中編3
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嘘の代償

music:5

従兄弟が小学生のころ従兄弟は、いつも陽気で友達も多くいました。その中に鈴木君という友達がいました。鈴木君は嘘ばかりを言う子で、クラスの中で嫌われていました。でも、従兄弟は、その嘘が好きだったようで友達になったそうです。この話は従兄弟から聞いた話です。

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従兄弟「おーい、鈴木。また何かおもしろいことしようぜ。」

その日も、従兄弟は、学校の放課後に鈴木と話をしていた。クラスの皆は、もうすでに帰ってしまったらしく、クラスには、従兄弟達しかいなかった。

鈴木「いいよ。僕には霊感があるんだ。」

従兄弟「マジで!」

従兄弟は、話が聞きたかったので、わざと嘘に引っかかったフリをした。

鈴木「うん。本当だよ。だから試しにコックリさんをやろうよ。」

従兄弟「おもしろそうだな。いいぜ、やろう」

準備は鈴木がやり、従兄弟はただその様子を見ていた。

鈴木「終わったよ。じゃあこのコインの上に人差し指を乗せて。やっている途中は、離しちゃダメだよ。」

従兄弟「了解。じゃあ俺から質問するぜ。俺のお母さんの名前は?」

質問の直後、コインが動き出し、従兄弟の母親の名前の文字をぐるぐるしだした。

従兄弟「すごい。本当に母さんの名前だ。」

(俺は動かしてないから鈴木が動かしてるんだな。)従兄弟はそう思った。

その後は、クラスの人の好きな人や自分達が結婚できるかなど多くの質問をした。

鈴木「A君(従兄弟)は、僕の話をいつも信じてくれていますか?」

突然、鈴木はこんなことを質問した。

従兄弟「何言ってんだよ。そんなの当たり前だろ」

でも、結果は違った。コインは、いいえをぐるぐる回り出した。

鈴木「A君だけは信じてくれていると思ったのに。この嘘つき。」

従兄弟「何かの間違えだって。そんなわけないだろ」

鈴木「そんなこと言ったて、コインは、ずっといいえを回ってるだろう!」

今まで怒ったことのない鈴木が怒った声で言った。それを聞いて耐えれなくなった従兄弟は言った。

従兄弟「うるせぇ。嘘つきはお前だろ。いつもテキトーなこと言いやがって!」

そう言って従兄弟は、鈴木を蹴った。鈴木は、後ろに飛びコインから鈴木の手が離れた。鈴木は倒れたまま、起き上がって来なかった。

従兄弟「悪い。ついカッとなって。おい鈴木?」

心配になった従兄弟は、すぐにコックリさんを終わらせて、鈴木を起こそうと、鈴木に近づいた。

従兄弟「さっきは悪かったって。うわぁあああ」

従兄弟が起こそうと鈴木の腕を持とうとした時、従兄弟は気づいてしまった。鈴木の顔がなくなっていることに…

その後、従兄弟はすぐに教室を出て、家に帰った。翌日、鈴木のことを考えながら嫌々学校に行くと、鈴木の机が無かった。ビックリして鈴木のことをクラスの人に聞くと、誰もがそんな奴知らないと口を揃えて言った。クラスの人の悪ふざけだと思い、先生に聞くと先ほどと同じような答えが返ってきました。一体、鈴木はどこに行ったのでしょうか…

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従兄弟「こういう話なんだが…」

俺は、従兄弟が運転中に事故に遭いそのお見舞いに来たときにこの話を聞いた。

従兄弟「俺のせいで鈴木がコインを離したからあんな事に…」

俺「悪いのお前じゃなくて鈴木だろ。まぁ、おもしろ半分で信じたフリしてたお前も悪いのかもしれないけど、鈴木だっていつも嘘ついてたんだろ。」

従兄弟「それはそうなんだけど。俺のせいで鈴木がいなくなって俺、どうしようもないことしたなって。」

従兄弟はずっとその事で悩んでいたらしい。

俺「そう思ってんならそれでいいじゃねぇーか。なんなら俺を鈴木だと思って今の気持ちを伝えたらどうだ?そうしたら少しは気が楽になるだろう。」

従兄弟「あぁ、そうだな。鈴木、俺のせいでゴメンな…………」

その後も5分位、ずっと謝罪の言葉を言っていた。

俺「よし。これで鈴木にも届いただろ。」

そのとき、一人の看護婦が部屋に従兄弟の様子を見に来た。その看護婦が去り際に、

music:3

「そんな事思ってないくせに」そう言った。

music:5

俺は、ゾッとした。看護婦のその言葉ではなくて、従兄弟が思っていた事が嘘だった事に…従兄弟には聞こえて無かったみたいだけど、従兄弟は、本当は鈴木君に対してどんな事を思ってたのでしょうか?今も怖くて聞けてません。

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