《再》人喰いの地(期間限定)

長編24
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《再》人喰いの地(期間限定)

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あの日は……

………

…………

そうだった……

……………

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低予算企画物のDVD、怪奇体験シリーズの撮影に、ネットで見付けたと言う、この山奥の廃墟にクルーと共に来たのだった。

クルーと言っても、素人に毛の生えた程度のカメラマンと、当日だけのバイトの音声、照明と雑務を兼ねたADの小林。

そして、ディレクターの浦賀。

唯一の花はと言うと、怪奇体験シリーズ初出演になるグラドルの愛菜ちゃん。

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まぁ、グラドルと言ってもピンキリで、正直、この子の顔を見たのは初めてで、売れっ子でない事は一目で分かった。

顔立ちは悪くないが…

暗い…

とにかくこの子は暗いのだ。

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ロケバスの中で話しかけても殆ど口を開く事もなく、ADの小林がお菓子を渡しても、小さな声で

『ありがとぅ…』と呟くだけだ。

まぁ、性格の良し悪し、明るいか暗いかなど関係なく、カメラを回して絵になりさえすれば文句はないのだが。

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日が暮れてからの撮影を狙い、都心を出発した。

小林の話では、もうすぐ現地に到着するとの事。

タイミングもピッタリだ。

編集でカットする部分を入れると、今回の撮影は3〜4時間と言うところだろうか?

それからこのロケバスで帰ると、到着は深夜、遅ければ朝方になるなぁ…

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浦賀はこの後会う愛人の仁美にメールを打った。

だが…

メールが送れない。

よくよく見ると、電波が入っていないのだ。

今時、電波の入らない地域などあるのか!?

文句を言ってもダメな物はダメなのだから仕方ない。

浦賀はジャケットの胸ポケットにスマホをしまった。

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『浦賀さぁ〜ん!車はここまでですねぇ。』

ナビはこの場所で案内を終えていた。

『んじゃ、こっから先は歩きか?』浦賀は小林に聞く。

『そうっす。下見に来た時はこっから歩いて現地に行きましたから。』

小林は、今回の撮影が決まった後、場所の確認の為に一人で下見に来ていた。

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『そうか。じゃ、行くか!!』

バンの一番後ろに仰向けに寝ていた浦賀は伸びをしながら、前のシートに座っているカメラマンと音声に早く降りる様にと顎で合図をする。

愛菜もそれに続き車から降りると、やっと浦賀も降りてきた。

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小林は、人など来るとは思えない山道の、それでも左側ギリギリに車を停めると、運転席から降り、機材も車から降ろした。

『日が落ちる前に現地に行かなくちゃ!』

小林は、それぞれが重たい機材を背負い、慣れない道なき道を歩いていると言うのに、浦賀達を急かす様に森の中をセカセカと進んで行く。

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15分ほど歩くと日は暮れ、森は闇に包まれた。

『おい!未だなのか?』

浦賀は苛立った声で小林に聞いた。

懐中電灯の明かりだけで、小林の姿はよく見えない。

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『到着です!』

その時、暗い森から開けた場所に出た。

そして目の前には、見事な廃墟が…

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何とも言えない不気味な夜空に、ポッカリと月が浮かぶ。

カメラマンがその空と月をバックに廃墟を撮ろうと、良いアングルの場所へ移動した時

『危ない!!!』

小林が急に大きな声を出すから、一同ビクッと動きを止める。

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『すんません!確か、カメラマンさんの行く方に沼が有ったんすよ。

こんな廃墟に沼なんて、気持ち悪いなぁ〜って、俺、この前来た時も嫌な感じがしたんすよね。

もしかしたら、ここら辺り一面、沼を埋め立ててるんじゃないすかね?』

小林の言葉に浦賀も納得する。

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森を抜ける頃から、足元のぬかるみに気付いていた。

前日に雨でも降ったのかと思ったが、それにしてもこの辺り一面、生臭さと鉄錆の臭いに包まれている。

廃墟の鉄筋が腐食して錆びた臭いがしているのだろう…。

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照明をセットし灯りを点け、カメラを回し、愛菜ちゃんにマイクを持たせると、早速撮影を開始した。

『え〜と…。私は今、この某廃墟に来ています!

かなり広大な土地の様ですが…何かの工場?それとも施設…だったんでしょうか?

暗闇にどっしりと構えた佇まいは、恐怖と言うより荘厳さを感じます(>_<)!』

先程までの暗さを微塵に感じさせない明るく軽快な口調で愛菜は話し出す。

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やる時にはやれるタイプの子なんだな!

浦賀は思いがけない発掘にADの小林にVサインを送るが、小林は色々な角度から愛菜を照明で照らしている最中なので気付いていない。

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『それでは!これから愛菜が廃墟探検、行って来まぁ〜す!』

愛菜はマイクを持つ手の反対の手を高く上げ、Go!Go!と言いながら、廃墟に入って行き、カメラマンがその後に続く。

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小林がその足で愛菜達と共に中に入ろうとするのを浦賀が捕まえて

『中は視察したんだよな?』と聞くと、『すんません!俺一人じゃ怖くて…中は入ってません!』小林は丁寧に頭を下げる。

『バカ野郎!一応はグラビアアイドルなんだぞ?

