中編4
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胎動

某月、某日。

ある山奥の廃村にて、人知れず異変が起こる。

周りには民家等が一切無かった為、発見は大幅に遅れる事になったが、その規模は凄まじく、後に国の調査機関が入る事となる。

その異変とは…。

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「私はこの仕事を何十年と続けて来ましたが、この様な事例に出会った事はありません。」

国から依頼を受けた地盤調査員が語る。

「いや、確かに今回と同じ様な事例は今までにもありました。

ですが…これ程の規模に出くわした事は…。」

彼は一点を見つめながらそう語った。

少し肌寒い季節だと言うのに、その額からは大量の汗が流れ落ちている。

今、彼が立っている場所。

そこはかつて二百人程の村人が生活をしていた場所。

二十年程前に廃村となり、今では誰も棲んでいない。

今回、彼はその廃村へ調査に訪れていたのだが…。

彼の目の前には、ただ大きな穴がぽっかりと口を開けているだけであった。

地盤沈下。

恐らく専門家なら口を揃えてそう言うだろう。

現に彼もそうとしか考えられなかった。

ただ…。

余りにも規模が大きすぎる。

それに、かつて村であった部分以外には、何の異変も起こってはいない。

そして最も不可解なのが、その深さであった。

数メ―トル程の沈下なら、幾らでも起こり得る理由は考えられる。

だが、目の前の穴の深さは、五十メ―トルは越えているだろう。

これをただの地盤沈下として片付けるには、彼には十分な説明が思い浮かばなかった。

「私もどちらかと言えば科学者の端くれ。

根拠の無い事には理解は示せません。

ですが…これは我々、人間の力及ばぬ部分での出来事の様な気がします…。

も、勿論それすら根拠の無い話し。

ですが…この一件はとても私の手に負える物ではありません…。」

調査員はそう言うと、逃げる様に廃村を後にした。

最初の調査員が調査を放棄した後、次々に新しい調査員が派遣されたが、皆同じ様に調査を放棄し、逃げる様に去って行く。

業を煮やした国は、それならば。と、方々手を尽くし名のある霊能力者を雇い現地へ向かわせた。

その数、五名。

どれも名だたる者ばかり。

現職の住職から果ては拝み屋まで、その世界で名を馳せている強者達が集められた。

彼らは廃村へ辿り着くと、思い思いのやり方で穴を調べ始めた。

「大きな蛇が見えます。

この土地の神様で非常に怒っています。」

「私には龍神様が見えます。

警告だと言っています。」

その後も、狐や天狗とそれぞれに原因を語る霊能力者達。

だが、どれも信憑性に欠ける物ばかりであった。

そんな中、五名の中で唯一の女性霊能力者だけは少し他とは違っていた。

「不謹慎かも知れませんが、私は今、安堵の気持ちでいっぱいです。」

彼女はそう切り出した。

「今回の件は地盤沈下などではありませんよ。

これは間違いなく、今から起こる事の序章。

はっきりとは分かりませんが、何かが目を覚まそうとしています。

しかし、それは今すぐの事ではありません。

そう遠くはありませんが、まだ先の話し。

少なくとも私達が生きている間は、次の動きはありません。

私が生きている間に、この何者かと対峙する事は無い…。

だから私は安堵しているのです。」

女性のこの言葉に周りの霊能力者達が食って掛かる。

「何を偉そうに!

何かが目を覚ます?

馬鹿も休み休み言え!

これは御狐様の祟りだ!」

「そうだ!

何が目を覚ますって言うんだ?

言ってみろ!」

口々に彼女を野次る霊能力者達。

「分かりません…。

ですが…その何者かが目を覚ました時、恐らくこの辺り一帯が…いえ、この国その物が無事で居られるとは到底思えません。」

「ふん!

そんな悪霊がここにいると言うのか?

私はそんなモノ少しも感じはせんぞ?

いい加減な事を言うな!」

「私も何も感じない!

本当にそんなモノが居るのならば私が今すぐに封印してくれるわ!」

「悪霊…ですか…。

悪霊であれば、私達にも十分に対応出来たでしょうね…。」

「なんだ?!

悪霊では無いと言うのか?!

貴様!いい加減にしろ!

先程も行った通り、私達は何も感じはせん!

戯れ言も程々にしろ!!」

尚も女性を野次る霊能力者達。

「そうですか…。

あなた達は何も感じませんか…。

私はあなた達が羨ましい。

この場に居て平気で居られるあなた達が。

それに…封印するですって?

私には冗談でも口には出来ません。

本当にあなた達が羨ましい。」

彼女はそう言うと、私の役目は終わりました。とその場を去って行った。

残された霊能力者達も結局結論を出せず、遂に国はただの地盤沈下として、この件を片付けてしまう。

だが、女性霊能力者の言った通り、その後その土地や周辺に目立った異変は見られなかった。

しかし…ソレは確実に動き出していた…。

そして、そこから更に百五十年の時が流れた頃。

遂に惨劇の幕が切って落とされた…。

Concrete
コメント怖い
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はと様。

ありがとうございます!
お察しの通り、長くなりそうです…(^^;
皆さんがどうされてるかは分かりませんが、私はその都度、頭で考えながらの即興ストーリーですのでどうしても無駄に長くなってしまいます…(T-T)

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月舟様。

ヤバいとは?…Σ(゜Д゜)
まさか私の脳の話しですか?!
何と!!

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珍味様。

こ、細かい事は気にしたらあ、あきませんよ?
絶対にあかん!

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智花様。

極力、早い目に完結出来る様に頑張ります!(笑)

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ふたば様。

ちょっ、ちょっと!?Σ(゜Д゜)
そんなに真剣に捉えないで下さいよ!?
「今日、晩御飯何にする?」
「暑すぎて食欲無いし、そうめんでええんちゃう?」
位の軽いノリでお願いします!(笑)

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セレ―ノ様。

毎度、毎度この様な話しで申し訳ございませんm(__)m

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