中編3
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声がする

ふんだんに日光を吸い込んだアスファルトの上には陽炎が揺らめいていた。

暑い…

止まることをしらず滲んでくる汗のせいだろうか、酷く喉が渇き体が水分を求めていた。

ふと見つけたコンビニでアイスコーヒーでも買おうと立ち寄った。

普段ならお菓子などは買って食べないのだがなぜかその日はチョコでも買ってみようかな。と気が向いたのだ。

外とは全くの別世界のように冷房の利いた店内。

みるみるうちに汗は引いた。

むしろ、肌が水気を帯びていたせいか寒さすら感じるほどだった。

時間はお昼どきということもあってか、店内はそこそこ賑わっていた。

アイスコーヒーのカップを握り、お菓子を選ぶため陳列棚へと足を進めた。

最近はチョコと一言で言っても様々な種類がある。

外をかりっと焼いているが、中は生であるものや手を汚さないようコーティングを施されたもの。

長年愛される、キノコとタケノコなどだ。

俺はクランキー系の物が好きなため好みの商品を手に取った。

アイスコーヒーにチョコと目的のものを手にした俺はレジへ向かおうと足を向けると、

三歳ほどの熊の人形を抱えた女の子が道を塞いでいた。

時間が時間だし、親と一緒に来ているはずだ。

不思議なことなど何もなく、気にもしなかったが女の子が俺の方へと信じられないほど小さな歩幅でゆっくりとにじりよってきた。

「ねぇ?私の声聞こえる?聞こえているよね?ねぇ?…ねぇ?」

この子は何を言っているんだ…?

「ねぇ…?」

先述したが店内の人の入りは良かった。

それにも関わらず何故かお菓子の棚には俺だけしかいなかった。

俺の後ろに誰かいるのか?と振り返ってみたが誰もいない。そんなことをしている間も女の子は近づいてくる。

そこそこ、怖い体験はしている。

そんな俺の頭の中で“ヤバイ…これは本当にまずいやつだ…”と警鐘が鳴っていた。

表現が多少おかしいのだが、“ちゃんと生きている人間”に対して警鐘がなるのは始めてだった。しかも相手は小さな女の子である。

俺の頭の中は混乱すらしていた。

俺は女の子との距離を測り、経路をかえてレジへと小走りの要領で向かった。

レジを済ませ振り返ってみたが、こういった話でよくあるすぐ後ろにすでにいた。なんてことはなかった。

当然だが店員さんは“どうしたんだ?”というような表情をしていた。

店を出ようドアに手をかけたとき

「○○ちゃーん。」と子供を呼ぶ声がして、再度店内を見渡すと

「はーい!」と親へと走りよる先程の女の子が。

え…

俺に向けて発した声とは全く違う。年相応の子供の声。

混乱のあまり気がつかなかったが、先程の声は子供の声ではなかった。

二十代以上の女性の声。

親の足へとしがみついた女の子が俺の方を振り向いてニヤリと笑ったんです。

逃げないと…

急いでドアをくぐり店から距離をとり手に持ったアイスコーヒーを一口飲むと多少落ち着きを取り戻した。

なんだったんだあれは…

疲れた体には糖分を。とチョコを一かじり

あの声が耳から離れない。

歩きながら両耳にイヤホンをさすなんてことは危険なのでしないのだが今日ばかりは…と両耳にさした。

もちろん。先程の声をかきけすために…

お気に入りの曲を聞こうと再生ボタンを押した。

「…ねぇ?どこにいくの?ねぇ?」

Concrete
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