怪我でもして賠償問題が起きたら、お前の給料差し止めて払う事になんぞ!』浦賀は小林の頭を叩く。

『それだけは勘弁して下さいよぉ〜』小林は情けない顔をし、先に廃墟に入った浦賀を追い掛けた。

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錆びた鉄製のドアの内部は、だだっ広いスペースになっている様だ。

所々朽ちた穴の空いた天井からは、オブラートに包んだ様にぼんやりとした月の明かりが辺りを照らしている。

床に散らばる赤茶色に腐食した鉄板や鉄筋、崩れ落ちたコンクリートを月明かりが照らし、より一層不気味さを増幅させている。

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愛菜はと言うと、恐怖の為か、言葉少なにマイクを握り締めている。

『愛菜ちゃん、歩こうか。』

浦賀の言葉で思い出した様に頷き、建物内部の、明かりの届く範囲内の説明を始める。

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『天井を見て下さい!

あちこちに穴が開いてますねぇ…。

その天井からの落下物でしょうか?この辺りにも落ちてます!

え〜と…

床には錆びた鉄の棒や、どこのなんでしょう?

ボロボロになった木のドアも落ちています。

窓と言う窓には、すでにガラスもないみたいです。

それでは、もっと奥に行ってみましょう!』

意外と冷静に状況説明をしながら進行している。

思ったよりも頭は悪くない子なのかもしれない。

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カメラマンは建物に入る時に交換した、暗闇でも撮影が出来る赤外線暗視カメラで、愛菜の説明する場所に向けてカメラを回す。

愛菜は片手にマイク、片手に懐中電灯を持ち、足元を照らし、建物の奥を照らしと交互に照らしつつ奥へと進んで行く。

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音声はICレコーダーを片手に持ち、ヘッドフォンを耳に付け、音を拾いつつ愛菜とカメラマンの後を追う。

その2、3歩後ろを浦賀、そして最後尾には小林が続く。

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障害物を避け暫く進むと、突き当たりが壁で、左右に鉄製の扉が懐中電灯の明かりに照らされる。

愛菜は一瞬、(どっちに行く?)と、声に出さずに後ろの浦賀の方へ顔を向けて聞く素振りをする。

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『どっちに行った方が良い絵が撮れるかな?』

浦賀が呟くように言うと

『そりゃ、どっちもでしょ!』

小林は呑気に言うが、仁美にメールもLINEも送れなくて連絡をしていない浦賀は、きっと今頃仁美がプンプン苛立っていると思うと早く撮影を切り上げたかった。

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『愛菜ちゃんの行きたい方を選んで!』浦賀が言うと

『分かりました…。』ロケバスの中の愛菜に戻り、暗い声で返事をする。

『それでは、これから右のドアに進みます!

何も出て来ないでぇ〜!』

又々営業用の声に戻り、愛菜は身震いをする様な仕草をした後、右側の鉄製の扉に向かった。

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だが…

扉には錆びた南京錠がかかり、中には入れそうもなく

『駄目でした!それじゃあ、左の方へ行ってみます!』

愛菜は次に左側の扉へ向かい、ドアノブを回した。

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―――――

ギリリ……

―――――

嫌な音を立てドアノブが回り、愛菜は自分の身体で押さえる様に重たい扉を開けた。

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扉の先は、奥が回廊にでもなっているのか?

月の明かりが差し込んで明るく照らしている。

その手前は暗く、鉄製の扉が通路を挟んで両側に規則正しく並んでいる。

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『怖いけど…手前の部屋から探索してみます!』

愛菜は入り口に近い左側の扉を押し開けた。

さすがに中は真っ暗で、懐中電灯の明かりだけでは頼りない。

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最後に小林が回廊へと続く通路に入った後、入って来た鉄製の扉が

――――――――

ギイイイイイイイ………

バタン!!!!!

――――――――

派手な音を立て閉じた。

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慌てて小林が扉を開けようとするが…

『浦賀さんッ!大変っす!!

向こう側にはドアノブが付いてたのに、こっち側にはドアノブがないっす!!』

小林が焦ってドアノブの有る辺りを懐中電灯で照らし、手探りで探すが見付からない様だ。

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『そんな馬鹿な事あるかッ!』

小林と並び、浦賀も自分の持つ懐中電灯で扉全体を照らすが、ドアノブは見付からない。

そして、小林と2人並び、肩を押し付け扉を押すが、それでもビクともしない。

『参ったなぁ…。

まぁ、先に進めば出口は有るだろう!』

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不安そうに見詰める愛菜の肩をポンと叩き、浦賀はカメラマンにカメラを回す様に指示をする。

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気を取り直し、愛菜は先程の続き、一番手前の扉を開けた。

『ホントに真っ暗ですねぇ!

この部屋には窓がない様ですので、愛菜がこの懐中電灯で部屋をご案内します!』

そう言うと、懐中電灯で部屋の壁を右から左へと照らし、そして床へと変えて照らした…。

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『ヒッ!!』

愛菜が息を飲む声で、浦賀と小林は部屋の中を覗き込む。

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懐中電灯が照らすその場所には、何故かマネキンの首だけが何体分も転がっている。

『無理です…

もうこの部屋から出ても良いですか?』

愛菜は浦賀に言うが

『駄目だよ!

こんな面白い絵が撮れるんだから!あのマネキンの首を一つ持って愛菜ちゃんの怯えた顔を撮ろう!』

浦賀は怪奇体験シリーズらしい絵を撮りたかった。

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愛菜は憮然とした態度でマネキンの前にしゃがむと、手前のマネキンの首を取り、マネキンの顔と見詰め合う様に

『うわぁ〜…

まるで昔の晒し首みたいです!

