短編2
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手は清潔に

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特に問題は無いのですが、昼寝から醒めると左手にダンゴムシが群らがっていることがあります。

数匹ほどが遊んでいることもあれば、多数が集まりまっくろな塊になっていたり。

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虫の触れる感覚があるわけでもなく、眺めているとそのダンゴムシが左手へ潜って消えるというだけですが、浮いた静脈を丸まって流れて行く様子は少し嫌な気がしています。

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ダンゴムシが訪れるのは昼寝の際だけで、深夜に眠りから醒めた場合には誰かが私の左手を何か細いもので刺しています。

これも感触が無いのでさして気にならず、照明を落とし薄暗くして眠りますから最初は人物の特定も出来なかったのですが、慣れた頃にいきなり跳ね起きて点灯してみたら職場の先輩でした。

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しばらく見つめ合いましたが、先輩は哀しいような笑っているような表情を浮かべて壁に埋まってしまいました。

人間関係は悪くないし今夜も本人と飲みに行く予定なので、まあ気にしないことにします。

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同じようにこうして跳ね起きる逆ドッキリを繰り返したところ、中学時代の恩師とか親戚の子供、通勤電車でよく見かけるOLなども私の左手を刺しに来ていることがわかりました。

たいていみんな正座して刺しているので、唐突に部屋を明るくされると私を見上げ、それからゆっくり起立して壁に埋まります。

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ただ、刺すのに使う何か細いものの正体はまだはっきりと視認できていません。それから、私に気づかれた瞬間の彼らのあのどういうわけか申し訳なさそうな微笑みも、少し不思議です。

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怖い話は難しいですね。
いちばんダイレクトにエンタテイメント性が高いジャンルですが、自分で描いてみたら怪談というよりわけのわからない怪奇小説みたいになってしまいました。日常の嫌悪感や絆の裏返しの意外なほどの激しさ、みたいなことだけはなんとなく意識したんですが、全体を構成してテーマを絞るのが苦手みたいです。
でもとても楽しかったのでこれからも続けていきます(*`・ω・)ゞ

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