら助けられるか・・・?)

・・・

だが、Nくんが所持しているのは大小有るが、ただのナイフ。

相手はピストルを持ち、3人もいる。

どう考えても勝ち目はない。

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Nくんは、なす術もなく、息を殺してその場で男達を見送った。

10~20分ほど経つと、森の奥で空気が振動するのが伝わる。

それと同時に、木々から一斉に鳥達が飛び立つ。

・・・・・続けてもう一度

・・・・・・・・・・

2発の音を消した銃声が森の空気を振動させた後、再び静寂が訪れた。

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普段はあまり物事に動じないNくんだったが、その時は自分の無力さに力を失いそうになったと言う。

・・・

やがて、男達は戻って来る。

相変わらず笑い、煙草をくゆらせているのはいかにもな格好をした男だけ。

その後に続く男2人は、青い顔をして項垂れ、黙って着いて行く。

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(今なら!!)

Nくんは、隙だらけの男達に挑みかかろうと身構えた。

だが・・・時は既に遅し・・・

先程、先頭を歩かされていた男はもう居ない。

手遅れだった・・・・・

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都市伝説などでよく耳にする事は有りますよね?

・・・

ヤクザが殺した遺体を捨てに行く場所…と。

だけど、実際の樹海は、殺した人を捨てに行く場所ではなく、殺しに行く場所だった。

・・・

Nくんはこの時ばかりは気が滅入り、僅か3日ほどで家路についた。

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―――

3回目

―――

10数年前の夏。

相変わらず、木の上にツリーハウスを作り、単身、修行に勤しんでいたいたNくん。

何者かの視線を感じる。

手を止め見ると、女と思しきモノが立ってこちらを見ている。

だがその身体は透け、後ろの木々が見えている。

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無表情なポーカーフェイス。

髪は肩までのボブ。

そして、頭から目にかけて血が流れている。

(この女も、もしかして…)

人を殺してみたいと思う輩に命を奪われた者かもしれないと、Nくんは両手を合わせた。

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それから数日の昼間。

Nくんが、火を起こすために拾って来た薪をツリーハウスに持ち帰ろうとしていた時。

いきなり、石つぶてがNくんの身体の脇を掠った。

すかさず、Nくん。

持っていた薪を、石つぶてが飛んで来た方向に向かい投げる。

そして、茂みに隠れた。

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すると、キョロキョロと辺りを見回す男の姿をNくんは見付ける。

映画、13日の金曜日のジェイソンがかぶるマスクを顔に付け、身体は迷彩服で包み、足元を見れば安全靴のブーツを履き、手にはスリングショットと呼ばれるパチンコの威力を強くしたものを持ち、腰には日本の鉈とは違う、南米で使われる、マチェーテをぶら下げている。

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男は、恐る恐る…武器を手に、今、自分が襲おうとしていた者の姿を探す為、木々の間から顔を出すが、マスクの所為で視界が利かなかったのだろう。

・・・

やがて、マスクを外し、Nくんの姿を血眼で探し始めた。

・・・

そして、一歩踏み出した所で、Nくんは再び、手にしていた薪を男に投げ付けた。

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慌てて振り返ろうとする男に、Nくん。

「動くな!!今お前が動けば、俺が仕掛けたトラップが発動すんぞ?

そのままゆっくり、手にした武器を放り投げろ!!

少しでも動けば、お前の命はないからな?

何もしないで立ち去るなら、命だけは助けてやる。」

そう言いながら、ゆっくりと男の背後に回った。

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年代は、40~50代の、どう見てシニアのおっさん。

・・・

おっさんは、動けず、話す事も出来ず、狩る立場から狩られる立場に逆転した事で、Nくんの言葉に素直に頷くだけ。

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「そのまま帰るな?」

Nくんの言葉に、おっさんは大きく頷く。

「なら、お前の足元に仕掛けた罠を外してやんから。

その代わり、持ってる武器は、全部捨てて帰れ!!」

おっさんは、それにも大きく頷き、手にしていたスリングショットもマチェーテも、その場から動かず、それぞれ放り投げた。

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「今、罠を外してやんから…

絶対に振り向くなよ?

俺が良いって言うまで、動くなよ?