誰が何の為に、マネキンの首だけをこんな…』

愛菜が言い終わる前に

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コトン………

………

………

誰も居ない筈の部屋の奥から何かが転がる様な音がした。

全員が音のする方を見るが何が音を立てたのか分からずにいる。

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そんな中、愛菜だけがマネキンの首を持ったまま、ブルブルと震えていた。

『愛菜ちゃん?大丈夫?続けられる?』

小林が愛菜の横へと行き、震える愛菜の様子を見る。

………

暗くてよく見えないが、愛菜は一点を見詰めている。

………

小林も、愛菜の視線を辿り、その先を見詰めた。

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『ギャァー!!!』

小林は突然悲鳴を上げ、後ろにひっくり返る様に倒れ込む。

カメラマンは無言のまま、愛菜と小林が見詰める場所を撮り続けている。

音声はまるで固まった様に、身動き一つせず、ICレコーダーで音を拾い続けている。

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浦賀だけが何が起こっているのか、皆は何を見ているのか分かっていなかった。

『オイオイ…

皆、どうしちゃったんだよ?

オーイ!?

何も居ないじゃないか!』

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『うっ…うら…浦賀さんッ!

見えないっすか!?

あそこ…あの奥に、人の頭が生えてますって!』

小林はマネキンの首が転がった奥の方を指差す。

何を騒いでいるのかと、浦賀は眼鏡を持ち上げ、小林の指差す方を見詰めた。

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『うおッッッッッ!!!』

すると、浦賀は後ろに仰け反り、変な声を上げる。

そこには、マネキンに紛れて人の頭が、小林の言う通り、まさしく床から『生えて』いた。

何かを訴える様に…

それとも自分の住まいに無断で入り込んだ浦賀達に文句を言っているのか…

その首は、ブツブツと何かを呟きながらこちらを睨んでいる。

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『出るぞ!』

浦賀の声に、一斉に踵を返し、全員が部屋の外へ飛び出した。

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扉を閉めると、愛菜と小林は、ヘナヘナと扉を背もたれ代わりに座り込んでしまった。

今まで何作も撮って来た”怪奇体験シリーズ”だが、本物を撮ったのは今日が初めてで、浦賀は恐怖よりも喜びを感じていた。

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『浦賀さん…

此処は、本当に良くないです。

帰りたいです…。』

愛菜は本気で怖がっている様で、真っ直ぐに浦賀の目を見て訴える様に言う。

『浦賀さん…ホント、これマジですよ!止めましょうよ〜』小林まで涙声で浦賀の腕を掴む。

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確かに、こんな霊現象は初めてで、怪奇体験シリーズなんて制作しては居ても、正直、浦賀自身は幽霊だのお化けだのは信じていなかった。

現実主義者な上に、全てに於いて合理的な浦賀だから、今まで心霊物のディレクターなんて出来たのかもしれない。

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所謂、三流の、大して売れていないDVDだが、こんな霊現象を撮影したとなれば、少しは売り上げも伸びるかもしれない。

ヤラセではなく、現実に起こった事なのだから。

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『イヤイヤ。

駄目だよ愛菜ちゃん!撮影はこれからだよ?

ちゃんと事務所を通して契約してるでしょ?

途中で投げ出せば…違約金も発生しちゃうんだよ?』

浦賀は嫌がる愛菜に脅す様な言い方をし、腕にしがみ付く小林に

『お前…しっかり仕事しろよ!?

これが終わったら、飲みに連れてってやるから!!

さっさと終わらせちまうぞ!』と。

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愛菜も小林も暫く無言だったが、意を決した様に先に口を開いたのは愛菜の方だった。

『分かりました。

仕事ですから…やる事やって終わらせちゃいます。』

キリリとした目をして答える。

小林はと言うと、ウジウジとしていたが、それでも仕方なく撮影続行に承諾した。

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学生に毛の生えた若いカメラマンは、学生時代に何回か肝試しでこんな廃墟や曰く付きの土地に面白半分で出掛け、こんな霊現象には慣れていたと言えば慣れていた。

音声はフリーでやる以上、仕事なんて選んでいる余裕はなく、他社のだが、この様な撮影現場に出向く事も多かった。

それに、仕事だと思えば恐怖も恐怖に感じないものだ。

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愛菜は大きく深呼吸をすると

『行きます!!』とカメラマンに頷くと、マイクを握り締め直した。

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『皆さん!見ましたか?

首が…何かを語りかけていました。

怖くて部屋を出ちゃいましたが!テヘ!』

可愛く舌を出して見せ

『次は、この部屋に入ってみます!』

愛菜は右側の扉を開ける。

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中は左側の部屋と同じく窓もない様で、真っ暗闇。

その中を愛菜は恐る恐る入って行き、その後を全員が続く。

先程は壁から照らした懐中電灯を、今度は足元から徐々に明るく照らす。

床には大小のコンクリートの破片があちこちに落ちているが、今度は何もない様だ。

長年積もった塵が、懐中電灯の明かりの中、キラキラ輝いて見える。

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次は壁を右から左にかけて、ゆっくり照らす。

カメラマンはその明かりを映し続けている。

『この部屋は何もない様ですね!』

ホッとした様に愛菜が言うと、先ほどから浦賀のジャケットの裾を掴んでいた小林が…

『あ…

あれ…

あれ…………

何すか!?』と、暗い天井を指差す。

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愛菜が天井を照らすとそこには…

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異常に高い天井から、数え切れない程のロープがぶら下がっていた。

ロープの先は全て輪になっている。

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最初に悲鳴を上げたのは小林で、浦賀を突き飛ばし部屋の外に転がり出た。

突き飛ばされた浦賀は、前のめりに倒れそうになったが、ギリギリの所で踏ん張り、小林を怒鳴った。

『バ…バカ野郎!!』と…

そして、『次の部屋に行くぞ!』と愛菜達に声をかけ、部屋を出た。

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通路に出て、それぞれが溜息を吐く。

何故、あんなに天井が高いのか?

