中編4
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電話ボックス

music:4

みなさんは知っていますか?

沖縄の基地被害を

沖縄には多くの米軍基地があります

そして過去、米兵による事件がよく基地周辺で起きました

事件になってないものも含めれば多く被害者がいます

これはそれに関連づけた話です

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music:1

俺はよく暇なときにランニングをしに行く

そのランニングのコースはいつも決まってる

近くにある基地を抜け山道とトンネルを抜け隣町へ行くのだ

隣町は昔、とても賑やかな歓楽街だったが今ではすっかり衰えている

だが海が近く、高台から映える景色は絶景だ

特に夜は、田舎なので星がよく見え海との相性がだいぶいい

だからたいてい暇なときはそこに走りに行く

あの日もそうだった

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今日は部活がオフだったので久しぶりに暇になった

他の部は忙しそうで他にやることもなかったので、夕方6時少し薄暗くなった頃

俺はランニングに出かけた

さっそうと右翼団体とデモ隊で賑わう基地を抜け、そして自然豊かな山道を走っているその時だった

sound:12

突然の大雨に見舞われた

雨具など持ってるわけもなく

ここは山道、ろくに雨宿りする場所もなかった

途中バス停と電話ボックスがあるのだが、バス停に屋根はなく、電話ボックスはドアがぶっ壊れているため入ることすら出来ないため論外であった

仕方がないのでトンネルまで走ることにした

すると道中、いきなり何かにぶつかった

見上げるとそこには黒く大きい怪物がいた

怪物は歪な笑顔をかけてきた

music:6

俺は本能的にやばいと思い全速力で逃げだした

だが、後ろからは勢いよく走る足音と荒々しい息づかいが聞こえた

(やばい!殺される!)

必死で逃げ続けているとそこには真新しい電話ボックスがあった

(よし!あそこに逃げ込んで助けを求めよう!)

俺は電話ボックスに勢いよく入りすぐさま鍵を閉めた

少し安心した

だがその瞬間だった

ドン!ドン!!

ハッとして振り返るとやはりそこには怪物がいた

諦める気はないようだ

怪物はドアをひたすら叩きまくり、意味のわからない言葉で必死にわめき散らした

俺はすぐさま110番にかけた

だが繋がらない

(おい!!どうしたんだよ!!おい!!)

怪物の勢いは止まることがない

むしろ激しくなるばかりだ

俺は叫んだ

「あああああああああああああああ

もうなんなんだよ!!おい!!

誰か!誰か助けてくれ!

頼む!!頼むから!!なぁ!」

するとドアを叩く音がおさまった

怪物は何かを見つけたらしい

目線の先には一つ

大きなコンクリートブロックがあった

怪物はにやりと笑った

「おい!やめろよ

やめろって!それはないだろ

なぁ!!おい!おい!!!!!」

怪物はコンクリートブロックを手に持ち大きく振りかぶった

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ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

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music:1

気付くと俺は道端に倒れていた

雨は止み、空には満天の星空あった

「あれ?生きてる、、、

、、、、あいつは!?」

周りを何度も見渡したが何もいない

「なんだったんだあれは、、、」

もう何がなんだかわからなかった

時計を見るといつの間にか8時になっていた

(やべっ、早く帰らないと怒られる)

俺は隣町には行かず来た道を戻った

道中、電話ボックスで立ち止まった

あの時俺は真新しい電話ボックスに逃げ込んだ

だが、これはドアもぶっ壊れてもう何十年も経っている古い電話ボックスだ

(あれは、、、、)

考え込んでいると

「助けて」

と聞こえた

あたりを見回した

だが何もいない

不安になりつつも視線を電話ボックスに戻すと

そこに血まみれの少女がいた

そして少女はこちらに手すうっと伸ばしてきていった

「どうだった?」

あの時見た、怪物の歪な笑顔だった

俺はまた必死で走った

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翌日激しい筋肉痛におわれたので学校を休むことにした

「命がけで走っただけあるな、、とほほ」

昨日のことが気になったため、少し地元について調べてみた

だが何も出ない

なので隣町について調べてみると一つ気になるものがあった

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<米兵による少女殺害及び死体遺棄事件>

昭和時代、〇〇(隣町の名前)。大雨の夜、酔った黒人の米兵が少女を追いかけ回し、その後電話ボックスに逃げ込んだ少女をコンクリートブロックで撲殺し、その遺体を山中に投げ捨てた。少女の遺体は未だ見つかっていない。

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この記事を見て気づいた

あの血まみれの少女は俺に自分の記憶を見せていたんだ

当時電話ボックスは出来立てで真新しい

そしてあの黒く大きい怪物は黒人の米兵

あの少女が化けていたのか

俺はあれ以来あの電話ボックスに近づいていない

なぜなら、あの怪物を思い出すから

ではなく、少女が電話ボックスから今もこちら見つめてくるからだ

あの歪な笑顔で

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