でなきゃ、お前の命の保証は出来ねぇーぞ?」

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Nくんは、近くの木の枝をナイフで切り落とす。

「よし!1つ目の罠は外した。

だけどな?罠はあちこちに仕掛けてあんだよ。

お前が無事にここを出たいと思うなら、真っすぐ、来た道を戻れ。

変な事考えたら、罠に嵌ってお前が死ぬだけだかんな?」

・・・

Nくんの言葉に、おっさんはまたまた大きく頷き、すごすごと静かに丸腰で戻って行った。

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そこで、又しても私も質問。

「その罠って…?どんなトラップ仕掛けてたのよ!?」

Nくん

「んなモン、仕掛けてねぇーわwww」

「えっっっ!?」

Nくん

「馬鹿めっ!ww

人のタマ取る様な罠なんて誰が仕掛けるっつーんだよ!ww

ハッタリだ!!

ガハハハハハハハハwwwwww」

「・・・・・ハッタリ・・・」

数日後、Nくんは又しても、無事に家路に着いた。

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―――

4回目

―――

7~8年前の夏。

その日も未だ暗いうちに家を出て、早朝に樹海に到着。

車を停めるといつもの様に、森の奥へと足を運ぶ。

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すると、自分の前に歩く人影を発見。

先ず、生きている者か、そうでないかをじっくり見定める。

どうやら、生きている人間。

・・・

次は、自殺志願者か、そうでないか…

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Nくんが後ろから着いて来ている事に気付いている様子の男。

歩きにくい森の中、安全靴を履き、慣れた足取りで進んで行く。

そして…振り返りはしないものの、自分の後ろを着いて来る男に対し、全身で警戒をしている。

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ーボランティアの人なら、こんな早朝に見回りはしない。

ー自殺志願者なら、もっとオドオドした雰囲気だろう。

ー安全靴?そんなもの、自殺志願者が履くか?

ーーーーー

ーーーNくんは【人を狩る者】の臭いを感じ取った。

・・・

やがて、前を歩く男は、一度も振り返る事無く、Nくんの進行方向とは違う方へ向かい、消えた。

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嫌な感じは拭えないものの、Nくんはもっと、それよりももっと深く、奥地へ足を運んで行った。

・・・

毎回、飲み水にする小川を目指すものの、決して同じ場所へは行かないNくん。

・・・

そして、小川の近くにも寝泊まりはしない。

野生の動物もだが、水場付近は人も狙い易いからと。

その日も、水場を見付けると、その奥へと足を運んだNくん。

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何処かから腐臭が漂い出す。

・・・

Nくん。

地元の山でも何回か、首吊りで自死した遺体を発見している。

鼻の奥…脳まで刺激される酷い腐臭は、どんどん近付いて来る。

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やがて、木の枝にぶら下がる輪になったロープを見付けた。

近付いて行くと、腐乱が進み、首から千切れた体が地面にあるが、獣に荒らされ、そのままの原型は留めていない。

・・・

Nくん、息を止め、そのまま奥地へ行く。

・・・

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そこで、私の質問。

「なんで遺体を見付けちゃったのに、敢えてそっちへ行くのよ???

他の場所にすれば良いのに。」

Nくん

「いや。

そうなんだけどね?

俺は、そっちに行きたかったんだよ。

誰にも俺の邪魔はさせねぇーよ?ww」

「・・・・・ふぅ~ん・・・」

・・・

そして、臭いのしない場所まで行くと、いつもの様にツリーハウスを作り、修行を終えて無事に帰路に就く。

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@@@@@@@@@@@@@@@

Nくん。今は全くと言って良いほど、樹海には行かなくなった。

・・・

おっさんと呼ばれる年齢になったNくん曰く

「もう、流石に昔みたいな鋭い感覚はなくなっちまったしなぁ~

次、もし行ったら、そのまんま狩られちまうだろうしなぁww

怖い話しを書きたいなら、行ってみ?

薄ぼんやりしか見えない奴も、零感って言ってる奴も、確実に見えるからなwww」

「どんな大金積まれたってお断りだね!!

例え一泊だって、死んでも行くかっ!!」

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Nくん

「だよなwwwwwww

でもよ・・・

これだけは言えんだよ・・・

あそこは、絶対にヤバい場所だってなぁ・・・」

「ヤバい奴もうじゃうじゃいそうだしね!!」

Nくん

「そーなんだよww

でもな、それだけじゃねぇーんだわ・・・」

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「What?」

Nくん

「ん~・・・上手く言葉で伝えられねぇんだけどな?

森全体に、悪意やら呪いやら恨みやらが渦巻いてるんだよなぁ・・・」

「・・・・・?」

Nくん

「殺意って言うの?