イヤイヤ…

それよりも、何の為にあんなに沢山のロープが……

まるで首吊りの部屋の様だと……

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浦賀は自分の頭を振り、気を持ち直すと

『よーし!良い絵が撮れたな!次行くぞ!』ともう一つの奥の部屋に入る様に指を差すと

愛菜が

『足りない…

一人、足りないです…。』

それぞれが懐中電灯でそれぞれの顔を照らす。

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愛菜はいる。

浦賀もいる。

小心者の小林も此処に…

カメラマンはこの状況の中、カメラを回し続けている。

音声はヘッドフォンを着けて…

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!!!!!!!

音声がいない!!!

まさか、あの部屋に取り残されたのか?

浦賀も愛菜もカメラマンも、すぐ様扉を開けた。

だか、そこに音声の姿はない。

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その時

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『キャーーーーッ!!』

愛菜が悲鳴を上げる。

浦賀、小林が懐中電灯で天井を照らすと…

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そこには、天井から垂れたロープの一つに、ヘッドフォンを耳に当てたままの音声が、ぶら下がっていた。

尋常じゃない程伸びた首のその姿は、まるで昔話に出て来るろくろ首の様だった。

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浦賀達は音声を下ろそうと、台を探すが、あの高さに登れる様な足場も台もない。

梯子でも有るのか?

それぞれが隈なく部屋の中を探すが、高い天井から釣り下がったロープまで届く様な足場になる物は何一つ見付から無かった。

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浦賀は胸ポケットからスマホを出すが、やはり圏外のままで通話も出来ない。

小林も愛菜もカメラマンも、それぞれ自分のスマホを出すが、全員が圏外だった。

『兎に角、救急車と警察に連絡しなくては…』

人命に関わる事だ…

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浦賀は意を決して撮影中止を決断した。

『出口を探して此処を出るぞ!

一刻も早く音声を下ろしてやらなきゃ…』

そう言うと、残りのクルー達は頷き、浦賀と共に回廊へと走った。

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回廊を挟んだ両側は中庭になっていたのか?

かなりの広さの中庭だが、今は丈の長い雑草がひしめき合う様に茂っている。

雑草の隙間からチラリとカラフルな色をしたベンチらしき物や、中央には噴水、西洋の彫刻の様なオブジェが、月明かりを浴び、静かに佇んでいる。

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学校の渡り廊下の様な回廊を渡り切ると、又しても広い空間が浮かんでいる。

そこは、最初から無かったのか…

天井がなく、夜空をそのまま見上げられる。

劇場のホール程の広さが有った。

月明かりだけでも十分だったが、懐中電灯も使い、出口を探すと、先に3つの扉が見えた。

恐らく、どれかが外へと繋がる扉なのだろう…

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本来なら手分けして出口を探せば効率的なのだが、この、言葉で言い表せられない異様な雰囲気の廃墟での単独行動は命取りになると…

その場にいた全員が感じていた。

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恐らく、目の前の扉、左右の一番端の扉…

そのどれかが出口に繋がる扉ではないか?

『向かって左の扉から行くぞ!』浦賀の声に全員が左側の扉へと急ぐ。

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これ又重い扉を浦賀は身体を使い開け、今度は閉まらない様にと小林に開けたままでいる様に指示を出す。

小林は、自分が置いて行かれるのではないかと、今にも泣きそうな顔をしながらも、渋々と指示に従う。

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扉の先は小さな小部屋になっていた。

浦賀、愛菜、カメラマン、それぞれが懐中電灯で中を照らし、他に扉が無いかと…

少し奥まった部屋の隅を照らした時…

上の方に付いた窓から漏れる明かりの下…

何かが立っていた!!!!!

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それは女で……

月明かりに照らされ、白い服を着た髪の長い女は、笑いながら浦賀達に向かって片手を突き出し手招きをする。

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逃げようと思うのだが、足が床に固定された様に動かす事が出来ない。

そればかりか、身体の中に硬い鋼鉄の針金を仕込まれた様に、否応無しに背筋がピンと伸ばされ、一指も動かせなくなった。

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浦賀だけではなく、愛菜もカメラマンも、恐らくは小林も…

誰一人動く気配がない。

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女は、低く、唸る様な含み笑いをし、手招きをしたまま、一番前にいる浦賀に音も立てずに近付いて来る。

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その時…

『浦賀さぁ〜ん!

未だですかぁ〜?』

扉を押さえていた小林が業を煮やした様に浦賀に話し掛けて来た。

その瞬間、浦賀達の身体は元の自由を取り戻し、小林の待つ扉へと駆け出す。

そしてホールへ戻ると

『小林!!

早く閉めろ!!』と…

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小林は女の姿を見て居なかったとみえ

『どうしたんすか!?

