中編3
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エレベーター

これは本当にあった話

今でも私はエレベーターが怖い。特に扉にガラスが付いているエレベーターが怖くてたまらない。

だから比較的エレベーターは使わないし夜の外出も好きじゃない。若いのになんで飲みに行かないの?なんて言われるが、それはすべて今から話す話が始まりである。

小学生の頃。私は学校から一番離れている校区に住んでいた。その校区には子どもは少なく同じマンションの子たちしかいなかった。だから毎日のように同じマンションの子たちと遊んでいた。

そして高学年になったある日、私たちは沢山の友達らとはいえ男女合わせて十人ぐらいとケイドロをしていた。

警察と泥棒に別れた鬼ごっこである。

いつもはエレベーター禁止だったがその日はマンション組と外部組に警察と泥棒に別れた。ちなみに私たちは泥棒組。エレベーターを使い警察側を撹乱しようという作戦を立て逃げていた。もちろん階段を使ったりエレベーターを使ったりしていて、私はエレベーターに乗りとりあえず下に近い場所に降りていた。すると四階で女の子がガラス越しに見えた。まさか警察側の子!?と思い慌ててエレベーターから降りて下に向かう。しかし一階に降りても女の子は居ない。だからまた上に上がる事にした。するとまた四階で女の子が見えた。

誰なんだろう?そう思い私は5階で降りて4階に行きエレベーターの前を見たが誰も居ない。

降りたのかな?なんて思ってまた一階に降りたが女の子はいない。しかしまたエレベーターに乗ると4階で女の子が見える。気味が悪くなり私は一階にいたリーダーの男の子にケイドロを辞めようと言うと、その子もそう思ったと言った。そして私に…

「おまえ4階でエレベーター待ってたか?」

と聞いた。

だから私は首を横に振る。

「4階ではエレベーター待ってない。降りてもないよ。だって4階にはずっと女の子がいたから」

するとリーダーも同じことを言ったのだ。

確かに4階には女の子がいた。最初は警察かと思ったが違うぽいしだから5階や三階で降りては見に行くがその時はいないと…

そうして私達はこのマンションにいる子どもの名前を挙げたが皆、あったことがある子だった。しかし一人だけ顔は知っているが名前を知らない少女がいた。だがその子はいつも制服だし母親と一緒なのだ。

ならあの子は誰だという話になった時他の子達も少女を見たと言ってやってきた。私たちは怖くなり結局、その日は私の家で遊ぶことになった。

それからしばらくした時、私達は階段を使いまたケイドロをしていた。

すると4階で女の子の姿を見た。こないだと同じ女の子だ。私は怖くなり下に降りた。そしてまたリーダーもみたしみんな見ていた。それからはエレベーターに乗ると何回か見かけた。

そうして私達はあの子が誰かわかった。

それは昔のこと。私達の住むマンションの前には池があった。ドブ川とあだ名をつけていた、底なし沼だ。

その川で子どもが溺れたらしい。安否はわからないがその家は引っ越したという。

多分その時溺れた女の子がいたのだ。生き霊か又は幽霊かだが…

それを聞いた私はエレベーターが酷く怖くなり、そしてなぜか夜遅い時間に帰るのも嫌になった。

だって夜遅い時間に一度だけその子をエレベーターで見かけたからだ。たまたま友達の家に遊びに行っていて帰る時に見かけたのだ。4階でエレベーター前に立つその子を…

だから今でも夜遅い時間に戻るとこの世にいない何かがいるかもしれないと思いだから、飲み会なども行かない。

引っ越ししたしそんなことないとみんないうが…あれは体験しないとわからない。だってあの日私は4階でエレベーター越しに目が合ったのだ。女の子と…

女の子はニタリと笑っていたのだ。その恐怖は大人になっても抜けていない。

この世にいないものが確かにいた気がした。だから私は今でも夜遅い時間に帰るのはとても怖いしエレベーターも怖い。

だってまたこの世にいないものと出会うかもしれないからだ…

Concrete
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