それが、ひしひしと感じるんだよ。

“殺してやる”とか、“呪ってやる”って、そんな“負”の感情が溢れてる場所だな。」

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昼間だろうと、深い恨みを帯びた殺意が肌に纏わりつき、人の、生き物の、そんな気配はないのに、姿の見えない者のパキパキと踏み鳴らす音は、一日中響いている。

夜、ツリーハウスに居たって、その木の下にも、横たわる自分のすぐ横にも、そんな殺意、恨み、呪いが常に纏わり付く…。

・・・

どっちにしても、私は絶対に行かないけどね♬

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ともすけ様♬
はじめまして!
この度は、こちらの投稿作品に怖いの評価、そして多分に過分なお褒めのコメントまで頂き、どうしていいやら(;◉艸◉)

ともすけ様は、昨年度のオブザイヤーを受賞された方なんですね(*´ω`*)♪
暫くここ怖話を留守にしていた時期が御座いまして、未だ、目を通しておりませんでしたm(__)m
申し訳ありませんm(__)m

Nくんのこの話しも、実は大分オブラートに包んでお話ししています(;_ _)
見てはいけない現場や遺体など、Nくん本人も口を濁すような物も目にしていた様です(;_ _)

又、Nくんのお話しの中で、少しずつ…お読み下さる方のご気分を害さない程度に、お話し出来たら良いのですが…

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鏡水花さん、こんにちは!
このお話は怖話の殿堂入り確定と言える作品であると思いました!
怖い、怖いに尽きる話です!
修行にて心霊ハンターといえるNさんが感じるほどの恐怖。いや、心霊ハンターが感じる恐怖だからこそ、読んでる私が余計恐怖を感じたということ。。
素晴らしいです!
月間、年間アワードを頂いた私の作品がお恥ずかしい…m(__)m
良い作品ありがとうございました!

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珍味様♬

おはようございます(*´▽`*)ノ
この度の作品にも、怖ポチ&コメントを有難うございます(*゜∇゜)♪

樹海に纏わる話し…よく耳にしますよね(; ̄_ ̄)
それも、良い話しは聞きませんし…

今から30数年前のうら若き乙女だった頃♡
いつもは海にサーフィンに行くのですが、時々、中央高速に乗り、河口湖方面に向かったりとドライブに出掛けていましたが、深夜の樹海を通り抜ける時、何故かいつもカーステレオのカセットが変になるんですよね(;^^)
それも、どんなカセット(古いww)に交換しても、音が大きくなったり小さくなったり、妙に声が伸びたり低くなったり(;^^)
怖いので、決して横は見ません。
ただ、ハンドルだけを握り、真っ直ぐに前だけを見詰めてましたっけ(;▽;)

なのに、何度も行っては同じ現象に見舞われて。

Nくんに関しては、変人ですから(*≧∀≦)ノシww

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ふたば様♬

この度の投稿作品もお読み下さり、怖ポチ&コメントを有難うございます(*´▽`*)
これは、あくまでもNくんの過去の体験談ですから、若者の無鉄砲さも未だ仕方ないと思えますけどね(;^^)
それでも今年に入ってからも又行ったとか…((; ̄ω ̄)=З
未だ、間隔は鈍ってなかったと笑ってましたが、思い切り叱っときました。

と言いますか…
親切から始まった、呪い。
日に日に進行する悪夢。
最後の終結は、身をもってマジで生死を彷徨う事になりました(;_ _)
いつか又、Nくんの怪異シリーズでお話し出来たら良いんですけど(⁀▽⁀)

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吉井さん♬

吉井さんが贈って下さった画像、有難く使わせて頂きました!
有難うございます(*´▽`*)

樹海に自衛隊基地があるそうですね(⁀▽⁀)
実は、昨日Nくんに投稿の報告がてら電話をして話したんです(^^)

そして、吉井さんのこのコメントを読み、本人に聞いたら、同じ樹海でもNくんの行った方とはどうやら違うみたいですね(*´艸`)

どこで調べるのか分かりませんが、Nくんの自宅には弟子志願の若者達がひっきりなしに訪れ、本人…とても困り果てています(;^^)

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マミちゃん♬

いつも読みに来てくれてありがとーヾ(≧▽≦)ノ

そうなんですね(;u_u)
「どうせ死ぬなら自死だろうが殺人だろうが一緒だろ?」
そんな彼等の声が聞こえて来そうで…
こんな事を言うと、良い人っぽく聞こえてしまうかもしれないけれど…
例え嫌いな虫でも、簡単に手にかける事に躊躇いがありますよね…
それを平気で同じ種族の人間に手をかける者達がいる事は、私も理解しかねます(;u_u)