何が有ったんすか!?』真顔で何度も聞くが、今度は小林の手柄。

『お前のお陰で助かったよ。有難う!』

浦賀は小林の肩をポンポンと叩いた。

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何が有ったか分からなかったが、褒められる事など滅多にない小林は、先ほどまでの泣きそうな顔から一転、笑顔になり、『へへっ!』と、嬉しそうに笑う。

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『じゃあ〜次はどの扉に行きます?』

すっかり機嫌の良くなった小林は、ホールでへたり込む浦賀達3人を横目に、先ほどと打って変わりやたらと積極的に出口探しを始めようと張り切り出す。

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いつまでも浦賀のジャケットの裾を掴んだまま歩かれるよりはマシだと、浦賀は

『それじゃ、次は、隣の扉…ホールの真ん中の扉を行こう!』

そう言うと立ち上がり、お尻の辺りをパンパンと手で払った。

『了解っす!』

単純な小林は、今度は先頭を切って力一杯、扉を開けた。

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『エッ!?!?!?』

小林は一声上げると、開け放った扉をそのまま又閉じた。

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『今度は何だよ…』

浦賀は呟く様に独りごちる。

これだけ色々な現象を目の当たりにすれば、少しは度胸も付いて来てしまう。

それは浦賀だけではなく、愛菜やカメラマンも同じ様だ。

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その証拠に、扉を閉め、その扉の前で頭を抱えて蹲る小林を避け、今まで何一つ積極的に動かなかったカメラマンが、カメラを肩から下ろし、確認するかの様に扉の前に立っていた。

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―――――

………………

ブワ〜……

…………………

―――――

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扉の中央が膨らんだかの様に見えた次の瞬間、それは大きな人の顔の形になり、大きな口を開け…

ドアノブを掴んだカメラマンの頭を

………

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―――――――

ガリッッッッッ!!!

―――――――

食い千切ったと思うと

フゥ………

と、扉の中に消えて行った。

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頭がが無くなったカメラマンは、首から噴水の様に血を噴き出し、全身を激しく痙攣させながら床に倒れ落ちた。

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浦賀、愛菜は突然の出来事に、口を開けたまま声すら発する事が出来ずに、身体をピクピクと震わせるカメラマンを見詰めていた。

ふと見ると、小林は扉の下に蹲り、シャワーの様にカメラマンの血を浴び、その髪の先からはポタポタと血を滴らせている。

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『お…おい…

小林?

大丈夫か…?』

浦賀が小林に声をかけるが蹲った姿勢のままで返事すらしない。

『小林さん…

大丈夫…ですか…?』

愛菜も小林に声をかけたが、顏を上げようともしない。

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『小林?

おい…小林?大丈夫か?』

浦賀は自分自身に問いかける様に声をかけつつ、蹲る小林の元へ行き、血に濡れたその肩を揺すると…

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『アーハッハッハ!!』

小林はいきなり立ち上がると狂った様に笑い声を上げ、浦賀の手を振り解き、元来た回廊へと物凄い速さで走って行ってしまった。

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『小林ー!!!』

『小林さんッ!!!』

浦賀と愛菜は走り去る小林の後を追いかけた。

回廊を走り抜け、突き当たりは最初に入った扉だ。

そこまでしか行ける筈がないのだ。

その扉は、外からしか開かないのだから………

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だが、そこには誰もいなかった。

回廊から扉に向かって右の部屋は、マネキンの首に紛れて人の首が有った部屋だ…

左の部屋は………

音声が未だ、高い天井から吊るされている……………

そんな恐ろしい部屋など入る訳がないだろう…

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―――――――

ガタンッ!!!

―――――――

左側の…回廊に近い、音声のいる部屋の手前の部屋から音がした。

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浦賀と愛菜は互いに顔を見合わせ、その扉を懐中電灯で照らした。

扉が10cm程開いている。

浦賀は用心深く、懐中電灯で照らしながら…一歩一歩、扉に近付いて行く。

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『浦賀さん!!駄目です!!

その先には……』

背後からの愛菜の叫びで、大人気なくビクンッ!!!と、驚いた浦賀は、その場で足を止めると懐中電灯で扉の全体をゆっくり照らした。

そして、その隙間を照らすと……

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暗闇から、青白い顔が片目だけを覗かせてこちらを見ていた。

『ッッッ!!!』

声を詰まらせ、その目と見詰め合った。

………

暫く無言で見つめ合っていたが、唐突にその顔はフッ…………と消え、そして静かに扉が閉まった。

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『う…

もう…イヤ……』

愛菜は初めて声を押し殺し泣いた。

今までは必死で堪えていたのだろう。

浦賀も泣きたくなった。

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この現象は、夢だとしても恐ろし過ぎた。

何が起こっているのか?

浦賀も愛菜も、全く理解出来ずにいる。

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2人は月明りの有る回廊まで戻り、そこに立ったまま少し休んだ。

浦賀は煙草を出すと咥え、火を点けた。

愛菜は背負ったリュックの中から出した飲みかけのペットボトルの麦茶を飲む。

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落ち着いてみると…

………………

森を抜ける頃から漂っていた臭いは、この廃墟の中の方がキツい。

何かが腐った様な腐敗臭と、魚の様な生臭さ、そして…

鉄錆……と言うか、これは…

血の臭いだ………。

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そして、音がないのだ。

これだけの山の中なのに、虫の声すら聞こえて来ない。

風が微かに木々を揺らす音と、愛菜と浦賀の息遣いの音だけなのだ。

………

廃墟に付き物の、壁の落書きすら、そう言えば…見ていない。

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何かがおかしい…

此処は………

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『明るくなるまで待って、それから出口を探しますか?』

愛菜が聞き、浦賀は腕時計を眺めた。

『そうだなぁ…未だ夜の8時だ…

明るくなるまで、9時間くらいか…

何事も無ければ、朝になるまで待とう。』

愛菜は黙って頷く。

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『浦賀さん…私……』

いつの間にか座り込み、体育座りをしている愛菜が重い口を開く。

『私、霊感と言うのか…見えはしないんですけど、感じるタイプみたいなんです…。

このお仕事が決まってからそうなんですが…

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私に”行くな!”って言うみたいに、後ろからずっと髪を引っ張られてました……。

それが……この廃墟の中に入って来てからは、それが無くなったんです…。

その代わり…………

聞こえませんか?

この建物の中の人の声が?

