ちょっと昔の話。
ある日、僕の右の金玉が、ぴょこんと袋から、まろび出て来た。
そいつには目と耳と鼻と口があって、側面には小さなヒレまでついていた。
困ったことだと思ったが、仕方がないので、僕はそいつに食事を与えて育てることにした。
名前もつけた。元々が金玉なので、タマちゃんと呼ぶことにした。
それから二ヶ月が過ぎたころ、
「今日まで育ててくれて、ありがとう。でも、もうここでは暮らせません。お願いです。どこか川の中に放して下さい」
と、タマちゃんが言った。
当時、僕は東京で暮らしていた。近くには多摩川が流れていた。
僕はタマちゃんの願い通り、その多摩川にタマちゃんを放してあげることにした。
「さようなら! タマちゃん!」
別れは悲しかったけど、タマちゃんのためだから……。
嬉しいことにタマちゃんは、しばらくの間、多摩川に留まっていた。その間に髭も生え、タマちゃんの愛らしい姿はテレビにまで取り上げられるようになった。
でも、もうタマちゃんはいない……。
寂しい……。
ところが昨日の夜のこと、今度は左の金玉が袋から飛び出して来た!
僕は、そいつをポニョと名づけた。
ポニョは女の子で──
作者いも
よろしくお願いします。
読んで頂いたのに無反応だった場合は、僕の管理能力に問題があってのことです。返事を忘れていたりしたら済みません。