短編2
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異形集落

詳しい場所は言えませんが、戦中に米軍の爆撃機が墜落したある山には異形のモノを祀る集落が在るらしいです。

その集落には神仏も既存のいかなる日本人の信仰も存在しない。

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形ばかりの古寺に祀られているのは祭壇に無数に積重ねられた異形の骸骨ばかりだという。

集落の生活の糧は全て山で調達する完全自給自足。結婚はせず規則性のある独特な乱交によって子孫を残す。葬式無く死者は山頂の洞窟に埋葬される。

奇形が尊ばれており奇形者は死後遺体を寺へ寄進されるのだ。

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それ故周囲の村からは極端に忌み畏れられていて一切の交流が禁じられている。

山頂に位置するその集落を山ごと囲い込み封印するかの如く大昔に築かれた8メートル位の高さの「地獄井」とい石垣が延々と続いている。

何を畏れてこんな物を築いたのだろうか?

蔦と雑木林に覆われてはいるものの壮観なこの遺構を何故マスコミや観光会社が黙殺しているのかは分からない。

何か触れてはいけないタブーでもあるのだろう。

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集落には希に異能の験力を持って産まれる者が現れるという。

何故かその者は「」と呼ばれ体に奇形は無く他の集落の人間の様に蔑まれず、逆に崇拝対象とされているという。

「」は戦をすれば鬼神の如く、治水をすれば仏の恵みをもたらし、争論すれば百人の坊主禰宜を論破絶句せしめる神の沙汰を下し。

様々な災厄、難題から石垣沿いの村々を太古から守って来たと信じられている。

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まあ、秘教の類いなので殆ど知られては無いが・・・

そこに大学の仕事で学術調査に入った事がある。勿論非公式な調査だ。

ある団体から集落の古寺にある人骨が余りに人間離れしているとして調査して欲しいという事だった。そこで分かった事がある。

ある団体は古寺の人骨が○○○にソックリだと言いました。

日本にも古来○○○が来ていたのだと。○○○の世界への入口が日本にあるのでは無いか?と・・・

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その団体は○○○の血を引くある一族の組織です。

この集落は○○○の末裔に違い無いとその一族は考えていた様です。

ですが真実は少し違っていました。

ドミトリー・ベリャーエフの「狐の家畜化研究」ってご存じですか?

ソ連がやった狐を犬みたいにするという交配実験です。

最終的に野生状態では絶対にあり得ない先天的に人懐っこい性質を持った狐が誕生しました。

物凄く乱暴に言えばそれと同じ事でした。

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文献レベルでの話ですが集落の祖先は○○○の存在は確かに知っていました。

ですが○○○の血を引いては居ませんでした。

一言で例えるならサーベルタイガーとスティラコスミルスみたいな関係でした。

調査した私も団体もビックリしましたよ。

彼等は○○○になろうとしたのですね。

巷では地球外生命が存在するか?と騒がれていますね。

私も生きている内に早く調査したいものです宇宙では無く地底世界を。

Concrete
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