沢山の人が悲鳴を上げ、泣き叫んでいる…。

……………

多分、此処は人を喰らう場所なんです。

人は…

命のあるモノは、此処へ入ってはいけない……

そんな場所なんです。』

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回廊の、丁度真ん中辺り。

浦賀は何本目かの煙草に火を点ける。

愛菜の言葉に返す言葉も見付からない。

浦賀自身、此処は…人間の想像の領域を超えた場所だと言うのを、肌身で感じている…。

……

返す言葉もないまま、浦賀はゆっくり煙を吐き出した。

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愛菜はと言うと回廊の壁に寄りかかり、体育座りをしながら俯いている。

口に出したところで今更どうにもならない事は分かっていたが…

……

兎に角、早く朝になり、この場所から出たい!

今の愛菜の願いはそれだけだった。

そして時間が早く過ぎる事を祈っていた。

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浦賀は何度も腕の時計を確認する。

忙しい時や楽しい時にはアッと言う間に過ぎる時間も、こんな状況ではとても遅く、さっき時計を見てから未だ3分しか経っていない。

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『やっと9時を回った…』

呟く様に言うと、愛菜は一瞬顔を上げ浦賀を見たが、すぐに揃えた両足のうえにおデコを乗せ、動かなくなる。

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口を開けば恐ろしい出来事が、より一層の現実味を帯びる。

その恐怖に、今の浦賀も愛菜も堪えられそうになかった。

亡くなった音声、カメラマン。

そして、消えた小林………

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次は浦賀か愛菜のどちらかなのか…

思考が止まった頭でボンヤリ考えていた………

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―――――

ヒタ…ヒタ

ヒタ……

ヒタヒタヒタ………

ヒタヒタヒタヒタ…………

―――――

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敏感になった耳の奥で、浦賀は何かの音を拾った。

愛菜も同様に同じ音を聞き付け、急いで立ち上がると浦賀と互いに頷く。

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音は…

回廊の突き当たり。

小林の消えた方から、徐々に近付いて来る。

姿は未だ見えない。

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その時

―――――

ドタタタ…

―――――

それは、走り出した。

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wallpaper:3884

浦賀も愛菜も、ホールへ向かい走った。

後ろを振り向く余裕などない。

足音は、時速にしたら何十km有るのだろう

恐ろしい程速い。

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2人は、ホールの奥のカメラマンの遺体を避けて、浦賀は左に、愛菜は右に別れてしまった。

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それは…

現れた時と同じく

―――――

ヒタ…

ヒタ……

―――――

と、歩く速度に変わり、やがて回廊からその姿を見せた。

……

夜の闇の中、月明かりでその姿が浮かび上がる。

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wallpaper:3887

一つの胴体に2つの頭…

足らしき物はなく……

胴体から生えた2本の腕は…

足の代わりに床を踏み歩いている……

とうとう、こんな化物まで出現したか……

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―――――

ヒタ……

…ヒタ………

………ヒタ………

―――――

それは、ゆっくりと歩きながらホールの中央まで来ると…

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その、足の様な腕を持ち上げると愛菜に向かい、指を差す…

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sound:39

『イヤァーーッ!!!

浦賀さーーーーん!!!』

愛菜は泣き叫び、浦賀に向かって走り出す。

『愛菜ちゃん!早くこっちへ………』

浦賀は愛菜へ向かい腕を伸ばした…

が………

………

遅かった………

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愛菜の身体は…

足の様に大きなソレの手に掴まれた。

ソレは愛菜の一番細いウエスト辺りを掴むと、愛菜の身体を高く上げ、そして床に叩きつけた。

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グシャ…

ドシャ…

愛菜の身体が床に叩き付けられる度に鈍い破壊音が静かなホールに響く。

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『ワァーーーッッッッッ!!!』

浦賀はソレに向かって走り出し、体当りを喰らわそうと頭を低くし、学生時代にならしたラグビーよろしく、タックルの姿勢で突っ込んで行った。

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その時

『ウッ…………』

と、愛菜は一言洩らす。

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ソレは…

浦賀が体当りを喰らわす直前…オモチャに飽きた子供の様に、愛菜の身体を高く高く放り投げると、回廊の奥へ、来た時と同じ速さで走り去った。

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wallpaper:3884

愛菜は空から降って来ると…

―――――

ドシャ……

―――――

鈍い音を立て、床の上に転がった。

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wallpaper:3888

『愛菜ーーッ!!!』

浦賀がいくら呼んだ所で、愛菜はピクリとも動かない。

……

動く筈が無いのは一目見れば分かる……

…………

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震える身体で愛菜の遺体に近付く…

すると、浦賀の靴先に何かが当たり転がる。

ふいとそれを目で追う。

月明りに照らされたそれを見た浦賀は、息を飲んだ。

………………

それは………

愛菜の失った、片方の眼球だった……

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掴まれていた愛菜の胴体は考えられないほど細く潰され

……………

頭は割れ、そこからは脳髄が流れ出している……

綺麗な顔立ちは見る影も無く

おデコが凹み

鼻は潰れ

目は一つしか無くなっていた…

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wallpaper:3884

浦賀はフラフラと酔っ払いの千鳥足の様に歩くと、カメラマンを喰った扉の隣の扉の前に立ち、ドアノブを、回した。

sound:26

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暗い通路を抜けたその先には窓らしき物から外の明かりが差し込んでいた。

そして………

その先には森が……

此処が出口だったのだ!!

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浦賀は、ゲームのダンジョンを抜け切った後の様な爽快感と安堵で、森に向かい走り出していた。

……

通路を走り抜け…

両側に窓がある辺りを走る……

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wallpaper:3889

すると

―――――

バンッッ!!!

