中編5
  • 表示切替
  • 使い方

秩父から憑いてきた親子

まずはじめに…

この話しは前回の話し同様、実話なので大したオチなどはありません。

ご期待に沿えなかったらごめんなさい。

separator

nextpage

2017年の5月、暖かくなり始めた時期の体験談です。

nextpage

私は知人と今年の春、埼玉県の秩父にドライブに行きました。

その日はよく晴れた日で、日中は少し暑いと感じるくらいの陽気だった。

nextpage

実はこの頃の私たちは立て続けに秩父へ行っており、秩父の観光スポットは大体見尽くした感が出始めてた頃でもあった。

そんな事からその日秩父には着いたものの、そこからの目的は無いまま町中を走りながら、どちらかと言うと会話を楽しむドライブだった。

nextpage

それから少し走ると「秩父ミューズパーク」という看板を見かけ、何か楽しそうな場所なのかな?と言う会話とともにそこを目指す事にした。

nextpage

小高い山を上りきったあたりで展望台を見つけ、そこで少し休憩しようと言う事になったが、

実はその場所に着く少し手前からヒドい頭痛に襲われていた為の休憩でもあった。

駐車場に着いて車から降りる頃には目眩もしており、フラつきながら歩いた事を覚えている。

nextpage

しかし展望台には家族連れが沢山おり、小さなアスレチック遊戯で遊ぶ子供たちのはしゃぐ声が賑やかで、少しも怪しい気配は感じられなかった。

そんな中、私たちはベンチに座り私の容態が良くなるのを待つ…そんな時間が流れていた。

nextpage

wallpaper:4011

何処を見るともなくお互いに話しをしてると、突然すぐそばに熟年夫婦が立っていた。

2人とも近寄ってくる気配など全く気付かなかったし、そもそも1本道添いのベンチ。

そんな場所で人間2人がこっそり忍び寄る事なんてあるのだろうか?という疑問が湧いてきた。それもまだ明るい日中、15時すぎの出来事だった。

nextpage

特にその熟年夫婦に何を言われる事も、される事もなかったが、とにかく突然現れた事に驚いていると、その熟年夫婦は私たちの隣のベンチに座った。

そしてすぐ隣に居る私たちには聞こえないほどの小声で話している感じだった。

その時、初めて私たちはお互いに「この夫婦どこから来たの?」と小声で話した。

知人も不思議に思っていたらしい。

nextpage

少しその場に座っては居たものの、一向に頭痛が良くならず、またその隣に座った熟年夫婦からも離れたかった一心でその場を立ち去る事にした。

nextpage

wallpaper:1

駐車場まで怪談を下り車に乗って走り出す直前、先ほどまで座っていたベンチを車中から見上げてみると、まだその熟年夫婦が居たが、私たちが座っていたベンチにも白いドレスを来た母親とやはり白いドレスを来た小さな女の子が座って私たちの車を直視していた事に気付いた。

nextpage

その白いドレスを着た親子の顔が無表情だった事がとても印象的だった。

一刻も早くその場から立ち去ろうと車を走らせ山を下りた。

町中に差し掛かると間もなく頭痛も治まってきた。

nextpage

私は「きっとあの辺りで何かあったのだろう」と思いながら車を走らせた。

また、私たちが座ったベンチは、あの白いドレスを着た親子のお気に入りの場所で、私たちが邪魔をしてしまったのかも?_とも思った。

nextpage

separator

その後も色々と不思議な事は起きてはいたが、長くなってしまう為一部省略させて頂きます。

separator

nextpage

それからずっと下道を走りながらお互いの自宅近くのいつものファミレスに到着したのが22時頃だった思う。

そのファミレスで窓際の席に座り、食事をしていた。

窓には外の景色、車道と歩道が見えており、自動販売機の明かりが歩道を照らしていた。

nextpage

wallpaper:1802

食事の途中、ふっと外を見ると、先ほどの白いドレスを着た親子が歩道を歩いている。

母親が先に歩き、その少し後ろをやはり先ほどの女の子が歩いている。

私は目が釘付けになってしまい、その2人を凝視してしまった。

nextpage

その白いドレスを着た親子は自動販売機の前に差し掛かると、自動販売機の明かりの中に溶けるように消えていった。

nextpage

消えた。

目の前で2人とも…

他に曲がる路地はない…

nextpage

その直後だった。

またもう一度同じ光景が繰り返された。

また視界の端から白いドレスを着た母親がゆっくりと歩道を歩き、少し後ろをやはり白いドレスを着た女の子が歩く…

2人が全く同じ動きをしている…

nextpage

私は驚いたと同時に知人にその事、全てを告げた。

知人が確認するには座ってる場所から少し振り向かないと見えない位置に2人が歩いたが、

知人は少し振り向き、2人を確認をし、その直後あまりの怖さに目を覆っていた。

すると、また自動販売機の前に差し掛かった白いドレスを着た2人は、先ほど同様に光の中に溶けて消えていった。

nextpage

2回とも全く同じ光景が繰り返された。

その間、通り過ぎる車も無いどころか他に人も全く無く、時間が止まった様な感覚だった。

nextpage

wallpaper:1

この話しはここまでが実話の全てであり、これ以上の現象は起こらなかった…

nextpage

separator

ここからは推測も含め少し強引な結論付けになってしまうかもしれません…

もしその為、不快に思われる様でしたらここから先の話しは消しますのでご報告下さい。

separator

nextpage

それから数日経った頃、私はYouTubeで1990年頃放送された怪奇番組「私の知らない世界」がアップされているのを見つけ、懐かしさから見ていた。

今は亡くなられている「新倉イワオ」さんが出演されていたお盆の時期の恒例企画番組だ。

その中の話しで、たまたま秩父の怪奇現象について触れている回があった。

nextpage

詳細を書くと差し障りがあるかもしれないが、現在のミューズパーク内の貯水槽で女性の遺体が見つかり、その被害者である女性の霊の目撃証言が多発しているというものだった。

タクシー運転手や地元住民の方の目撃証言などから私が見たソレと近いと感じた。

また、殺された女性が妊婦だった事など、強引ではあるが関連づける事が出来た。

(注意:事件当時、場所の名前はミューズパークという名前では無かった)

もしかしたらその女性を見てしまったのかもしれない…と思った。

もちろん全く関係ないかもしれないが…

それにしても何故、秩父から他県までツイて来たのか分からないし、

また、最初にベンチに座った熟年夫婦は何だったのか、それも全く分からない…

ただ、ミューズパークへは二度と行かないと思う。

Normal
コメント怖い
3
12
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信