短編2
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注入

チクットシマスヨ~。ダイジョウブスグオワリマスカラネ~。

私は注射が嫌いだ。

だがそれは、針を刺される痛みが嫌なわけではない。

体に異物を注入されることが嫌なのだ。

その液体は本当に薬液?

塩水じゃなくて?

中身は間違ってない?

確かめた?

確かめてないよね?

皆を疑ってます。

看護師さんやそれを納品した人、製造に携わった人皆等しく平等に疑ってます。

誰かがなんか魔が差して

ちょっと試しに

なんてことが、ないってなんで言えるんですか?

「大丈夫だと思うなら先生が自分に打って見せてくださいよ。

え?体調の悪くない人には打つべきじゃない?

効果がわかりにくい?

違いますよね。今の僕の言葉を聞いて頭のなかにチラッと不安がよぎりましたよね?

そうです。その感覚が私に付きまとっているんです。

だから、注射が嫌いなんです。

コンビニやスーパーのお菓子に針を入れる人が、前には屋台のカレーにヒ素を入れた人もいるんですよ。

薬液のラベルを張り替えたり。薬液に毒物を入れた人がいてもおかしくないんですよ。」

じゃぁ、食べ物なんかどうするんだ?

なにも食べないわけにはいかないだろ。自分でお米や野菜、調味料全てを作るなんて不可能だろ?

もちろんです。

偏屈な俺でもそこまで無茶苦茶言いません。

折り合いはつけてるよ。

食べ物なんかは異常があるとわかるしな。

スナック菓子ならあけて中身を隅々まで確認する。

異物を食べた場合は胃洗浄や最悪外科的処置もできるだろ。

まぁ、飲み物にヒ素や青酸カリ入れられてたらお手上げだわな。諦めて死ぬだけさ。

食べ物を食べないわけにはいかないのでこれくらいのリスクは仕方ないので承知です。

そこで私考えたんです!

名案ですよ!

私が医師になればいいんです!

そうすれば私が病気になっても安全に注射打てるんですよ!

嫌いだった注射も克服です!

え?よく意味がわからない?

百聞は一見にしかずっていうでしょ?やってみましょうか!

こんなこともあろうかと色々持ってきたんです!

鞄のなかにはたくさんの医療器具と薬液を詰めてきた。

まず、私に打ちたい薬液をこうやって注射器で吸い上げて

あなたに打つんです。

それで、あなたの身体に異常がなかったり

死ななければ私も安心して自分に打てます!

ね?名案でしょ?

ほら、腕を出してください。腕を出しテ。ハヤク腕をダセヨ。

チクットシマスヨ~。ダイジョウブ、スグオワリマスカラネ~。

Concrete
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