青薔薇古物店 「スマートフォン⑧」

中編3
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青薔薇古物店 「スマートフォン⑧」

shake

ヴーッ ヴーッ

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暗闇の中で、振動しながら光るスマホ。

(やっぱり…きた。)

ほっておくこともできずに、おそるおそる布団から這い出て、スマホへ手を伸ばす。

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深夜で周りが静かなせいか、心臓が耳元で大きくなっている様だ。

震える指先でロックを解除して、メール受信一覧を開くと、昨日までの開封済みのメール一覧の上に新しいメールが光っていた。

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「…。」

…もう、これ以上……

…見てはいけない気がする。

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まだ中身を見ていない今さっき届いたものも含めてメールを全件選択し、オプションを開く。

一覧の中から[ゴミ箱へ移動]を選択した。

そのままゴミ箱フォルダへ異動し、メニューを開き

僕は[フォルダ内のメールを完全削除する]を選択した。

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今日までに届いたメールは全部で17件。

全てを削除する為の処理が始まった。

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0%…6%…27%…

古いメールから削除が順次終わっていく。

僕は、根拠はないがとにかくこのメールを削除することで、メールを見なくて済むという安堵を得たかった。

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「…これで、とりあえずは…。

………

…………え?」

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メールの削除が94%で止まってしまった。

(…これは処理が遅れてるんだ。そ、そうだきっと、添付の画像が大きすぎて…。)

自分に言い聞かせ、94%という文字が100%になれと願いながら凝視する。

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そんな願い虚しく、いつまでも削除が完了しない。

「はやく…はやく…はやく…!」

早く削除しないと…!!

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削除しないと…

…なにがおきるんだ?

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shake

ドンッ

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突然の衝撃音が室内に響き渡った。

「ひい!!」

スマホを手から落とし、布団の方へ後ずさる。

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shake

ドンッ

shake

バンッ

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窓の外から、ガラスが割れてしまうのではないかと思うくらいの衝撃音が続く。

腰が抜けて、震える腕で上半身をかろうじて支えている僕は視線を窓からスマホに落とす。

窓際で光る画面を必死に覗き見る。

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[削除処理が中断されました。]

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「なっ!?なん…で」

画面はそのまま受信フォルダを映し出した。

そして、受信一覧が開かれる。

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おい…僕は操作してないぞ……。

なんで勝手に…

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shake

ドンッ

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窓から鳴る衝撃音は今もなお鳴りやまない。

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目がそらせない。身体が動かない。

スマホは、削除したはずのメールを開き、映し出した。

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【シリョウヲテンプシマシタ。

ゴカクニンノホドヨロシクオネガイシマス。】

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そして、画面は真っ暗になった。

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「…電源が…落ちた…?」

耳元で煩く高鳴る心臓の音を落ち着かせようと、呼吸を整える。

これ以上あのメールを見ずに済むことへの安堵を溜息によって吐き出そうとして

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…僕は気づいてしまった。

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…画面が落ちて真っ暗になったんじゃない。

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…[真っ黒な画面]を映し出しているんだ…

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その瞬間に、僕は初めてメールが届いた日からの走馬灯が流れた。

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shake

ドンッ

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窓の外から…?資料の添付…?

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shake

バン!!

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僕は外へと飛び出した。

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⑨へつづく。

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むぅ様今回もコメントありがとうございます!
作者はよく部下にLINEを既読無視されます(笑)
その度に見てもらえるだけマシだと言い聞かせてます…

mami様今回も読んでくださりありがとうございます!
そんな褒めてくださって…
作者幸せで昇華しそうです(笑)
頑張って続き書きます!逃げないよう見張ってください!

ラジオバラード様ありがとうございます!
文章効果が面白くて遊んでしまいました(笑)
そんな怖い作品作ったら作者自身が読めなくなります(笑)

月舟様今回もありがとうございます!
足りない知識とレベルの低い文章力で必死にいろいろ隠してます(笑)
どこかでボロが出ないか心配です。

わかりますソレ…
とくに大きな工場が稼働しているのを見ると、
あーあの中にも世の経済の為に夜な夜な働く社ちk…じゃなかった
戦士達がいるんだなーと(笑)
転職いいですねー。でも役職が不本意にもついちゃったので
なかなかぬけれません(笑)

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