中編3
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金城町の石畳 (沖縄)

music:1

金城町の石畳とは沖縄の首里城の近くにある観光名所だ

観光名所って言っても石垣と石畳(石でできた道)の途方もなく長い階段だ

俺はよくこの階段を部活の帰宅がてらに通ってた

あの日までは

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あの日は春の中頃にしては少し寒い日だった

いつも通り部活をして荷物の入ったリュックを背負い、両手をポケットに入れてゆっくり歩いてた

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夜の金城町の石畳は薄暗い

数メートルおきに電灯があるくらいな上に周りが石垣で囲まれているため余計暗い

一番下から上を見ると真っ暗な具合だ

毎回少し怖さもあったのだが仕方ないと割り切って登っていた

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music:2

階段を中腹あたりまで登ったところで後ろに何か動く影が見えた

だがその時はどうせ猫だろうと思いあまり気にしなかった

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music:1

階段もだいぶ上まで登ってきた

そこまでくると慣れていてもややきつい

しかしそれもすぐ吹き飛んだ

振り返るとそこには普段は見ることもないような綺麗な夜景が広がっていた

俺は毎回これを見るためにきつくても少し怖くてもここを通っていたんだ

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music:2

夜景を見ながら少し休んでいると一番奥の電灯が点滅した

その瞬間黒い影が見えた

電灯は一番奥から順にどんどん点滅していった

そしてそれに伴って影もどんどん近づいてきた

近づくにつれて影の正体がわかってきた

影の正体は黒い服をきた長髪の女だ

近づいてくる女に対して俺は逃げたかったが恐怖のあまりに腰が抜けその場にうずくまってしまった

俺はずっと頭を抱えていた

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music:6

しばらく経っておそるおそる顔をあげた

目の前には黒い服と足が見えた

女は俺の真ん前に立っていたのだ

体が固まった

恐怖のせいか、はたまたこの女のせいかはわからないが俺の体は動かなかった

次の瞬間、 「ボトっ」と音が聞こえた

そして目の前には生首があった

目の前の生首はジッと俺を見つめ

ー笑った

その瞬間動けなかった体がようやく機能し全速力で逃げた

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走って走って気づいた時には俺は家の近くの路地裏にいた

安心した瞬間どっと疲れがきた

息を整えつつ俺は額の汗をぬぐった

そのとき頭に何かがあたった

いや、「手に持ってた何かがあたった」

music:6

だがその瞬間ひとつ疑問が浮かんだ

「俺は手ぶらだったはず

なのになぜ今手に持っていると?

途中で拾ったか?だとしたら、、」

頭の中で答えは出ていた

だが心がそれを認めない

しかし答えは自分から出てきた

手元から声が聞こえてきたのだ

女の甲高い笑い声が

頭の中に直接響いて俺を恐怖に落とした

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music:2

次の瞬間俺は石畳に戻っていた

電灯は俺のとこだけついている

そして今にも消えかかりそうだ

カチカチ、、、

カチカチ、、、 パッ

灯が消えた瞬間 耳元で

「私の首返し返してよ」

手元の生首が笑った

そして自ずと俺も笑った

『アハハハハハッ ハハハハッ

アハアハアハハハハア ハハハ

ハハハハハハハハハハハハハハハハハ

アハハ アハハハハ ハハハ 』

もう生首が笑っているか俺が笑っているのかわからない

けど俺はもう元には戻れない気がする

END

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