小さい頃に出会った謎の出来事

短編2
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小さい頃に出会った謎の出来事

自分が小学校入学前後の事です。

自分は一軒家の四階で家族と寝ていました。

ふと尿意で目が覚め、我慢して寝るには難しい量の尿があるのが分かり、三階のトイレに行くことにしたのですが、一人は明かりがあっても怖いので、隣に寝ていた父を犠牲にトイレに行こうと考えました。

早速父の肩を揺すり、「ん、何だ?」と返した父に「トイレ」とだけ言い放ちました。

父は「待ってろな」と言うと、少しモゾモゾしながら「廊下にでも立ってな」と言いました。

寝室のドアを開けると大人が四人と立ってられないほどのプチ廊下があり、そこに立って待っててと言われましたが、そこですら怖いので、布団の上で行進していました。

暫くしてふと同じ四階にある子供部屋(勉強部屋)に目を移しました。

その部屋は妹と自分の勉強机が並んでいて、椅子の背もたれには親の服がシコタマ積んでありました。

尿意は70%ぐらいのところで維持したまま、その椅子に掛かった洋服を見ていると突然服がガサガサと動き出しました。

初めは動いてるとだけ思って見ていましたが、それはまるで椅子に必死に這い上がろうとしているような動きでした。

自分は怖いと感じてはいましたが、目を離せず、じっと見ていました。

と、完全に忘却の彼方にいた父が「おまた、行こうか」と言い、その瞬間、さっきまでもがいていた服が一斉にバサバサっと音を放ちながら地面に落ち…

そのあとは普通にトイレに行き、普通に寝ました。

一体あれは何だったのだろうか…

未だに似たような話にも出会えず、正体は分かっていませんが、

あの時窓は開いていなかったのと、机の下に異物(自分でもよく分からなかった)があったのは分かります。

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