―――――

左側の窓に、両手、顔を勢いよく叩き付けるモノがいる…

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だが、浦賀は止まらない。

もうすぐ………

もうすぐ…………

もうすぐ出口だ!!!

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出口辺りに散らばるガラスの破片をバリバリと踏み砕き、ゴールインしたマラソンランナーの様に両手を挙げて廃墟からの脱出に成功した。

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wallpaper:3890

外に出ると、左側の奥から眩いくらいの明かりが森の木々、地面を照らすのが見えた。

まさか迷子になるとは思わなかったが、暗闇で出入り口が分からなくなった時の為に、廃墟に入る時に入り口に仕掛けて置いた照明だった。

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機材は後日、小林ではない、他のADに引き上げに来させれば良い。

………

浦賀は、一刻も早く、この場を立ち去りたかった。

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懐中電灯は、いつの間にか無くなっていた……

何処かに置いたのか?

忘れたのか?

落としたのか?……

記憶も定かではない。

だが、もう2度と、この廃墟には…

この地には立ち入りたくはなかった……

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wallpaper:3891

(確か、小林の道案内で…

この辺りで森から抜けたんだよなぁ…)

廃墟の入り口に並んだ機材と、その場所を確認し、その先の森へ浦賀には向かった。

土は相変わらずジメジメと湿っぽく、廃墟の中ほどでは無いが、悪臭が鼻に付く。

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―――――

ヌチャ……

―――――

浦賀は泥濘に足を取られ、前のめりに倒れそうになり、地面に両手を付いた。

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―――――

ズブ

ズブ

ズブブブブ………

―――――

浦賀の足が……

浦賀の両手が……

そのまま地面に沈んで行く…

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wallpaper:3892

『ちょっと待ってくれ!

誰かーーーーー誰かッ!!』

浦賀は顔だけを夜空に向け、助けを求める。

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(そう言えば…小林が沼が有るって…

何だよ

これって、底なし沼って奴じゃないか…)

地面は、浦賀の身体を静かに、そしてゆっくりと飲み込んで行った……

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wallpaper:3893

*********************

『マジかよ?ここだろ?』

『ああ…もうとっくの前らしいけど、変なカルト教団の総本部だったらしいな…。

信者を監禁して、邪気を祓うとかって言っちゃ拷問して殺してたんだって。

そんで遺体は中庭に埋めてたんだってよ。

団体が捕まって中庭掘ったら、スゲー数の骨が出て来たらしいぜ!』

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若い男性達は森を抜け、夜空に浮かぶ廃墟を見上げる。

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『そうそう!グラドルの愛菜ちゃんが行方不明になったって場所もここだよな?』

『愛菜ちゃん、行方不明になってから売れっ子になっちゃったもんな!

もっと前から知ってたら、オレが肝試しなんて来させなかったのによぉ』

『一緒にいた奴等も、全員行方不明なんだろ?

何処に行ったんだろうなぁ…』

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若者の一人が鼻をクンクンさせ呟く。

『何か、ココ…臭くね?』

『あぁ、臭うなぁ。

ってか、お前、屁こいたんじゃね?』

『はいはいそーだよ!

オレ様の屁の臭いを嗅ぎやがれ〜!』

若者達は、これから始まる恐怖を知らずハシャギまくる。

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wallpaper:3894

*********************

………………

俺は…………

俺は……………

此処にいる………

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誰か………

誰か……

………………

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wallpaper:3895

た……

す……

け……

て……

く…れ………

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沼の濁水が

―――――

ピチャン……

―――――

音を立てた……

………………

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すると……

……………

静かに水面から

…………………

腕が伸びて来る

…………………

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若者達は、誰も気付かない

………………………

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@shibro さま
こんにちは!
ご無沙汰してしまって、申し訳ありません(≧人≦;)
そして、過分なお褒めの言葉を頂戴しちゃって、オロオロしちゃいます(((ll◉艸◉))
変な話しですのに、楽しんで頂けたようで、作者冥利に尽きます(;∀;)✨
有難うございました♡

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すごく面白かった。序盤から、これ好きなやつやとわくわくして最後まで期待を裏切らない作品でした。続編読むの楽しみ。

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@YUKA Hosaka 様♬

お久しぶりです♡
そして、覚えていて下さり、暖かいお気持ちを…有難うございますございます(;д;)

性懲りも無く、又々出戻って参りました☆。ヾ(*'∀`*)ノ♡*

これからも、どうぞ引き続き、宜しくお願い申し上げます♡

この度も過去作ですのに、お読み頂き、本編、続編共に怖ポチまで有難うございました・*✧:.◝(⁰▿⁰)

夏頃までは、過去作の投稿をして参る所存です。

又、YUKA hosakaさまのお目に留まります際には、どうぞお付き合いください(⋈◍>◡<◍)。✧♡

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遅れ馳せながら、「おかえりなさい。」
また鏡水花さんのお話を読めて嬉しかったです。

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@はと 様
おはようございます(*^▽^*)ノ
この度のお話しもお読み下さり、怖ポチまで頂きまして、有難うございます(*´ω`*)♡
凄いお話しだなんて…そんなお褒めを頂いた事は初めてで、恥ずかしいやら嬉しいやら…ハッキリ言います!
今、嬉しさの余りに東京音頭を唄いながら一人盆踊りしてます(//艸//)♡ww

暫くの間は、過去作の期間限定公開をして行こうと思っておりますので、はとさんのお暇な時にお読み頂けましたら喜びます(*´▽`*)♬

どうやら、コメント、メッセージで「>」を使うと、そこから切れてしまうみたいです(゜_゜;)
何ででしょうかねぇ(´・ω・`)?

