中編4
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オカ研部長の相談室

都会暮らしの高校生Aは幽霊やUMAなどのオカルト分野が好きで、昔から色々な呪文を唱えたり、儀式を行ったり、心霊スポットに行ったりetc…

この春から高校に進学したAはその高校に「オカルト研究部」という部があると知り、早速体験入部しようと部室に行った。

部室は四階建ての校舎の四階の隅にあり、建築当初は「物置」だったらしい。

中はすっきりしていて、机と椅子とロッカーとゴミ箱だけしかなく、水晶や数珠などは無く、Aは落胆した。

Aが行った時は部長(唯一の部員)が椅子に座り、宿題をしていた。

「!入部希望か!?」部長は宿題から目を離し、Aを凝視する。

「はい!入部希望です!入部条件と活動日を教えて下さい!」と、Aは色々と会話をすっ飛ばし、気になる事だけを聞いた。

部活関係の話を終えると、部長は机に座り、Aに椅子に座るよう指示した。

Aは拒否する理由もなく、椅子に座るやいなや、部長に「君はリスクを恐れない子だね」と言われた。

理由を聞くと、「君には色々な呪いや呪文が中途半端に沢山かかっている」と言った。

恐らく昔から適当に色々な呪文・儀式を試していることを言っているのだと思い、その事を伝えた。

部長は「別に害があるわけじゃ無いからいいけど次からは下調べをするんだよ」と言って、ポケットから塩を出し、Aに少量振り撒いた。

その日はその後オカルトの話で盛り上がった以外は何も無かった。

それから何日かし、Aはオカ研に入部した。

その日の夜は雨が降っていて、冷んやりした冷気が肌寒さを感じさせ、Aは布団をかぶって寝ていた。

夜中の2時過ぎ、急に目が覚め、何かの気配に気がつく。

部屋の外に誰かがいる。

その日は親は両方とも長期出張の最中で、兄弟はいないし、先日同居していた祖父も死んでしまっていたので、誰も家にはいないはず…

誰だか分からない人の気配がするドアの方向を見ていると、声がする事に気がつく。

「おい!今から遊びに行かないか?去年の花火消化しちまおうぜ」

知らない人の声だ。男性、自分と年が近そうという情報しか入ってこない。

その日は2,3分もすれば消えたが、毎日2時過ぎに来るそれは日に日に消えるまでの時間を長くし、口調も荒くなる。

「おい!開けろよ!友達だろ!A!おい!いるの分かってるんだぞ!」

Aは耐えられなくなり、夜中という事を忘れ、オカ研の部長に電話をした。

「やめて、この時間に起きたくない、朝起きられない」

「部長!怖いです!知らない奴が俺の部屋のドアの前で…

「待て、聞こえた。男だな、口調が荒い…今日学校で聞くから寝ずに耐えろ、いいな!」

部長が急に怒鳴ったものだから、ギャっと声を出し、電話を切る。

声は朝の5時ぐらいまで続き、日の出とともに消えた。

学校に行くやいなや、部長の教室に駆け込む。

部長は2年生で、Aのいる1年生の教室の上の階にいた。

「部長!怖かったー、どうすればいいですか!」と、また知りたい事に直結するような質問だけするAに対し、部長は冷静だった。

「今日お前の家に行く。奴の正体を見抜いてやるから、大丈夫だ、落ち着け。放課後部室に来い。一緒に行こう」と言って、Aを返した。

その日の授業は一つ一つが5倍ぐらい時間が掛かったような、そんな感じだったが、最後の授業はいつもの時間に終わった。

部室に行くと、部長が椅子に座って待っていた。

「行こうか」部長が言い、超特急で学校を出た。

家に着くと、部長が「ここは鬼門が通っているな、艮(うしとら)の方角例のあいつと鬼門の重なる場所がある、行こう」と言い、家に入った。

そのあいつの原因と鬼門が重なっている場所には掛け軸があった。あったのは家の2時の方向にある和室の中で、去年亡くなった祖父が直前まで生活していた部屋の中だった。

その掛け軸は江戸時代に書かれた赤子の絵らしく、赤子がこちらに手を伸ばし、目をかっ開いているという、シンプルな絵だった。

部長は暫く部屋を眺め、「なるほど、あの夜中の妖怪の正体が分かったぞ」と言い、掛け軸を手に取った。

「さっきも言ったようにそいつの正体は妖怪で、名前を狢(むじな)と言う。普通は山の中で赤子の声を出し、人を誘うだけの妖怪だ。しかしこの掛け軸の赤子ではそこまで力はない。が、鬼門が妖気を強化し、赤子を成長させ、恐怖心を掻き立てさせていたんだ。だがもう心配ない、この掛け軸を取り、夜中に来ていない事を確認すればOKだ。」

部長は手に持っている掛け軸を丸め、部屋を出て、玄関に置いた。

部長は自分でも確かめたいとその日は泊まることにした。

Aの親はまだ出張中だったし、部長の言っていることが外れ、あいつに殺されたりなんかしたらたまったもんじゃないと思い泊まることを許可した(願ったり叶ったり)。

2人は夜中までオカルトの話をし、2時になってやつが現れないのを確認すると、さっさと寝た。

その日以降、あの妖怪に会うことはなかった。

そしてAの日常は、この日から狂って行く…

因みにAはこの事件をキッカケに風水にも興味を持った…

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@むぅ 様
時間はかかると思いますが、絶対に続編書きたいので、その時はぜひ読んで下さい!!

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