「写る」モノ、「写らない」モノ

中編3
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「写る」モノ、「写らない」モノ

私の友人に起きた不気味でほのかに笑える話です。

友人ケイちゃんは小学生の頃バトンクラブに所属していて、休日は人前で演技を披露するのに白い膝上のスカートをはいていたそうです。

テニスのスコートくらい丈が短くて、恥ずかしかったからよく覚えていると彼女は言っていました。

ある日、大会の会場に出かける前に彼女のお父さんが「よし、写真を一枚撮っておくか!!」

とケイちゃんにバトンクラブのユニフォームを着させ、居間で写真撮影をしました。

当時はデジカメもなくフィルムカメラだったので、現像した写真を見るまで結構間があいてしまったようです。

しばらくしてお父さんがフィルムを使い切り、現像に出して戻ってきた写真を見て、家族一同、声を失ったのでした………。

居間で撮ったケイちゃんの写真。

ケイちゃんは上のシャツしか着ておらず、下はパンツ(人に見えても大丈夫な物)一枚で立っているのが写っていました。

私がその写真を見せてもらうと、紛れも無く下半身はパンツ一枚で、はいていたはずの白いスカートは全く影すら写っていなかったんです。

「ねぇ、ケイちゃんの記憶違いじゃない??」

私の第一声はそれでした。単なる「はき忘れ」だと。

しかし、居間で撮影の時は彼女のお父さんもお母さんも妹も全員が、「全身ユニフォームのケイちゃん」を確認していると彼女は首を横に振ります。着替えも自分の部屋でした!!と言い切りました。

写真の彼女はピシッと姿勢良く気をつけをし、凛々しさまで感じる程なのに……なんでパンツ一枚……。

スカートは一体どこへ行ってしまったのか………。

笑いを通り越して不気味過ぎると彼女はその写真をしまったのでした。

実は私にもたった一回だけ、「不思議な写真」が撮れた経験があります。

姉の12歳の誕生日。

家で家族揃ってパーティーをしていた時のこと。

ケーキのろうそくに火をともし電気を消して、父が写真を撮ってくれるのがお約束でした。

姉とケーキ。母と私とケーキ。とにかく一通り可愛いケーキと一緒の写真をバシバシと撮ってから、やっとケーキにありつけるんです。

数日後。

現像した写真を見た母は私に

「由里は写真見ない方がいいかも…」

と一言。

当時私は6歳。物事の大半は理解出来るおませな年長さんでした。

そんな私に「見ない方がいい」なんて通用しない。それどころか余計に見たくなる!!

でも、見て後悔したんです。

ケーキと私の写真。

ケーキの上に乗っているであろう火の点いたろうそくがケーキの上に無く、後ろに座っている私の頭と肩の上にズラーッと並んでいたのでした。

母は私に見せるだけ見せてから、写真をビッリビリに破いてすぐ庭で燃やしてしまいました。

「12歳になるまで生きられないかもよ………アハハはは………由里、冗談よっ!!」

まだまだ幼い私に、母はそんな笑えない冗談を言って、何事もなかったように家の中へと戻っていったんです。

あぁ………

私は12歳まで生きられないのかもしれない……

と次の日、早速幼稚園のみんなに報告した私でした。悲劇のヒロインぶって。

写真を怖い…とは思いつつ、どこか好奇心旺盛な子供だったようです。

結局、12歳は無事とっくに過ぎ去りました。

あの写真のネガ、どこにあるんだろう………。また見たい気もする。

それにしても、最初っからそんな気持ち悪い写真、私に一切見せなければいいのに。うちの母も子供に対する配慮がなさ過ぎだよ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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