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@吉井 さん
ご無沙汰しております♬
お元気そうで、ホッとしました(*´▽`*)♬
そして、怖ポチ&コメントを有難うございます!
私の投稿作品の中で、この話しが一番好きなんて、そんな嬉しいお言葉にも、感涙ですってぇ(pД;)✨
やっと、続編の手直し、画像の編集も終わりましたので、明日の朝(投稿完了は多分、午前中…)に投稿しますね(*´ω`*)ノ
吉井さんの御手隙の時にお愉しみ頂けましたら幸いです♬

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@ふたば 様
ご無沙汰しておりますm(_ _)m
ふたばさんもお元気そうで安心しました(*´▽`*)♡
そうか…画像が重くて、制限喰らっちゃうんですね(◉艸◉;)))
でも、許してね(≧人≦;)
私の拘りでもある、《映像を見ているような話》にするには、話しに合う画像を(無料の)拾って来る事から始まり、話しに合う様に加工をして使いたくて(◉∀◉;)
作者の都合でご迷惑をお掛けし、申し訳ありませんm(_ _)m

明日には続編も投稿いたしますので、どうぞWi-Fiの環境でお楽しみ下さいね(*´∀`*)♬
因みに…久し振りに続編を読み返したところ、こちらの話しよりもグロいかも…(T艸T)

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@セレーノ さん
ってか…はるちゃんヾ(*´▽`*)ノww
いつも怖ポチ&コメントを有難うございます♬
今回、以前削除前にコピペしてwordに保存していたこの話しを、内容の手直しはしましたけど、そのまま投稿したら、効果音もそのまま入ったまんまでしたww
書いた自分が効果音でビックリしちゃったんだもんww
楽しんでもらえたみたいで、私も嬉しいです(*´艸`*)♡
明日の午前中には続編を投稿しますので、今暫くお待ちくださいね♬

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@小夜子 さん
ご無沙汰しております!
小夜子さんもお元気そうで良かったぁ(;▽;)♡
この度は、懐かしい話しに再びお付き合い下さり、怖ポチ&コメントを有難うございました♬
そうですよね…。
この投稿の前月から、小夜子さん、番長、沙羅さんも投稿を始めて…。
丁度この頃から、皆が仲良くなって、毎日互いの板でお喋りしまくってましたよね(*´艸`*)
姫ちゃんも投稿をしていて、本当に楽しい毎日でした…。
私はもう退会はしません(◉v◉)
小夜子さんが誰かと話したくなったら、いつでもメッセージを下さい(^^♪
マッハで飛んで参ります(*´∀`ゝ

返信

@むぅ 様
お久しぶりです(*´▽`*)ノシ
この度は、怖ポチ&コメントを有難うございます♬
続編の手直し、編集も大体終わりましたので、明日の午前には投稿出来るかと思います(´艸`;)
一昨年くらいまでは、こんな感じのしょーもない話しが多かったんですよぅ(*´▽`*)ww
”グロの女王”なんて別名を頂いた事も…( ̄∹ ̄;)ww
本人は怖い話しや映画は好きなんだけど苦手なチキンなんですけどね(*´▽`*)ww

夏までは、リクエストを頂けましたらそれにお応えして過去作を投稿して行き、秋にはそれも再び削除して行こうと思っております。
むぅさんのお好みの話しが御座いましたら、どうぞお付き合いくださいませm(_ _)m

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@mami-2 ちゃん
いつも怖ポチ&コメントをありがとーヾ(*´▽`*)ノ
今更こんな過去作を投稿…なんて、それなのにお読み下さり、有難うございます(*;O;*)✨
そして、一番好き…なんて、そんな嬉しい言葉を頂いちゃったら、涙腺崩壊しちゃいますって(PДq)・。゜
今日中に続編も投稿しようと思っていたのですが…
本文の手直し&私の拘りである作中に使用する画像の編集が、思いの外時間がかかってしまい、出来ませんでした(T^T)←もう眠くて仕方ない
なので、明日の午前中に投稿いたします(*´∀`*)v

珍味さんのコメ返でもお話ししましたが、この様な愚作をいつまでも皆様のお目汚ししてはいけませんので、秋には再び、削除しますm(_ _)m

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@りこ-2 ちゃん
いつも怖ポチ&コメントをありがとーヾ(*´▽`*)ノ♡
私ってば、しょーもない話しばかりを投げてましたから(◉艸◉;)))
呪詛の話しや人喰いナマズの話しまで覚えていて下さったなんて…
本当に嬉しくて堪りません(*T^T*)ウッ…
再投稿をするにあたり、こちらの「人喰いの地」にするか、「They are(人喰いナマズ)」と、どちらにしようか、実はとても迷いまして…
そして、こっちを選んでしまいました(´∀`;)
少しお時間を頂けましたら、wordに保存している過去作を手直しして、作中に使う画像を用意して、再投稿させて頂きます(*´艸`*)♬

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@珍味 様
この度も、怖ポチ&コメントを有難うございます(*´∀`*)♬
投稿早々に頂きましたのに、お返事が大変遅くなってしまい、ごめんなさい(≧人≦;)
この様な古い話しを喜んで頂けたなんて…もう、本当に嬉しくて(p_;)✨
一度削除した作品ですので、以前のコメントも残っていないのが残念ですが、再びお読み下さいまいて、有難うございましたm(_ _)m
う~ん…(´ω`;)
この様な愚作をいつまでも投げっ放しと言うのも申し訳ありませんので、夏が過ぎたら再び削除をしようと思っております(*´▽`*)

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