ジェイソンマスクのおっさんだって、狩るのは良いけれど、自分が狩られるのは怖い…なんて…

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雪さま♬

この度は、私の投稿作品をお読み下さり、有難うございました(*´ω´*)♡

Nくんですか?
大食漢のNくん、仙人の様に霞だけではお腹が満たされないでしょうね(*≧∀≦)ノシww

スキンヘッドの和製ランボーの様な変人…それが妙にしっくり来るNくんです(⁀▽⁀)ww

返信

ラグト様♬

お久しぶりです(*´∇`*)
この度は、私の拙い話しをお読み下さり、怖ポチまで頂戴し、有難うございます居(*゜▽゜)ノ

そうですね…
Nくんはあくまでも修行の為に行き、そうでない輩は修行ではなく人狩りゲームに行く。
発見された遺体も骨になってしまったら、死因までは詳しく調べないのでしょうね…

以前、投稿していた話しは、Nくんと霊の攻防戦?ww
悪霊と言っても過言ではないモノに真剣に立ち向かうNくんの話しがメインでした(⁀▽⁀)ww

返信

さえちゃーん♬

1人で樹海に行く事も、そんな所に宿泊する事も、得体の知れない者達と戦うのも、私も真っ平御免です(T▽T)
「もう年だし、二度と行かねぇ~わww」と、確かにそんな事を言っていたNくん。
いつの間にか、5回目の樹海修行に出掛けてやがりました(; ̄_ ̄)=З

さえちゃんからも、あの馬鹿ちんにお説教お願いしますよ(;・`ω´・)

返信

りこちゃん♬

いつもいつもいつも…読みに来てくれて、ありがとうヾ(*´▽`*)ノ

愛すべき変人のNくんの事をそんなに喜んで頂けて、私も本当に嬉しいです(⋈◍>◡<◍)。✧♡
Nくんにも投稿の話しをしましたから、きっと読みに来て、りこちゃんのこのコメントや皆さんのコメントをを読んでほくそ笑む事でしょう(*⁀艸⁀*)www

何処かの田舎道で、鍬を片手にニヤニヤ笑いをしているスキンヘッドのおっさんを見かけたら、それはNくんかもしれませんww

昨夏にも、夢から始まった怪異がありまして…(;^^)
番長を通して、あの…かの有名な舞ちゃんにもご相談した事がありましてね(;゜_゜)
結果が出る前に、Nくん…生死の境を彷徨い、どうにか無事に生還出来たと言う…
そして、驚愕の事実を知ることに…Σ( ̄□ ̄;;;))

と、それは又、別のお話し…♬

返信

小夜子さま♬

いつも私も拙い話しにお付き合い下さり有難うございます(*´▽`*)♡
そして、嬉しいお言葉まで頂戴し、嬉しいやら恥ずかしいやら(*/▽\*)

Nくんとは、何故か「馬が合う」と言った方がしっくりくるのかなww
変わり者の友人の多い私の友人の中でも、ダントツ飛びぬけて変わり者のNくんの話しは、いつも興味津々で(*´艸`)ww
本当に飽きないんですよねぇ(*´ω`*)

あまり調子に乗ると、私に
「この馬鹿ちんがっっ!!」
と言われているNくんですwww

返信

ミート君さま♬

この度も私の拙い話しをお読み下さり、怖ポチ&コメントを有難うございます(*´ω`*)♪
ゲーム感覚で人を狩ろうとする者がいると言う事。
それも若い人だけでない事。
本当に恐ろしい場所だと思います(つ_T)

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姫ちゃん♬
おはようございます(*´▽`*)ノ♡
お忙しい中、コメントまで頂き、有難うございます。

私もNくんの話しを聞けば聞くほど…樹海のイメージが一変されて行きます( ̄_ ̄;)
「一度、一緒に行ってみっか?」と聞かれた私。
「イヤ。先ずね?ボーガンが飛んで来た時点で“何々!?何事!?”って騒いでそのまま頭にズサッて矢が突き刺さって死ぬでしょ(((;゜□゜))」
と答えると、Nくん
「だな。しかも、死んだ事すら気付かないで騒いでそうだしなww」
って…
そこまでボケちゃいないわっヾ(;・`□´・)ノ!!ww

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