中編3
  • 表示切替
  • 使い方

チューリップ

wallpaper:108

小学校のときに誰かから聞いたお話。

多分、いろんな怖い話が混じって出来たの

だと思います。

ある小学校にAちゃんとBちゃんが

いました。Aちゃんは気が強く、クラスでも中心的なポジションにいました。Aちゃんは、2、3人と一緒に内気なBちゃんを

いじめていました。筆箱を隠したり、

机の中に雑巾を入れたり。Bちゃんは、いじめられる度に泣きますが、学校には毎日来るのでした。

Bちゃんの心の支えになっていたのは

小学校の中庭にあるチューリップでした。

Bちゃんは、おばあちゃんに引き取られて

おばあちゃんと二人で暮らしていました。

Bちゃんのおばあちゃんが、ガーデニングを趣味としていたため、学校でも

植物係として、活動を頑張っていました。この小学校では、もうウサギを飼育しておらず、植物だけを世話することになっていました。Bちゃんのおばあちゃんは特に

チューリップが好きだったので、Bちゃんもチューリップが大好きでした。

Aちゃんは、泣きながらも学校には来る

Bちゃんを疎ましく思い、ある日とうとう

Bちゃんが大切に育てていたチューリップを

踏み潰してしまいました。さすがにAちゃんの友人たちも、それには同情を覚えて、

Aちゃんだけがチューリップをめちゃくちゃにしたのでした。

Bちゃんは、ボロボロになったチューリップを見て、今まで以上に大泣きしました。

Aちゃんは、Bちゃんに「どう?チューリップと遊んでばっかりだから、チューリップ離れさせてあげたんだけど。」と

笑いながら言いました。

更に、不幸は続き、Bちゃんのおばあちゃんは、不慮の転倒事故で亡くなってしまいました。Bちゃんはしばらくして、自殺を

してしまいました。

Aちゃんは、先生たちからいじめの疑惑をかけられました。しかし、学校側も騒ぎを大きくしたくないため、どんどん風化していきました。やがて、Aちゃんのお父さんが転勤することになったので、Aちゃんは引っ越していきました。

20数年が経ち、Aちゃんはお母さんに

なりました。Aちゃんはある日、授業参観に出席しました。授業参観が終わり、子どもと一緒に帰っていると、中庭に一本の白いチューリップが咲いているのを見つけました。

Aちゃんは、いじめの嫌疑をかけられ、先生たちから責められた過去を思い出しました。ムカムカとしたAちゃんは、チューリップを足で踏み潰してしまいました。

「いいの?お母さん、そんなことして。」

Aちゃんの子どもが尋ねます。

「いいのよ、ムカつくもの。うじうじしてるのが気に食わなかったからなのに、

なんで私があんなに責められなきゃいけなかったのよ…。」とAちゃんは返しました。

すると、

「また、そうやって私を苦しめるの?」

と、Bちゃんの声で子どもが喋るのです。

驚いてAちゃんが振り返ると、そこには

首に紐の跡がくっきり残っている苦しげな表情をしたBちゃんがいました。

「お前のせいでおばあちゃんがいなくなったお前が殺したお前が殺した殺したゆるさないゆるさないゆるさない……。」

Aちゃんの子どもは、中庭の前で

チューリップを眺めていました。

不貞腐れながら、

「お母さん、帰っちゃったのかなぁ。

一緒に帰ろうって言ってたのに。」と言いました。

Aちゃんの子どもは、さらに続けます。

「ここに咲いてたチューリップって赤かったっけ?」

終わり

Concrete
コメント怖い
3
7
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

返事遅くなりすみません!zzさん、怖いと感じていただけて光栄です!

返信
表示
ネタバレ注意
返信

初めまして、奈加です!
ビビりですが、文章や漫画でホラー読むのは
いけるので楽しんで読んでます!
人から聞いた話をアレンジしたり、
創作していけたらと思います。
至らぬ点も多々ありますが、よろしく
お願いします!

返信