可能性

見たのは随分前になる。

この話を書くにあたって改めて検索してみたのだが探し出すことは出来なかった。

貧弱な記憶に頼ったうろ覚えの話になるがそこは了承して頂きたい。

これから書くのは行方不明者の捜索を目的としたサイトでの話だ。

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[2001年失踪者リスト]

××××(男性の名前)19才(当時)を探しています。

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そのサイトでは上のように失踪者一人一人に見出しが付いていた。

人によっては顔写真がその下に掲載されている。

それをクリックすると詳細な情報が表示される仕組みだ。

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専門学校生、2001年10月から連絡が途絶えています。

週二、三回、実家に電話をかかさなかったのに突然連絡が取れなくなって一週間が過ぎました。

不審に思ったご両親がアパートを訪ねたところ(アパートは仙台、実家は盛岡)部屋には人の気配がなく、学校に問い合わせたところしばらく出席していないということがわかりました。

部屋に携帯電話や財布が残されていたことから両親は捜索願を出しました。

しかし、今でも××さんの行方はわからないままです。（ここまで、サイトの記述）

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両親の調査や警察の捜査からいくつかのことが判明した。

・失踪したと思われるころ、××さんの部屋に深夜、来客があったようだ。

(住人の証言。何人かがチャイムを聞いている)

・××さんは何かアルバイトを始めていたらしい。

(両親は知らなかった。詳細は不明)

・失踪後、何回か盛岡の両親に無言電話があった。

番号は非通知。呼び掛けるも反応は無し。

そして失踪から数年、××さんの友人の元に一通の手紙が届いた。消印は東京都。

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その手紙は乱れた文字で××さんが失踪した日のタイムテーブルが書かれていた。

午前六時の起床から始まって詳細に一つ一つの行動が記載されていた。

たとえば何回か××さんが友達や彼女に打ったメールの内容まで。

そして手紙の最後は、

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午後十一時三十四分

〇〇山系●●岳において永眠

死因は後頭部打撲による脳挫傷

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と、結ばれていた。

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手紙からは数人の血液が検出されたのだが××さんのＤＮＡと一致するものはなかったそうだ。

同封された爪と髪の毛も同様であったという。