短編1
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今年のGWになにも予定がない俺は暇つぶしに自転車で図書館に行きました。

特に読みたい本があるわけでもなかったので、ただ館内をウロウロしタイトルだけで気になった本を手に取り、パラパラっとめくり棚に戻すことを繰り返してばかりでした。

そんな中怖い話の本に目が止まり、その一冊を借りてそのまま図書館の二階にあるテラスへと向かいました。

テラスでは隣接する公園から見える桜や、時折吹く春風なんかでなんていうか穏やかな雰囲気で読書にはぴったりだと感じました(読む本にはまったく合いませんが(笑))

400ページ程度のその怖い話の本は、一話完結形式で読みやすくスムーズに半分あたりまでいきました。

イスに座りながら下を向いての読書で背中が多少疲れてきたので、背もたれに背中を押し付け身体を伸ばしました。

涼しい風が吹きました。

パラパラと風でページがめくられ、後半部分が見えたとき

真っ赤なページが目に付きました。

風の勢いでめくられたページはその反動からまた元の位置へと戻りました。

一瞬のことでしたが、なんていうか滴った血液が紙面に残るようなそんな1ページ。

それまでそんな挿し絵なんてなかったのに、途中でそんな演出あるなんて、とその時は思いました。

そのまま最後まで読み続けましたが、そんなページはどこにもありませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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