中編3
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当たりました

2年目の大学生活が終わろうとしていた。

田舎に住んでいたが、大阪のとある大学に進学が決まりアパートに1人暮らしをすることになった。

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1人暮らしは憧れていたが慣れてくるとめんどくさいもので、今まで親に家事をしてもらっていたことに遅くではあったが感謝するようになっていた。

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友達はそれなりにいたが、彼女もできるわけでなく普通の大学生活を送っていた。

1年も経つと自炊することも減りコンビニでの食事が増えていた。

そのせいもありバイトだけでの生活が苦しくなっていた。

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そんなときに思いついたのが懸賞だ。

肉でも米でも当たれば生活が楽になると思い無料の雑誌についているような懸賞をとにかく送りまくった。そんな努力(?)のおかげもあり30個くらい送れば1.2個は当たり生活が少しだが楽になっていた。

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さすが俺。と思いながら懸賞が趣味になりつつある3年目の大学生活をそこそこに楽しんでいた。

そんなとき、夜中に電話がかかってきた。

2時か?3時くらいだった気がする。

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そんな時間にかかってきた電話だから少し寝ぼけつつもでてみたら、

「……りまし…」とよく聞き取れない声が電話越しに聞こえた。

ずっと同じことを呟いているように感じ、少しイライラしてきた俺は、

「なんですか!!」と強く言ってしまった。

しまった…と内心思ったが、それでも電話の向こうでは

「……りまし…」とよくわからないことを何度も言っている。

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よく耳をすまして聞いてみるとどうやら、

「当たりました」と言っているようだ。

懸賞のことか?と思ったがこんな時間に電話なんてかけないだろと思ったとき、

「今から行きます」と、はっきりとした声で聞こえた。

俺は、は?となったが、なにかを考える時間も与えられる暇もなくアパートの階段からコツコツコツと誰かが登ってくる音が聞こえた。

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人間焦るとほんとに動けなくなるんだよ。まじで動けなかった。それでもその足音は止まることなく俺の部屋に向かっているのがわかった。

部屋のインターホンが鳴る。もちろん俺はでることができなかった。霊感がない俺でもわかる。ドアの向こうにいるのは人間じゃないことくらい。

そしたら急にドアを叩きだしたんだよ。

ドンドンドンドンって、止むことなくずっと。

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もう俺腰抜けちゃって、助けも呼べずにただただドアの方向くことしかできなかった。

そしたら、そいつ叫び始めたんだよ。

「迎えにきましたよー」って、

絶対隣の人が起きるだろってくらいの大きい声で。でも隣の人が来る様子はなかった。俺しか聞こえてないのか!?とかもうわけわからなすぎて呑気なこと考えてた。俺ほんとにビビりすぎて気絶して気付いたら朝になってた。

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朝になると恐怖がだいぶん消えてて勇気持ってドアスコープ覗いたんだけど、誰もいなかったしなにも置いてなかった。

起こったことがありえなさすぎて夢かと思った。でもすぐ現実に戻されたんだよ。

怖すぎて友達に連絡とろうと携帯見たら、留守電入ってたの。夜中の3時半に。

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もちろん聞いたよ。そしたら、

「ちっ。」ってはっきり男の舌打ちが入ってた。

俺もう怖すぎて、引っ越して機種変までしたよ。懸賞で得した分のお金以上の損失。

今思えば、迎えにきたってどこかに連れてかれる予定だったのかな。腰抜けて正解だったのかも。

存在しないはずの懸賞を送ってしまっていたのかとか考えたし、懸賞はそもそも関係ないのかとかも考えたけどなんもわからん。

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懸賞はもちろんもうやってない。

電話も知ってる番号にしかでないようになったよ。

これが、俺の体験した話。

わけわからなすぎて、うまく伝わってないかもしれないけどこれだけは言っとく。

懸賞送るときはほんとに気をつけてくれ。

あたりまえの日常でも、嘘みたいな体験をすることがある可能性だけは忘れないでほしい。

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